“Tokyo Adagio” (2005) Charlie Haden / Gonzalo Rubalcaba
Charlie Haden (bass) Gonzalo Rubalcaba (piano)
名手二人のBlueNote東京ライブ録音。10年前のライブですが、2015年リリース。
10年間お蔵入りしていた音源とは思えない美しいピアノジャズ。
Gonzalo Rubalcabaのピアノは好みが分かれるところなのかもしれませんが、このアルバムではノーブルなジャズ。
この人のピアノ、音は綺麗だし、もの凄く上手いし、グルーブ感、疾走感は抜群だし、程よい緊張感、クラシックっぽさや出自のラテン風味も私は大好き。でも、フレーズが抽象的だったり、何となく落ち着かないというか、行く先が見えないというか、小難しげなことやり過ぎというか・・・。好みのストライクゾーンから微妙にずれる感じ。
で、全部追っかけていたわけではありませんが、本アルバムでは、デビュー当時?の音数が多くて音圧が高い感じではないし、複雑な感じのフュージョンでもない、美しく淡々としたシンプルなジャズ。でも時折り出てくる超高速フレーズがいかにもゴンザロっぽい。やっぱりいいピアニストだなあ。
Charlieさんはいわずもがな、相変わらずの安定感と深い音。
二人とも肩に力が入らない自然な演奏。
曲はCharlieさんのとてもセンチメンタルなバラードやブルースが中心。
結果、淡々として地味だし、この二人本来の凄味は表には出ていないかもしれないけども、美しくて落ち着いた上質なジャズ。
BGMにしても邪魔にならないし、妙な緊張感もないし、でも、きちんと聞けば深い演奏だし、安っぽさは皆無。
名盤かどうかはさておき、この感じのバランスの音が長く聞ける愛聴盤になるのでしょう。たぶん。