“Desertico” (2013) Paolo Fresu Devil Quartet
Paolo Fresu (trumpet)
Bebo Ferra (guitar) Paolino Dalla Porta (bass) Stefano Bagnoli (drums)

パオロ フレス

 イタリアのトランぺッターPaolo Fresu、キタートリオとのカルテットでの近作。
 Devil Quartetと怖い名前ですが、基本的に明るい音楽。
 このバンドの音は、爽やかなファンク。あるいはポップで爽やかなエレクトリック・マイルス。
 リズムがかっこいい。
 ポップなようでひねくれているというか、ちょっと変わった感じ。
 冒頭のRolling Stonesからの選曲には少し引いてしまいますが、そこはカッコいいリズム隊とリーダーのクールなトランペットで存外に素敵なナンバーに・・・うーん、でもやっぱり合わないか・・・
 さておき、他にはいかにもイタリアンな小粋で少し影がある系の曲やらスタンダードやら。
 このリーダーの音、トランペット自体は以前からクール系で今回もそうなのですが、バンド全体の音としてはかつての冷ややかな感じが薄れてきて、明るくなったというか、穏やかになってきたというかそんな感じ。
 以前は「都会の夜」的なイメージが強かったと思うのですが、近年は「昼」のイメージ。
 このバンドでは激しい系のドラマーと、ちょっと癖のある変態的なギターが特徴なのでしょうが、それでも全体的には明るい感じ。
 リズムや抑揚が落ち着いてしまうとポップ・インスツルメンタル・ミュージックになってしまいそうですが、その一歩手前で踏みとどまる絶妙なバランス。
 トラペットやギターのソロになるとさすがに名手感が漂う素晴らしいインプロビゼーション、リズム隊も大人しくしているかと思いきや、気が付くとかなり暴れています。
 でも決して攻撃的にはならない。
 結果、聞き易くて小粋だけども、ちょっとだけひねくれた感じのいい感じのジャズ。
 やんちゃなようで、優しく穏やかな質感。
 明るい昼下がりのBGMにもピッタリ・・・かな?



posted by H.A.