“Joy In Spite Of Everything” (2013) Stefano Bollani
Stefano Bollani(piano)
Mark Turner(tenor saxophone)Bill Frisell(guitar)Jesper Bodilsen(double bass)Morten Lund (drums)

Joy in Spite of Everything
Bollani
Ecm Records
2014-08-25
ステファノ ボラーニ

 イタリアのピアニストStefano Bollaniの新録音。
 もともと大御所トラペッターEnrico Ravaのバンドの繋がりでECMレーベルに移籍したのだと思うのだけど、そもそもECMカラーの人ではないような気がする。
 ECM的な冷たさ神経質さは薄く、明るく温かい印象のピアノ。
 Ravaのバンドでは怪しげな雰囲気を醸し出していたものの、リーダー作ではどちらかと言えば健全な印象の音楽。
 さて、本作は?
 いきなりカリプソ風?の明るい曲。
 Bollaniさん、やはりこの手の音楽をやりたいのかな?
 何でもできそうなBill Frisellは雰囲気にピッタリな演奏だけども、Mark Turnerはどうだろう、クールなこの人が明るい曲を吹くイメージはないなあ・・・
 2曲目は普通にジャズ、3、4曲目、少々怪しいムードが漂う曲で、いよいよECMっぽさが来るかなと思いきや、いずれも曲の後半では明るくて穏やかな感じ。
 以降も概ねそのような質感。最後のタイトル曲も見事なまでに軽快なジャズ。
 Mark Turnerの音を除けばECMとは思えないような明るく健全、さわやかで温かい質感の音楽。
 Stefano Bollaniがプロデューサーを抑え込んだのか、やはり南欧の陽気な血のなせる業かな?
 最近のECM、このアルバムのように妙に軽快で明るいアルバムがちらほら。
 予想したイメージとは違うけど、これはこれで悪くない。
 ジャケットも、何やらカッコよくも不思議で怪しげなムードだけど、珍しくカラー。
 であればイメージはズレていないか。 



posted by H.A.