“Leosia”(1996)Tomasz Stanko
Tomasz Stanko(trumpet)
Bobo Stenson (piano)、Anders Jormin (bass)、Tony Oxley (drums)
 
Leosia
Tomasz Stanko
Ecm Import
2000-05-23
トーマス スタンコ

 1996年作。
 “Bosonossa and other ballads”(1993)と同メンバーなのですが大転換。
 かつての闘魂一直線から、静謐なハードボイルドネス。
 ECMでの近作ではバラード集がほとんどですが、これもその一枚。
 但し、決して甘口のバラードではなく、あくまで硬派。
 かつての激しい演奏を血と硝煙の香りのする音楽と形容しましたが、このアルバムは、さながら引退した兵士の哀感。よく映画に出てくるあの感じ。
 もの静かで優しげなのだけども背後に漂う凄味とクールネス。
 冒頭曲から漂うようなバラード。止まりそうな緩やかなリズムの流れの上で、ハードボイルドなトラペットと美しいメロディ。少ししゃがれた音、ゆったりとしたタメの効いたフレージング、時折発する叫びのような音。
 文字にしてしまうとハードな音楽をやっていた時代のままなのですが、かつてのトゲが丸くなり、雰囲気は優しくなっているように感じます。
 サポートする美しいピアノ、Bobo Stensonも内に秘めた狂気を感じるミュージシャンで、Stankoさんとの相性はピッタリ。
 さらにAnders Jorminのベース。一見控えめですが、上品なグルーブ感、深い質感の音、フレージング。
 曲の多くは漂うような浮遊感のあるバラード。
 あくまで辛口、ロマンチックさには欠けるのかもしれませんが、凄味のある美しさ、妖しさはこの人、このバンドならでは。



posted by H.A.