“1969Miles”、”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969” (1969) Miles Davis
Miles Davis (trumpet)
Jack Dejohnette (drum) Wayne Shorter (sax) Chick Corea(piano) Dave Holland (bass)
泣く子も黙る“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969)前夜のMilesバンドのライブ盤。
これは文句なしにスゴイ。
爆発的な演奏。
私にとってのBest of Milesはこれ、“1969Miles”。
以前は“Miles Davis At Fillmore(公式版)”(Jun.1970)が一番と答えていたのですが、これが発表されてからは迷いなくこれ。
(後に出た“Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time”(Mar.7,1970) にはさらにぶっ飛びましたが・・・)
アコースティックからエレクトリックへの移行期で、アコースティック時代の演奏をアグレッシブにした感じ。
Bitch’s Brewと比べるとかなりJazz的なのだけども、もっとアグレッシブな印象。
諸々の試行、メンバーチェンジを経ながら、”Bitches Brew”のイメージが出来上がりつつある過渡期なのでしょうか。
洗練された”Bitches Brew”よりも荒々しく、また、アコースティック時代の強い名残、過渡期ならではの危ういバランス感が絶妙。
各メンバーとも絶好調で、冒頭曲Directionからエネルギー全開。
Jack Dejohnetteがこれでもかと叩きまくる上で、Miles、Wayneがフルボリュームでブチ切れたソロを展開。
両者とも決して長くないソロですが、激しい系ではベストパフォーマンスでは。
続くChickのエレピソロも完全にどこかにいっちゃってる状況。
その後、Milestoneなど、相対的にのどかな感も受ける(十分に激しいですが)懐かしの4ビートチューンなどをはさみながら、”Bitches Brew”の原型も。
このアルバム、荒っぽさはあるものの、様式に則ったアコースティックJazzが行き着いた高みの一つかも。
でも、これでもマンネリっぽいから”Bitches Brew”を作っちゃったのかな?
こんなバンド、二度と出てこないのでしょうね。
(追記2016/8/28)
周辺音源、映像含めた整理。まだ他にもあるのでしょうけど。
(Jul. 5,1969) “Bitches Brew Live” /一部 (at the Newport Jazz Festival)
〇(Jul.25,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”、(”1969Miles”)
〇(Jul.26,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”
(Aug.19-21,1969) “Bitches Brew”
(Oct.27,Nov.4,1969) “Live in Copenhagen & Rome 1969” <DVD>
“Live at the Tivoli Konsertsal, Copenhagen, Denmark” <DVD>
〇(Nov.5,1969) “at Folkets Hus, Stockholm"
〇(Nov.7,1969) “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie" <DVD>
(Mar.7,1970) “Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time”
〇が”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969”に収録されたステージ、(Jul.25,1969)が”1969Miles”。
但し、”1969Miles”の方が音圧高めのミキシングで、他はスッキリ系。
元の音源がブートレッグ音質なこともあり、”1969Miles”の方が激烈さが伝わってきてカッコいいのかな?
(Jul.26,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”
”1969Miles”の次の日のステージ(Jul.26,1969)も素晴らしい演奏。
ブチ切れた混沌型”Spanish Key”とか、Wayneが”Super Nova” (Aug.Sep.1969)のテーマを吹き続けた後、狂気のエレピソロが続く”Miles Runs the Voodoo Down”とか、混沌度、激烈度が高いかも?
