“Homes” (2015) Gilad Hekselman
Gilad Hekselman (guitar)
Joe Martin (bass) Marcus Gilmore, Jeff Ballard (drums)

Homes
Jazz Village
2015-10-09
ギラッド ヘクセルマン

 ニューヨーク系コンテンポラリージャズの人気ギタリストGilad Hekselman、最新アルバム。
 前作“This Just In” (2011,2012)からサックスが抜け、シンプルにトリオ。
 この人のギター、音は艶やか、キレイで優しげ、でもフレージングは予想不可能、強烈な浮遊感。
 何か別のルールで弾いているような感じ。
 次はこうかなと思っていると違うところへ。
 でも、調和を崩すわけでもないし、とらえどころがない感じでもないし。
 散文的?Wayne Shorter的?それも違うか・・・
 なんだか変わっているんだけども、妙な感じではないし、基本的にはキレイだし、最後はなぜかまとまっていく。
 浮遊感系、不思議系、そしてクール系。
 バンド全員がそうだとなんだかわからないものになりそうだけど、ビシッとした推進力の強い最新型のリズムの上でこれだからカッコいいんでしょうね。
 ビシバシなドラムが煽る煽る。
 曲はこれまた不思議系のオリジナル+Pat Metheny, Baden Powellなど。
 短いプロローグ?インタールド?を挟むのは前作と同様。
 何かメッセージがあるのでしょうが、現時点では読み解けず。
 オリジナル曲はどれも抽象度が高く複雑なようで、何故かサラリと聞けてしまいます。
 テーマ一発、あとはアドリブ・・・といった印象ではなくて、徐々に盛り上がるドラマチックな構成も前作と同様。
 これどうなるんだろう・・・と思っていると気が付けばドカーンと盛り上がっている、これまた不思議な質感。
 不思議系だけども気難しさはありません。
 今のニューヨーク系コンテンポラリージャズの典型の音、かな。
 20世紀にはこんな感じのギタートリオ、なかったもんね。




posted by H.A.