“Sources” (2012) Louis Sclavis
Louis Sclavis (Bass Clarinet, Clarinet)
Benjamin Moussay (Piano, Fender Rhodes, Keyboards) Gilles Coronado (Electric Guitar)
フランスのクラリネット奏者Louis Sclavis、2012年作。
本作はギターとキーボードとのトリオ。
ピアノはいかにもECMな美しい系、ギターはサイケな感じも入り混じる先端ロック系。
ドラムレスでのトリオならば静かに漂うような演奏・・・確かにそんな楽曲もありますが、ピアノかギターがキッチリとビートを作る速いテンポ、激しい音も多く、攻撃的な印象。
メロディは例の不穏系、陰鬱系、あるいは複雑系。
不思議な方向に流れていく旋律、ジプシー系、中近東系、アフリカ系などなどさまざまな表情。
ときおりエレピとギターが絡む先端系ロックな色合いも交えつつ不思議感たっぷり。
アンサンブルで固められた楽曲とインプロビゼーション中心の楽曲が交錯しますが、前者は現代音楽的、後者は静かなフリージャズ的。
複雑怪奇な旋律の強烈なユニゾンに計ったような(計っているのでしょう)オブリガード。
アンサンブルで固められていると思っているところから抜け出し、代わる代わるに明後日の方向に動き、突っ走り、転げまわるクラリネット、ピアノ、ギター。
全編を覆うダークな空気感も含めて毒気たっぷり、気難しい系な印象。
全部含めて無国籍、無時代、アグレッシブなトリオミュージック。
摩訶不思議。

posted by H.A.