“Angels Around” (2020) Kurt Rosenwinkel
Kurt Rosenwinkel (guitar)
Dario Deidda (bass) Greg Hutchinson (drum)
たっぷりのジャズスタンダード曲からの選曲からして、“Intuit” (1998)、“Reflections” (Jun.2009)あたりと同じく、オーソドックスなジャズ路線かと思いきや、さにあらず。
徹底的に攻めたジャズ。
近作“Searching The Continuum” (2019)と比べれば、十分にオーソドックスで、メロディもビートもジャズな感じではあるのですが、ディストーションを掛けたファットな音で、例のどこまでもどこまでも続いていくギター。
ビシバシとアクセントを入れまくるヘビーなドラムに、ウネウネグニャグニャとしながら疾走するギター。
これでもかこれでもかと攻めてくる、あくまで「ジャズ」。
壮絶悶絶な“The Remedy“ (2006)に匹敵するような攻撃性、音圧、音数。
油断していると聞いているほうがヘロヘロになりそうではありますが、キチンと身構えて聞けば、各曲終盤に訪れるカタルシスが何とも心地よい。
とにもかくにも激しいギターがずーっと鳴りっぱなし。
それでもロックロックした感じがしないのは、この人ならではの色合い。
フリーでもない、混沌でもない、1970年代のエネルギー放出型でもない、凄まじいまでに強烈な音。
実はジャズスタンダード集であったことなど忘却の彼方。
これまた21世紀の新型ジャズ、ってところでしょう。
posted by H.A.