“Wislawa”(2012)Tomasz Stanko
TomaszStanko(Trumpet)
David Virelles (piano) Thomas Morgan (bass)Gerald Cleaver (drums)

Wislawa
Tomasz New York Quartet Stanko
Ecm Records
2013-03-19
トーマス スタンコ




 2012年、アメリカ系ピアノトリオとの組んだ最近作。
 この人、東欧の香り、ほの暗さ、メランコリックな質感、正気と狂気の狭間のようなアグレッシブさが身上だと思いますので、さてどんな音になるのか。
 冒頭曲、いきなり美しく妖しいピアノで始まるメランコリックなバラード。
 なんだ、いつもの通りで安心の滑り出し。
 二曲目、ジャズの香りが強いテーマからいきなり全開のトランペットソロ。
 これもお約束の展開かなと思いきや、激しい系のトラペットはさておき、意外にも健全に整った音楽。
 ピアノトリオがオーソドックスな演奏だからでしょうか。
 Stankoさんのトランペットはいつも通り狂気混ざりの激しい音。
 しかし、それを支えるピアノトリオはあくまでクール。
 全篇がオーソドックスなジャズではないものの、妖しさ、激しさは希釈されて聞き易くなっているようにも思います。
 Stankoさんのアルバムはどれもほの暗さが漂っているのだけども、このアルバムの全体の印象は、ジャケットの暗いイメージではなく、むしろ昼下がり、白い壁の部屋のイメージ。
 モダンで整ったクールな空間。この雰囲気が大きな変化。
 この辺りがアメリカ系バンドと一緒に演った理由かな?
 近年、若手中心に潮流になってきているとも思えるクールな音と、かつての闘士のド熱い音との微妙なマッチング感というか、アンマッチ感というか、そのバランスがいい感じ。
 時代背景の変遷を感じるTomasz Stankoシリーズ、とりあえず完。


 

posted by H.A.