“What was said” (2015) Tord Gustavsen
Tord Gustavsen (Piano, Electronics, Synth bass)
Simin Tander (Voice) Jarle Vespestad (percussion)

what was said
gustavsen/tander/ves
ecm
2016-01-29
トルド グスタフセン

 ノルウェーのピアニストTord Gustavsen、ドイツのボーカリストSimin Tanderを迎えたアルバム。
 Simin Tanderのルーツはアフガニスタンにもあるようですね。
 Tord Gustavsenは激甘というより、痛いぐらいにセンチメンタルで美しいメロディを静かに演奏するスタイルの人。
 静かな8ビートが基本。スウィングもなければスリリングなソロ回しもあまりなし。音が鳴っていない時間が10%ぐらい(大げさ)はありそうな静謐で間の多い音作り。
 本作もそんな一作。
 いつもは美しいピアノの音で奏でられるメロディ、それをハスキーな女性の声で囁くように歌われると寂寥感は大きく増幅。
 来るところまで来たかなあ・・・ってな感じの寂寥感。
 中近東系?の聞き慣れない言語の歌、聞き慣れない音階のスキャットなど、寂寥感を通り越して妖しい、あるいは敬虔なムード。
 トリオ作“Being There” (2006)、サックス入り作品“The Well” (2011), “Extended Circle” (2013)で段々と強めのビートになってきたように感じていましたので、そちらに行くかと思ってたら、逆に超静謐な世界。 
 いつものほのかに明るいムードが薄いというか、厳かな方向に。
 サックスが入った作品はある適度のエネルギー感のあるドラマチックさでしたが、本作はあくまで静謐なドラマチックさ。
 また、本作はベースレス。パーカッションはあくまでアクセント付け、電気系での補強もわずかで、ピアノソロが演奏の中心。 
 結果的にビートが自由、曖昧になり、強い浮遊感。 
 基本的にはいつものTord Gustavsen節ながら、沈痛度はさらに強め。
 その世界が好きな人にとってはたまらない作品なのでしょう。




posted by H.A.