“Karta” (1999) Markus Stockhausen
Markus Stockhausen (trumpet)
Arild Andersen (bass) Patrice Héral (drum, percussion, electronics) Terje Rypdal (guitar)

マルクス シュトックハウゼン

 ドイツのトランぺッターMarkus Stockhausenの不思議なジャズ。
 インプロビゼーション色が強いのだけど、概ね曲がありそうだし。
 ルバート的なバラードはあるけども、基本的にはリズムは定常、フリーではないし。
 電子音が飛び交い、エフェクティングの強いギターもあるけども、全体ではアコースティックな質感が強いし・・・。 
 参加していたRainer Brüninghaus の“Continuum” (1983)に雰囲気は近いのかもしれないけども、もっとワイルドで激しく、複雑。
 静謐と激烈、電子的近未来的な響きとウッドベースの響きが醸し出すジャズの響きの交錯・・・
 うーん、どう説明すべきかよくわからん。
 編成はシンプルなギタートリオを従えたトランペットカルテットなのですが、とてもそんな感じではありません。
 不思議な質感の近未来的ジャズ、ときおり激烈系。
 クールなトランペットはMiles Davisの影響が強そうだし、音楽全体もエレクトリックMiles派生、その近未来型といった感じがしないでもありません。
 静かに電子音が響く中でのクールな音がとてもスタイリッシュ。
 さらに、クールなたたずまいから、時折見せるブチ切れた音の狂気がこれまたクール。
 Terje Rypdalは一たび弾き始めると、例のズルズルグチョグチョの超ドラマチックロックギター。
 伝統的ジャズの耳で聞いても、凄いのがArild Andersen。
 ソロはもちろん、バッキングでも凄まじいベース。
 リズムを出すと凄まじいグルーブだし、いつもの激情系超高速フレーズがそこかしこに。
 忘れたころに突然登場してきて、淀んだ空気、不穏な空気を一気に切り裂く正義の味方、ってな見方は変ですかね。
 ベースが前面に出てきてバンドが強烈にグルーヴし始めるとホッとしたりして・・・
 ド派手な人ですが、この人がベースを弾くと、なんだかんだで4ビートジャズの香りがします。
 その強烈なグルーヴに乗って狂気のギターとトランペットが交錯するすさまじいインプロビゼーションの場面もしばしば。
 そんな感じの伝統的ジャズと近未来系ジャズの融合、ときおり激烈系。
 もう15年以上前の音源ですが、今の耳で聞いてもとてもクリエイティブです。 





posted by H.A.