“Hommage A Eberhard Weber” (2015)
Pat Metheny (guitar) Jan Garbarek (sax) Gary Burton (vibes) Scott Colley (bass) Danny Gottlieb (drums) Paul McCandless (oboe,ss) Eberhard Weber (bass) SWR Big Band

Hommage a Eberhard Weber
Various Artists
ECM
2015-09-11


 ECMの看板ベーシストEberhard Weberへのオマージュ・コンサート。
 Pat Methenyを含めた懐かしいメンバー、ECMオールスター。
 ヨーロピアン・コンテンポラリー・ジャズのサウンドを作った代表者のひとり。
 ブルージーでごつごつしたアメリカンジャズや、カチッとしたアメリカンフュージョンとは全く別の柔らかい質感の音。
 上品なクラシックの香りや、柔らかいリズム。
 難解で気難しいものも少なくないヨーロッパものの中で、この人の場合は、緊張感があっても明るい雰囲気、といったところが特徴でしたかね。
 ふわっとした空間が広がる音。
 絵画的な音。
 深い森の中、あるいは草原だったり、時には水の中、はたまたしんとした夜の雰囲気だったり。
 Pat Metheny Groupにも相当強い影響を与えたのは間違いない所。
 そんな御大の名曲群をこのメンバーでやるとどうなるか?
 まあ、想像通りと言えばその通り。
 ゴージャスなビッグバンドの上の匠たちのインプロビゼーション。
 いまだ絶好調、張り詰めた音のJan Garbarekが登場すると緊張感が走るし、Gary Burtonが叩くと華やいだ雰囲気に。
 Paul McCandless が吹くとなんだかのどかで懐かしい雰囲気。
 Pat Methenyは少々抑え気味、神妙に弾いている感じですかね。
 全体の雰囲気はEberhard Weberオリジナルの音に比べるとどことなく暗くて重々しい感じ?
 音が厚いからでしょうかね?
 ポジティブに言えば、オリジナルのスペーシーな感じはそのままに、より重厚な演奏、ってな感じ。
 ところが一部で本人の演奏(録音)が流れると雰囲気が変わります。
 やはり、あの空気感、緊張感は高いのだけど明るい、なんとも微妙な雰囲気を作っていたのはEberhard Weber本人のベースの音そのものだったのでしょうね。




posted by H.A.