いずにしても、どちらも凄まじいステージ。
なお、Wayneの”Super Nova”のテーマ、前日では"Milestones"の中でテナーで、"It's About That Time"ではソプラノで吹いています。
(Nov.5,1969) “at Folkets Hus, Stockholm"
ずいぶんスッキリとした印象の音源。
ちょっと沈んだムードがかえってジャズっぽくて私はお気に入り。
録音~ミキシングの影響が大きいのだと思うのだけども、その前日の映像(Nov.4,1969) “Live at the Tivoli Konsertsal, Copenhagen, Denmark”<DVD>も同じ印象なのも面白いところ。
なおエレピがと途中で壊れて(?)、ピアノは冒頭“Bitches Brew” の途中から全てアコースティックなのもレア。
冒頭はもたもたした感じですが、ピアノが動き出すと一気にハイテンション。
エレピでないとBitches Brewバンドではない、と言われればその通りで、このシリーズでは異質なのですが、かえって新鮮だったりします。
Wayneはすっかり”Super Nova”なフリージャズモードだし、静かな混沌の時間になんとも言えない凄み。
エネルギー放出系の激烈ジャズというよりも、静かなフリージャズといった面持ちで、カッコいいライブだと思います。
(Nov.4,1969) “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie"
DVDやYoutubeを追いかけていなかった立場としては、最初に見た際は正直、新鮮な驚きでした。
この時期のバンドが動いているんだもんね。当たり前か。
後のKenny Garrettとかがいた時代ライブのDVDなどを見てこんなもんかなあ・・・と思って、DVDには手を出していませんしたが、これは凄い。
こちらもミキシングの関係か、”1969Miles”のような激烈さは薄いのだけども、逆にクールな凄み。
Wayneはフリージャズモードに突入したブチ切れたソロですが、Milesは大汗かきながらも常にうつむき加減で冷徹な印象。
さらに顔色一つ変えずに狂気のエレピを奏でるChickがマッドなサイエンティストっぽくて怖い・・・
などなど、見ているこちらが緊張してしまう凄いステージ。
ブートレッグ系はいまだに気まぐれにしか聞けていないのだけども、聞きだすとはまりますねえ。
ま、公式アルバムすら全部聞けていない立場としては、時間をかけてゆっくりと。
posted by H.A.
Miles Davis (trumpet)
Jack Dejohnette (drum) Wayne Shorter (sax) Chick Corea(piano) Dave Holland (bass)
マイルス・デイビス
泣く子も黙る“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969)前夜のMilesバンドのライブ盤。
これは文句なしにスゴイ。
爆発的な演奏。
私にとってのBest of Milesはこれ、“1969Miles”。
以前は“Miles Davis At Fillmore(公式版)”(Jun.1970)が一番と答えていたのですが、これが発表されてからは迷いなくこれ。
(後に出た“Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time”(Mar.7,1970) にはさらにぶっ飛びましたが・・・)
アコースティックからエレクトリックへの移行期で、アコースティック時代の演奏をアグレッシブにした感じ。
Bitch’s Brewと比べるとかなりJazz的なのだけども、もっとアグレッシブな印象。
諸々の試行、メンバーチェンジを経ながら、”Bitches Brew”のイメージが出来上がりつつある過渡期なのでしょうか。
洗練された”Bitches Brew”よりも荒々しく、また、アコースティック時代の強い名残、過渡期ならではの危ういバランス感が絶妙。
各メンバーとも絶好調で、冒頭曲Directionからエネルギー全開。
Jack Dejohnetteがこれでもかと叩きまくる上で、Miles、Wayneがフルボリュームでブチ切れたソロを展開。
両者とも決して長くないソロですが、激しい系ではベストパフォーマンスでは。
続くChickのエレピソロも完全にどこかにいっちゃってる状況。
その後、Milestoneなど、相対的にのどかな感も受ける(十分に激しいですが)懐かしの4ビートチューンなどをはさみながら、”Bitches Brew”の原型も。
このアルバム、荒っぽさはあるものの、様式に則ったアコースティックJazzが行き着いた高みの一つかも。
でも、これでもマンネリっぽいから”Bitches Brew”を作っちゃったのかな?
