”Live in Concert” (2014) Manu Katché
Manu Katché (drums)
Luca Aquino (trumpet) Tore Brunborg (tenor saxphones, synth bass) Jim Watson (piano, Hammond organ)

Live in Concert
Manu Katche
Act Music + Vision
2015-01-13
マヌ カッチェ

 ECMレコードでの諸作がとても素晴らしかったフランス人ドラマーManu Katché、同じくドイツのACT Musicへの移籍第一弾、ライブ録音。
 メンバーは“Manu Katché” (2012)からトランぺッターが変わったのみ、曲はECMに録音したもの中心。
 さて、予想通り良くも悪くもECMマジックが解けた、明るく元気な爆発力のあるManu Katche。
 明るい本人のキャラクターとECMのレーベルカラーの融合が特別な音を作っていたように思いますが、本作で本人側に振り切ったイメージ。
 “Playground” (2007)あたりまではしっとりとした感が全篇を支配、“Third Round” (2010)で明るさが前面にでて、“Manu Katché” (2012)で再びしっとり・・・移籍・・・ま、詮索は止めときましょう。そういうことなんでしょう。
 さて本作、いかにもライブ録音、とてもエキサイティングなコンテンポラリージャズ。
 8ビート的なリズムを基調にスネアの音が強烈なビシバシドラム。静かに舞い散るようなシンバル音は聞こえなりましたが、それでもメリハリの強い素晴らしいドラム。
 インプロビゼーションのスペースもたっぷり。 トランペット、テナー、ピアノともに強烈な演奏。
 サックスはスタジオ録音からは想像できない暴れっぷり、トランぺッターもECMっぽい静々としたサブトーンの強い音から激情まで、さらにはオルガンのブチ切れた演奏・・・。
 曲は寂寥感が強い彼独特のメロディですが、爆発力のある演奏の勢いのの勝ち。
 ドカーンと盛り上がるステージがそのまま詰め込まれたアルバム。
 上質だけど派手ではないベルベットのジャケットから、革ジャンに着替えたManu Katché。
 どちらがいいかはお好み次第。
 残念なのは、ECMのManu Katchéのような素敵な音楽をやる人が他にはいないこと・・・




posted by H.A.