“Reflections” (1993) Bobo Stenson
Bobo Stenson (piano)
Anders Jormin (bass) Jon Christensen (drums)
 
Reflections
Bobo Stenson
Ecm Import

ボボ ステンソン

 スウェーデンのベテランピアニストBobo Stensonのピアノトリオ。
 たくさんのピアノトリオの音源がありますが、その中でもカッコよくも聞き易いアルバム。
 Bobo Stensonピアノ、クラシックの香りが強く、音やフレーズがキレイ等々、ヨーロッパ系の人たちの特徴が凝縮されているのですが、その中ではオーソドックスな部類でしょうか。
 Keith Jarrettのあたりの影響も強そうですが、あまり過激なことはしないタイプで分りやすい。
 スローバラードで顕著になる何とも言えないタメなど、影のようなものが特徴的。
 メンツはさながら北欧オールスターズ。
 ベースのAnders Jormin、この人が入ると音楽が締まり、深みを増すように思います。
 派手ではないけども、しっかりしたグールブ感が流れる中で効果的なオブリガードやソロを入れてきます。
 過激さを感じるギリギリのところで留めており、上品。このアルバムでも極めて存在感大。
 ドラムのJon Christensenは元Keith Jarrettバンドの人。
 ジキルとハイド、控えめかと思いきや、アップテンポ曲での過激な暴れ方が特徴的。
 一曲目はECMでは珍しく明るくリラックスした表情の曲。
 さながら北欧の青い空、といった感じでしょうか。
 穏やかな表情から曲が進むにつれてヒートアップ、中盤以降は激しさを増し、三者ともエキサイティング演奏を繰り広げていきます。これでもか、と続くピアノソロが凄まじい。
 その後、独特のタメの効いたピアノ、漂うような質感のスローバラードなどを交えながら、最後、10分を超えるドラマチックな演奏で締めくくり。途中、フリージャズっぽい演奏もありますが、過激さ難解さはほどほど。
 あくまで上品、明るくて前向き、適度にアグレッシブ。
 ちょうどいいバランスのヨーロッパジャズ。

(※この投稿は2014/04/07から移動しました。)



posted by H.A.