“Deer Wan” (Jul.1977) Kenny Wheeler
Kenny Wheeler (trumpet, fluegelhorn)
Jan Garbarek (saxophones) John Abercrombie (electric guitar, electric mandolin) Dave Holland (bass) Jack DeJohnette (drums) Ralph Towner (12-string guitar)

Deer Wan
Kenny Wheeler
Ecm Import
2000-01-25
ケニー ホイーラー



 最近亡くなったヨーロッパを代表するトランぺッターKenny Wheeler。
 ECMから一枚選ぶとするとこのアルバムを挙げるかな?と思わせる名盤。
 本当にそうするかどうかはさておき、ECMオールスターでのハイテンション、ハイレベルな演奏。
 リズム隊がDave Holland、Jack DeJohnette、あのMilesのBitche’s Brewのメンバー。
 私的には史上最強だと思う、激しく強烈なグルーヴ。
 例によってドコドコ、バコバコ。
 ピアニストはいませんが、この二人であればまあいなくてもいいでしょう。
 かわりにJohn Abercrombieのギターが妖しげな音を連発しているのもいい感じ。
 さらに一部で大御所Ralph Townerも加わり変化に富んだ音作り。
 リーダー含めたホーンのお二人も絶好調。
 黒っぽくない、ある意味ジャズっぽくない音使いであるものの、気合の入った緊張感の塊のような音を展開。
 どちらも激しい音を使う人なので、一人づつのワンホーンだとキツ過ぎて疲れてしまうこと無きにしも非ず、ですが、不思議なもので二人が揃うと何故か中和されるようで?・・・
 たぶん気のせいでしょうが・・・何故かいい感じ。
 特別な美曲があるわけではありませんが、どの曲も緊張感あふれる名演奏。
 フリーでは無い激しい系のインプロビゼーションを楽しむためにはちょうどいい感じのシンプルさ。
 バラードらしいバラードが入っていないので、このレーベルの特徴の静音ジャズ的な趣や、全編ルバート的な浮遊感の塊のような演奏はわずか、あくまでカチっとした音作りですが、まあそれはよしとしましょう。
 元気が良くて上品な音を聞きたくなった時に取り出す一枚。
 何度聞いても、今聞いてもカッコいい、1970年代後半のヨーロッパ系ジャズ、激しい系の代表作の一枚、と私的には思っています。



posted by H.A.