吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2020年04月

【Disc Review】“Sunrize” (2009) Masabumi Kikuchi

“Sunrize” (2009) Masabumi Kikuchi

Masabumi Kikuchi (piano)
Thomas Morgan (bass) Paul Motian (drums)



 菊地雅章氏、2009年のトリオ作品、ECMレコードから。
 大御所Paul Motian、近年の ECMのファーストコールなベーシストとのトリオ。
 静かで穏やか、とても繊細な音。
 甘いメロディを奏でるわけでも、フリーに飛び交うわけでも、疾走するわけでもない、ゆったりとしたテンポで淡く断片的なメロディを繰り出すピアノ。
 それに寄り添うように静かにビート繰り出すドラム、ベース。
 不思議で先の読めない音の流れの中にときおり表出する、美しいメロディの断片。
 メロディが見えてきそうで見えない、ビートが定まりそうで定まらない、抽象的なようでなぜか美しい音の流れ。
 小さく聞こえる苦悶するようなうなり声、ときおりのフリーで激しい音。
 が、なぜか優しい音。
 全部合わせてとても繊細。
 21世紀前後からECMレコードの音楽は淡く優しくなったように感じますが、それとも違うように思います。
 類似するピアノトリオがすぐには思いつかない、希少な質感。
 日本的な旋律や音階があるわけではありません。
 が、この繊細な感じが日本的な色合いなんだろうなあ、と思う演奏集。

※別のアルバムから。


posted by H.A.



【Disc Review】“Eastward” (1970) Gary Peacock Trio

“Eastward” (1970) Gary Peacock Trio

Gary Peacock (bass) 
Masabumi Kikuchi (Piano) Hiroshi Murakami (Drums)

イーストワード
ゲイリー・ピーコック
ソニー・ミュージックレコーズ
1997-09-21


 Gary Peacock、1970年、日本で制作したピアノトリオ。
 ピアノは菊池雅章氏。
 フリー色はありませんが、モダンジャズからははみ出したコンテンポラリージャズ。
 少々硬質な質感の録音、とても繊細な音、キリッとした質感のクールなジャズ。
 ベースは饒舌ながらハードボイルドなあの佇まい。
 楽曲はあのごっつくて気難しい印象ではなく、日本的な音の動きを交えつつのコンテンポラリージャズ。
 クールなジャズに優し気なワルツ、雅な展開、ジャズロック風、そして後々まで繰り返し演奏される”Little Abi”。
 とても繊細に聞こえるのは、リリカルなピアノ、あるいは日本の空気感故でしょうか。
 零れ落ちるような、ハラハラと舞い落ちるような、そんな場面がそこかしこ。 
 あの“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) からはずいぶん経ち、“Tales Of Another” (Feb.1977)はまだまだ先。
 バタ臭い(死語ですか?)感じのそれらに対して、あくまで端正で楚々とした感じ。
 1970年代初頭の日本、モダンジャズから一歩踏み出たジャズ。
 繊細さ、そこはかとない日本っぽさがとてもモダン。




posted by H.A.



【Disc Review】“Three Crowns” (2019) Maciej Obara Quartet

“Three Crowns” (2019) Maciej Obara Quartet

Maciej Obara (alto saxophone)
Dominik Wania (piano) Ole Morten Vågan (double bass) Gard Nilssen (drums)



 ポーランドのサックス奏者Maciej Obara、ECMでの第二作。
 前作“Unloved” (2017)と同じメンバー、ピアニストはポーランド、ベースドラムはノルウェー勢、オーソドックスな編成のカルテット。
 音の方も前作と同様、静かでクール、少々オードドックスにも寄ったコンテンポラリージャズ。
 美しい音、物悲しいメロディ、強烈な浮遊感、冷たい空気感は、やはり名作“Fish Out of Water” (1989) Charles Lloydあたりを想い起こします。
 冒頭はECMのお約束、前作も同様、ルバートでのスローバラード。
 前作の冒頭と比べると、さらに静けさ儚さが増した音の流れ。
 零れ落ちてくるような美しいピアノと、フリーに動くドラム、ベース、そしてキリッとしたサックス。
 さらには、高速にシンシンと鳴るシンバルの中を漂うピアノ、突っ走るサックス。
 中盤にフリー混じりの激しい場面もいくらか。
 が、うるさくも沈痛でも陰鬱でもない、クールで清廉な印象。
 リーダーもさることながら、全編通じてピアノトリオが素晴らしい演奏。
 浮遊、タメ、疾走が交錯する美しいピアノと変幻自在のドラム、ベース。
 いかにもECMな、美しく、儚く、そして微かな狂気を孕んだような音。
 メンバーのリーダー作もそろろそ来るんじゃないかな?
 全体的にはフワフワした印象の前作に対して、リズム隊の自由度が上がり、少々キリッとした印象でしょうか。
 1980年代90年代のECMのオーソドックスジャズ寄りの作品ってこんな感じだったなあ・・・ってな感じのアルバム。
 懐かしいやら、かえって新しいやら、カッコいいやら。




posted by H.A.