こんなバンド、二度と出てこないのでしょうね。
(追記2016/8/28)
周辺音源、映像含めた整理。まだ他にもあるのでしょうけど。
(Jul. 5,1969) “Bitches Brew Live” /一部 (at the Newport Jazz Festival)
〇(Jul.25,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”、(”1969Miles”)
〇(Jul.26,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”
(Aug.19-21,1969) “Bitches Brew”
(Oct.27,Nov.4,1969) “Live in Copenhagen & Rome 1969” <DVD>
〇(Nov.7,1969) “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie" <DVD>
(Feb.18,Apl.7,1970) “Jack Johnson"
(Apl.10.1970) “Black Beauty / Miles Davis At Fillmore West”
(Apl.11.1970) “Miles At Fillmore(完全版)”/一部
(Feb.Jun.1970) “Live Evil” /一部
(Jun.17-20,1970) “Miles Davis At Fillmore”、”Miles At Fillmore(完全版)”
(Aug.18,1970) “Live at the Berkshire Music Center, Tanglewood, MA
(Aug.29.1970) “Bitches Brew Live ”/一部 (at the Isle of Wight Festival)
(Dec.16-19.1970) “The Cellar Door Sessions1970” ”Live Evil” /一部
〇が”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969”に収録されたステージ、(Jul.25,1969)が”1969Miles”。
但し、”1969Miles”の方が音圧高めのミキシングで、他はスッキリ系。
元の音源がブートレッグ音質なこともあり、”1969Miles”の方が激烈さが伝わってきてカッコいいのかな?
(Jul.26,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”
”1969Miles”の次の日のステージ(Jul.26,1969)も素晴らしい演奏。
ブチ切れた混沌型”Spanish Key”とか、Wayneが”Super Nova” (Aug.Sep.1969)のテーマを吹き続けた後、狂気のエレピソロが続く”Miles Runs the Voodoo Down”とか、混沌度、激烈度が高いかも?
いずにしても、どちらも凄まじいステージ。
なお、Wayneの”Super Nova”のテーマ、前日では"Milestones"の中でテナーで、"It's About That Time"ではソプラノで吹いています。
(Nov.5,1969) “at Folkets Hus, Stockholm"
ずいぶんスッキリとした印象の音源。
ちょっと沈んだムードがかえってジャズっぽくて私はお気に入り。
録音~ミキシングの影響が大きいのだと思うのだけども、その前日の映像(Nov.4,1969) “Live at the Tivoli Konsertsal, Copenhagen, Denmark”<DVD>
なおエレピがと途中で壊れて(?)、ピアノは冒頭“Bitches Brew” の途中から全てアコースティックなのもレア。
冒頭はもたもたした感じですが、ピアノが動き出すと一気にハイテンション。
エレピでないとBitches Brewバンドではない、と言われればその通りで、このシリーズでは異質なのですが、かえって新鮮だったりします。
Wayneはすっかり”Super Nova”なフリージャズモードだし、静かな混沌の時間になんとも言えない凄み。
エネルギー放出系の激烈ジャズというよりも、静かなフリージャズといった面持ちで、カッコいいライブだと思います。
(Nov.4,1969) “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie"
DVDやYoutubeを追いかけていなかった立場としては、最初に見た際は正直、新鮮な驚きでした。
この時期のバンドが動いているんだもんね。当たり前か。
後のKenny Garrettとかがいた時代ライブのDVDなどを見てこんなもんかなあ・・・と思って、DVDには手を出していませんしたが、これは凄い。
こちらもミキシングの関係か、”1969Miles”のような激烈さは薄いのだけども、逆にクールな凄み。
Wayneはフリージャズモードに突入したブチ切れたソロですが、Milesは大汗かきながらも常にうつむき加減で冷徹な印象。
さらに顔色一つ変えずに狂気のエレピを奏でるChickがマッドなサイエンティストっぽくて怖い・・・
などなど、見ているこちらが緊張してしまう凄いステージ。
ブートレッグ系はいまだに気まぐれにしか聞けていないのだけども、聞きだすとはまりますねえ。
ま、公式アルバムすら全部聞けていない立場としては、時間をかけてゆっくりと。