“Tribe”(2011)Enrico Rava
Enrico Rava(Trumpet)
Gianluca Petrella (trombone) Giovanni Guidi (piano) Gabriele Evangelista (bass) Fabrizio Sferra (drums) Giacomo Ancillotto (guitar)
 
Tribe
Enrico Rava
Imports
2011-11-01
エンリコ・ラバ

 イタリアのベテラントランぺッターの2011年作。
 この人、1970年代からコンスタントにアルバムを発表しており、表情はさまざま。
 マイルスっぽかったり、ロックだったり、クラシックぽかったり、フリーぽかったり、映画のサントラぽかったり。
 それでもトランペットは一貫、マイルス的なクールさに加えて、いかにもイタリアンの粋な感じ。
 さらに時折の激情感がカッコよく、スタイリッシュ。
 どのアルバムもよいのですが、近年ではこれが一番お気に入り。
 編成はピアノトリオにトロンボーンを加えたクインテットが中心。
 イタリアの若手中心なのだと思いますが、トロンボーンのGianluca Petrella、ピアノのGiovanni Guidiなどは非凡なものを感じさせますし、リズムも変幻自在でグルーブ感もバッチリ、いいバンドです。
 特に数曲で聞かれるバラードでのルバート的な展開の飽きさせることのない自然な演奏は出色もの。
 冒頭は止まりそうになるくらいに、ゆったりした美しいバラード。
 いかにもRavaさんの演りそうなイタリア映画のサントラっぽい曲。
 シンプルで肩に力が入っていない演奏ですがドラマチック。
 フィルムルノアールか恋愛ものかは、聞く人の自由で想像するとして、ほの暗く切ないストーリーや映像が浮かんできます。
 さらに二曲目も同様の質感。
 三曲目でやっと強めのリズムが入りって来ますが、あくまでクール。
 エキサイティングなトランペットソロを展開しますが、これも熱いようであくまでクール。
 さらには、怪しい系のバラード曲が続き、ここまでRavaさんの面目躍如な展開。
 数曲アップテンポな曲も入りますが、あくまでメロディアスなバラードが中心。
 どこかで息切れする曲があるだろうと思いきや、このアルバムでは最後まで映画のサントラのような、ドラマチック、あるいはロマンチックな佳曲、演奏がこれでもかこれでもかと、てんこ盛り。
 ほの暗かったり、ミステリアスであったりするだけでなく、穏やかであったり、牧歌的であったり明るいイメージも含め、さまざまな表情の音楽。
 さまざまな情景を呼び起こしてくれます。
 とても素敵な映像的な音楽。

(※本投稿は2014/03/20から移動しました。)


posted by H.A.