“Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno
Tutty Moreno (drums)
Rodolfo Stroeter (bass) André Mehmari (Piano) Nailor Proveta (sax, clarinet) Joyce (voice, guitar) and strings

Forcas D'alma
Tutty Moreno
Malandro Records
 トゥッティ モレーノ


 ブラジリアンによるコンテンポラリージャズ。
 リーダーはあの現代MPBの女王Joyce Morenoの夫君のドラマー。 ピアノが若き日のAndre Mehmari。
 Joyceのバンドが実はカッコいいジャズバンドなことは知っていました。
 が、Andre Mehmariにはジャストなジャズを弾いて欲しいような、欲しくないような・・・。
 2000年代前半のジャズ、クラシック、フォルクローレとかが混ざったような、あるいはミナスっぽい柔らかな音楽、“Lachrimae” (2003)とかが一番カッコいいもんね。
 ところがどっこい、全くの杞憂。すごい「ジャズ」ピアノ。
 特別にフィーチャーされているわけではありませんが、ちょっとしたバッキングの音からして普通の人とは違います。
 突然現れる高速なオブリガード、しなやかなコンピング等々、他の人では聞けないような音。
 彼独特の優雅なムード。
 Keith Jarrettっぽさは若干のみ、Gismontiっぽさはあまり感じません。
 影響はあるのかもしれませんが、後の一部でのそれらしい演奏は本来の姿ではないのでしょうね。
 ここでもクラシックがベースであることが感じられるフレージングですが、いい感じでグルーヴしてるし、突っ走るし。
 ピアノが動き出すとバンドが一気に走り出す、そんな感じ。
 この頃から何年かに一人のピアニストであることは間違いなかったのでしょう。
 アルバム全体としては、オーソドックスなサックスカルテットながら、ストリングス入りあり、Joyceのスキャットあり、などなど、バラエティに富んだ穏やかで優し気な佳作です。
 ブラジリアンのジャズは柔らかくていいなあ。 




posted by H.A.