“Edizione Speciale” (2019) Enrico Rava
Enrico Rava (Trumpet, Flugelhorn)
Francesco Diodati (Guitar) Giovanni Guidi (Piano) Gabriele Evangelista (Bass) Enrico Morello (Drums)
Francesco Bearzatti (Tenor Saxophone)
大御所Enrico Rava の新作、ライブ録音。
ライブ録音“Roma” (2018) Enrico Rava, Joe Lovano以来、単独リーダーでは“Wild Dance” (2015)以来久々でしょうか。
そちらのメンバーからトロンボーンがサックスに代わり、長年共演が続く名ピアニストGiovanni Guidiが加わります。
“Wild Dance” (2015)はピアノレス、今風ギターがたっぷりフィーチャーされた少しとんがり気味今風コンテンポラリージャズでしたが、本作はよりオーソドックスに寄ったコンテンポラリージャズ。
冒頭はOrnrtte Colemanっぽいジャズ。
高速4ビート、リフ一発、ディストーションが効いたロックなギター。
さらに上品で穏やかな人と思っていたGiovanni Guidiさんのぶっ飛んだ激しいピアノ。
そんなやんちゃな音もどこ吹く風、硬軟織り交ぜたMiles Davis的な端正なトランペット。
滑らかで鈍い光を放つ真鍮な感じの音色、しなやかなフレージングは、1970年代から変わらず、衰えなし。
続く“Once Upon A Summertime”も端正なジャズバラード。
これまた妖しいロックなギターと激しいピアノが一風変わっていますが、やはりジャズ。
その他、かつて演奏されたオリジナル曲たちも、このバンドのメンバーの色合いで彩りを変え、いかにもライブなテンションとノリで演奏されていきます。
締めはラテンな”Quizás, Quizás, Quizás”。
Ravaさんとしてはありそうですが、ECMさん、ここまでやるの?ってな違和感はマニアな心理に過ぎないのでしょう。
妖しさは抑えめ、静けさはなし、ECMレコードのEnrico Rava作品としては少々異色の元気で明るいジャズ。
タイトルをみると“特別版”、なるほど。
みんなジャズが大好き、明るくてよろしいのでは。