“Sanfona” (1980,1981) Egbetro Gismonti  & Academia De Danças
Egbetro Gismonti (guitar, Indian organ, piano, voice)
Mauro Senise (soprano sax, alto sax, flute) Zeca Assumpção (bass) Nene (drums, percussion)

Sanfona
Egberto Gismonti
Ecm Records
2000-08-01
エグベルト ジスモンチ

 Egbetro Gismonti、二枚組、一枚目はECMでの彼の一番ジャズっぽいアルバム。たぶん。
 サックス+ピアノ(ギター)トリオのオーソドックスなジャズフォーマット。
 リズム隊がビートの土台をキチンと作り、管楽器、ピアノ、ギターがメロディを奏でる普通のスタイル。
 バンド名を冠した別レーベルの“Academia de Danças” (1974)、“Corações Futuristas” (1976)あたりと比べると、シンセサイザーもオーケストラも分厚いホーン陣もいません。
 ずいぶんおとなしいのですが、バンド一体で普通に盛り上がる場面は多くあります。
 起承転結が明確で、ドラマチックさも他のECMでの諸作以上。
 ジャズピアニストEgbetro Gismontiのすごさをたっぷり聞くこともできます。
 ソロの方が自由に表現できるんだろうけども、ジャズの耳にはこの方が聞きやすいかも。
 少し内省的なイメージの質感。
 抑え目ながらヒタヒタと迫ってくるようなバンドサウンド。
 Jack DeJohnette、Dave Hollandの最強コンビを想わせるようなビート、出しゃばらずバンドに溶け込む管楽器、全体を支配しつつも自在に動くピアノ、ギター。
 "Maracatu"、"Frevo"、"Loro"・・・と代表曲が並びます。
 カバーも多い名曲集ですが、他の人とは一味違う出来。
 Gismontiは言わずもがなですが、メンバー全員が只者ではない演奏力。
 普通のコンテンポラリー・ジャズとして聞いて、ものすごくカッコいい。
 さすがにECM録音、第一印象は深刻系です。
 が、優しかったり明るかったりする場面もそこかしこにちりばめられています。ECMでは、その時間が相対的に短いのですが。
 同じ時期に“Em Família” (1981)が吹き込まれていますが、同じメンバー、同じような演奏曲、ブラジル録音。
 こちらは、ノルウェー・オスロ録音、全く違う質感が面白いところ。
 より自由な感じ、静謐な感じ、あるいはいつもの幻想的な感じをお求めの方は、二枚目のソロ演奏をどうぞ。
 名曲"Carta de Amor"、ECMでは珍しいギター弾き語りでのスキャットボーカル、優しく優雅、かつ幻想的な名演も入っています。
 これはアメリカ録音のようで、これもいつもと若干雰囲気が違って、緩やかなのも面白いなあ。
 二枚全体を通して結構な名アルバム、私的にも最も好きなアルバムの一つですが、あまり話題にならないのは、この人の作品にしてはジャズっぽいからですかねえ・・・?




posted by H.A.