“Cloud Dance” (Mar.1975) Collin Walcott
Collin Walcott (sitar, tabla)
John Abercrombie (guitar) Dave Holland (bass) Jack DeJohnette (drums)

Cloud Dance
Collin Walcott
Ecm Records
2001-07-17


 シタール、タブラを操るCollin Walcott、初リーダー作。
 “Gateway”バンドとの共演、“Gateway” (Mar, 1975)と同時期のセッションだと思われます。
 激しいコンテポラリージャズでも、瞑想的な世界でもなくて、明るく前向き、穏やかな音楽。
 後のPat Methenyの音楽をシタール中心でやってみました、ってな感じ。
 Ralph TownerとのOregonよりも爽やかでわかりやすい音楽かもしれません。
 John Abercrombieも極端に音を飛ばすわけでも歪ませるわけでもなく、落ち着いた演奏。
 シタールと浮遊感のあるギターの相性は抜群、いい感じのインタープレーがそこかしこに。
 聞き慣れない妖しい楽器の響きが醸し出すエキゾチシズム、非日常感はありますが、洗練された演奏がそれを日常に引き戻すような感じ。
 意外に緩めの緊張感もいいバランス心地よさ。
 もちろんリズム隊は最高峰のお二方、控えめながらも強い推進力のある土台作り。
 Gatewayバンドの様な強烈さはないにせよ、また、聞き慣れない響きの楽器が主体であるものの、気難しかったり過激だったりではなく、むしろ優しい印象。
 何でもできる超リズム隊Gatewayと洗練されたエキゾチシズムの不思議な融合は、スッキリした無国籍コンテンポラリージャズ。 

※近い時期の演奏から。


posted by H.A.