“Speaking of Now” (2001) Pat Metheny Group
Pat Metheny (Guitars)
Lyle Mays (Piano, Keyboards) Steve Rodby (Cello, Acoustic bass) Antonio Sanchez (Drums, Vocals)
Cuong Vu (Trumpet, Vocals) Dave Samuels (Percussion, Marimba) Richard Bona (Acoustic guitar, Fretless bass, Vocals, Percussion) 

Speaking of Now
Pat Metheny Group
Warner Bros / Wea
2002-02-14
パット メセニー

 Pat Metheny Group、強烈な大作”Imaginary Day”(1997)の次の作品。
 間にギタートリオ作”Trio 99->00”(1999) などを挟んでいます。
 これまた大作。
 ”Imaginary Day”のドラマチックさ、勇壮さがこのアルバムにもあります。
 が、少し柔らかでしっとりとした感じが戻ったPat Metheny Group。
 メロディにかつての色が戻り、音も少し軽くなって、あの浮遊感が戻ってきたようにも感じます。
 ドラマチックなのは前作同様ですが、前作のような派手な仕掛けはないシンプルな質感。 
 前作ではディストーションの使用が多かったギターも、本作ではクリーントーンが中心。
 今も共演が続く強烈なシンバルのヘビー級ドラマーAntonio Sanchezとの縁はこのアルバムから。
 前々作“Quartet” (1996)でPaul Werticoがシンバルを強く叩き出し、重くなったように感じたのは、あるいは逆にジャズっぽくなったように感じたのは気のせいではなくて、その方向にもっていこうとしていて、いいバランスを探していたのでしょうか?
 強いビートながら、確かにポップス色、ロック色は薄くなっているようにも感じます。
 本作から参加のスーパーアーティストRichard Bonaは、ベースではなくボーカルとパーカッション。
 彼の色合いは濃くはありませんが、幻想的なボーカル曲を含めて自然にPat Metheny Groupのサウンドの中に溶け込んでいます。
 とにもかくにもジャズの香りが漂う強いビートに乗った完璧なギター、ピアノのインプロビゼーション。
 どこまでも全力疾走していくような強烈な疾走感。
 アルバム全体を通じてはもちろん、各曲全てがドラマチックな構成。
 静かに始まり、後半に強烈な疾走と高揚に到達する”Still Life (Talking)" (1987)の”Minuano”なスタイルの楽曲がたくさん。
 全編通じて全く緩みなし。
 これでもかこれでもかと畳みかけてくるような演奏が続きます。
 とりわけ中盤"On Her Way"あたりから締めの”Wherever You Go”かけての盛り上がりは最高。
 次々と複雑に景色が変わっていく展開、強烈な高揚感をそのままに、次作、超弩級の”The Way Up” (2003,2004)へと続きます。




posted by H.A.