“Triz” (2012) André Mehmari, Chico Pinheiro, Sérgio Santos
André Mehmari(Piano, vocal, etc.) Chico Pinheiro (Guitar, vocal) Sérgio Santos (Guitar, vocal)
Gabriele Mirabassi (Clarinet) Neymar Dias (bass) Edu Ribeiro (drums) Guello (percussion)


Triz
Andre Mehmari
アンドレ メマ
シコ ピニェイロ
セルジオ サントス

 ブラジル人ミュージシャンによる優雅な音楽。
 Jazz、Bossa、Folklore、Popsが混ざったような、ジャンル分けしがたい素敵な音楽。
 ブラジル・ミナス地方音楽にジャズが混ざった感じが強いのかな?
 Tonihno HortaMilton Nascimentoあたりに雰囲気は近いのだけども、もっと現代的だったり、逆にもっと素朴だったり。
 冒頭、ピアノとガットギターの緩やかなリズムに、クラリネットが絡みつつ、ボーカル、さらには爽やかなガットギターのソロ、クラシック~ヨーロッパジャズ的なピアノが続きます。
 2、3曲目はブラジル的。
 少しアップテンポなリズムの上に、スキャット、クリアトーンのエレキギター、ガットギター、キラキラとしたピアノ、さらにはバンドネオンなどがフィーチャーされつつ、心地よいやわらかな音が展開されていきます。
 曲ごとに楽器の使い方が少しずつ異なるため、一曲一曲の色合いは微妙に違う印象なのですが、優美さやわらかさは共通。
 ソロスペースが小さく、アンサンブルが中心、大向こう受けしそうな派手なアドリブは少ないのですが、要所で入るオブリガードが心地よく、短くまとめられたソロも秀逸。
 そんな演奏が揃っています。
 André Mehmariは知る人ぞ知るピアニスト。
 クラシックの香り、何枚か出ているリーダー作も素晴らしい出来栄え。
 ジャズ、ブラジル、クラシックの配合が絶妙で新鮮。
 Chico Pinheiroのギター、Pat MethenyTonihno Hortaを感じる部分はありますが、よりストレートなジャズな感じ、かつ、より鋭い。
 エレキギター、ガットギターともに音がキレイで、小さなスペースながら、ほどよい音数でスリリングなソロを聞かせてくれます。
 この人、リーダー作を聞くとちょっとビックリのテクニシャン。
 ボーカル入りのMPBが中心ですが、どのアルバムもカッコいい。
 Sérgio Santosは余裕たっぷりの端正で柔らかな歌声。
 全体の雰囲気は、少し曇っているのだけれども暖かな日曜の午後。
 細かいことはさておいて、現代最高のメンバーが繰り広げる音で、南米大陸のおおらかでやわらかな空気感を楽しみましょう。
 (行ったことはないのですが。。。)




posted by H.A.