“Gnu High” (Jun.1975) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (Flugelhorn)
Dave Holland (Bass) Jack DeJohnette (Drums) Keith Jarrett (Piano)

ヌー・ハイ
ECM
ケニー ホイーラー



 Kenny Wheeler、Keith Jarrettが客演した人気アルバム。
 メンバーをみるとエレクトリックMilesバンドができてしまいそうなのですが、全く違います。当たり前か。
 本アルバムはあくまでKenny Wheelerの端正なジャズ。
 “The Köln Concert” (Jan.1975)の半年後、何をやっても凄い時期に入ったKeith Jarrett、さらには何でもできてしまう超絶リズムの二人を迎えても、Kenny Wheelerは全く動じるところなし。
 ピアノトリオ、さらにはソロピアノのスペースまでたっぷりあります。そこはKeithの世界。絶好調期だけに最高のインプロビゼーション。
 が、全体を眺めると、意外なほどにKenny Wheelerの端正なジャズの世界。
 Kenny WheelerはECMの初作なのでしょうが、堂々とした吹きっぷりと支配力。 
 ゆったりとした曲を、長尺ながら様々な変化をつけながら、ドラマチックな演奏。
 リズム隊は言わずもがなの超高レベル。
 超絶リズムの二人もあまり煽りは入れず、これまた端正なサポート。
 スウィンギーなジャズで律儀なコンピングをするKeithに違和感をもってしまうのは、Keithファンならではの悲しさなのでしょう。
 普通にヨーロピアン・ジャズとして聞けば、最高レベルのアルバムであることは間違いありません。 




posted by H.A.