“This Is the Day” (2014) Giovanni Guidi
Giovanni Guidi (piano)
Thomas Morgan (bass) Joao Lobo (drum)

This Is the Day
Giovanni -Trio- Guidi
Ecm Records
ジョヴァンニ グイディ




 
 イタリア人ピアニストGiovanni Guidi、トリオでの最新盤。
 全編あの名画”New Cinema Paradiso”のような素敵な世界。
 大御所Enrico Ravaの近年のバンドでカッコいいピアノを弾いていた人。
 さすがにいい若手を連れてきたなあ、と印象に残っていた人。
 何か凡庸では無いモノを持っているのでしょう。
 流れからすればStefano Bollaniと同じキャリア。
 南欧系だけに、基本的には明るい感じが根底に流れていて、かつてのECMレーベルのピアニストに比べると少々異質。
 でもStefano Bollaniがカラッと明るい感じなのに対して、しっとり感が強いというか、落ち着いているというか。
 ブルース色が薄くてクラシックの香りが強いのはいかにもヨーロピアンなのですが、Bill Evans系な感じではなく、さらりとした質感が現代的。
 さて、全体的にはそんな感じなのですが、さすがにECM、強烈な浮遊感のルバートでのバラードがてんこ盛り。
 これがカッコいい。
 定まっているような、定まっていないような、伸び縮みするリズムで空間を作るベースとドラム、その中を浮遊する透明感のある美しいピアノの音。
 漂うような、こぼれ落ちるような儚い音。
 どこか遠い所に連れて行ってくれそうな、なつかしいような、とても美しい演奏が何曲も。
 少々抽象的だった前作”City of Broken Dreams”(2013)と比べると、同じく淡い色合いですが、メロディがはっきりした曲が多く、ちょっと面持ちが異なります。
 このレーベルでは定番的な展開ですが、かつてのハウスピアニストSteve Kuhn, Richie Beirachあたりと比べるとなぜか爽やか、穏やか。
 狂気や妖しさに欠けるといわれればそうかもしれませんし、もっと攻撃的な演奏でないと退屈、といった向きもあるのかもしれませんが、どことなく醒めている感じ、クールな感じがいかにも今風。
 こちらの方が聞き易くて、慣れてない人も引かずに自然に聞けそうな感じ。
 曲も地味ながらキレイで上品なモノ揃い。
 オシャレなBGMとしても使えるかな?
 もし強烈な美曲が2,3曲あれば、結構な人気盤、名盤になるんだろうなあ・・・
 でもそれだとクールじゃなくて今風でなくなるのかなあ・・・
 とにもかくにも、最近の超愛聴盤。
 とても気持ちが穏やかになる静音ジャズ。
 でも、なぜか夜では無くて、昼のムードの希少盤。



posted by H.A.