“Sun Bear Concerts” (1976) Keith Jarrett
Keith Jarrett (piano)

Sun Bear Concerts
Keith Jarrett
Ecm Records
2000-09-12
キース ジャレット

 Keith Jarrett、1976年、日本ツアーの記録。
 やはりこのころのKeithさんはちょっと違います。
 “The Köln Concert”  (1975)とも甲乙つけがたし。
 全てのステージが。
 これは凄い。
 京都、大阪、名古屋、東京、札幌の5回のステージ。
 激甘のバラードから入って徐々に盛り上がっていくスタイルはこの時期の様式美。
 構成は、激甘~ゴスペル的な高揚の組曲風で始まり、少しやんちゃ系・フリー系、前向きに盛り上がるエンディングで概ね共通しているのだけども、たぶん演奏は全てが即興。
 でも、どの日の演奏も冒頭の激甘部分はそれぞれが名曲として奉られていてもおかしくないぐらいの完成度。
 冒頭だけでなく1ステージで5~10曲ぐらい名曲が詰め込まれている感じ。
 1ステージを通じて「起承転結」感がキチンとある素晴らしい展開。
 混沌とした展開となっても、いつの間にか前向きでキャッチーなメロディが出てきたり、いずれもドラマチックで中だるみも無し。
 また、何となく日本っぽい感じの展開がちらほら。
 札幌の冒頭などは日本的な懐かしさがある曲だったり、他にも日本的な音使いがそこかしこに。
 私的なお気に入り度は、札幌>京都>東京>名古屋>大阪。
 札幌が一番メロディック、ロマンチックなので。
 でも次聞くとガラッと順序が変わるぐらいの僅差の充実度。
 フレーズの一つ一つは何かの曲の断片だったり、どこかで聞いた流れだなあ、とか思うものの、演奏全体をとらえれば、新しい物語を毎度毎度構築しているというか、退屈も無ければマンネリも無し。
 よくこんなことできるわ、と呆れてしまいます。
 神掛かっていたのは“The Köln Concert”や”Solo Concerts:Bremen/Lausanne” の時だけではなく、「いつも」だったんでしょう。

(※本投稿は2015/08/15から移動しました。)


posted by H.A.