“Paris Concert” (1988) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)

Paris Concert
Keith Jarrett
Ecm Records

キース ジャレット

 私が好きなKeith Jarrett1970年代シリーズ、番外編。
 1970年代が終わり、Standardsがライブアルバムをコンスタントに発表し出した時期、ソロ作品としては"Dark Intervals"(Apl.1987)の次の作品。
 前作に続いてクラシックの香りが強いピアノソロ。
 こちらも1970年代Keithの明解な「様式美」はでてきません。
 あの甘いメロディ、センチメンタルなメロディは高貴な印象の音流れに変わり、強烈な興奮もありません。
 美しく感傷的なメロディのバロック風の流れから、祈りにも似た展開。
 28分前後、32分前後など、甘いメロディが出そうになって出し切らない・・・また、祈りのような音の流れに戻り、かつてとは少しイメージの違う敬虔なイメージの高揚感が続きます。
 32分前後からの締めでは、静かな美しいメロディ、タメをしっかり効かせた音の流れ。
 少し悲しげなような、前向きなような、心が洗われるような音の流れの中で幕。
 1970年代とは違ったイメージですが、やはり一大音絵巻、これほど素晴らしいピアノ・ミュージックは希少でしょう。
 アンコールはとてもセンチメンタルな漂うようなジャズバラードとブルース。
 全編通じて上品で静謐な音。
 天井の高い広い部屋にいるような解放感。
 本編は少し前の年代のヨーロッパあたりにタイムスリップしたような感覚。
 周囲の空気が浄化され、一気に上質になるような音。
 アンコールは徐々に現実の世界に戻っていくようなリラックスしたクールダウン。
 1970年代とは違う作風ですが、やはりKeith Jarrettはいいなあ。




 

posted by H.A.