【Disc Review】“Crossroads 2 (Live In The Seventies)” (1974-1978) Eric Clapton

“Crossroads 2 (Live In The Seventies)” (1974-1978) Eric Clapton

Eric Clapton (Guitar, Vocals)
George Terry, Graham Lyle, Carlos Santana (Guitar) Dick Sims (Keyboards) Carl Radle, Dave Markee (Bass) Henry Spinetti, Jamie Oldaker (Drums) Armando Peraza, Leon Chandler, Sergio Pastora (Percussion)
Marcy Levy (Harmonica, Vocals) Yvonne Elliman (Backing Vocals)

Crossroads 2: Live In The Seventies
Eric Clapton
Polydor / Umgd
1996-04-02


 Eric Clapton、1970年代のライブ録音集。
 "461 Ocean Boulevard" (1974), "There's One in Every Crowd" (1974,1975), “E. C. Was Here” (1974-1975), "No Reason to Cry" (1975, 1976), “Slowhand” (1977)あたり。
 ハードロックとは違う、後のAOR的ヒットメーカー時代とも違う、いわゆるレイドバックしたアメリカ南部風味たっぷりのロック、一番好きな時期。
 1996年頃リリースの未発表音源集ですが、ブートレッグではなく公式盤、音質も良好。
 たっぷりCD4枚組、楽曲の重複はなく、代表曲のベストテイク的な演奏を選んだのだろうと思います。
 “E. C. Was Here” (1974-1975)と同じ音源、"461 Ocean Boulevard" (1974)、“Slowhand” (1977)のデラックス版?に収められていたライブとの重複は3-4曲づつ。
 それらの方が同じステージの分だけにまとまっているのかもしれませんが、そのあたりはお好み次第。
 あるいは少し沈んだ感じもあるスタジオ録音よりも、ハイテンションでワイルドな感じ、ブルースもたっぷり。
 "There's One in Every Crowd"のゆるーい感じが一番好きだったジャズオヤジには少々キツめ、ロック色強かもしれませんが、その分ギターソロもたっぷり、もちろんスライドギターやオルガンが鳴って、Marcy Levy, Yvonne Ellimanの声が聞こえりゃ贅沢は言えませんか。
 一曲のみですがSantanaさんとのロックなバトルもご愛敬。
 生粋のアメリカンロックと比べると繊細な感じがするのは、ブリティッシュ故なのか、Ericさんだからなのか?
 いずれにしても、この種の音を聞くと1970年代にタイムスリップできるなあ。
 懐かしいような、面はゆいような、カッコいい音。




posted by H.A.

【Disc Review】“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

“LIVE 1975” (1975) Jeff Beck

Jeff Beck (Guitar)
Max Middleton (Keyboards) Wilber Bascomb (Bass) Bernard Purdie (Drums) 
John McLaughlin (Guitar)

Live 1975
Jeff Beck
Alive The Live
2019-11-30


 Jeff Beck、“Blow by Blow” (1975)発表後のライブ音源。
 こちらもブートレッグで出回っていたものなのでしょうか。
 中身はファンキーでソウルなフュージョンミュージック。
 “Blow by Blow”からベースとドラムが交代し、ハードで重めのビート。
 ギターもディストーションがしっかり効いた太くてド派手な音、音数もたっぷり、攻撃的。
 あの手この手を駆使した変わった音も使いながら、あちこちにぶっ飛んでいくフレーズ。
 どの曲もやたらド派手でドラマチック。
 洗練された“Blow by Blow”に対して、少々荒い録音も手伝ってワイルドでざらざらした質感。
 ロックです。
 “Blow by Blow”からの楽曲に加えて、“Superstition”、” Got The Feeling”の歌なしバージョンがあったり、メローだった“Definitely Maybe”、“'Cause We've Ended As Lovers”が攻撃的激情バラードになり、とびきりファンキーだった”You Know What I Mean”は何だかよくわからないひねくれた感じになってみたり。
 あのアドリブまで暗記してしまったあの曲この曲が、スタジオ録音のフレーズの断片を散りばめながら、テイストも少し変わって大音量で演奏されていく様には、何とも言えない感慨が。
 ボーナステイクではJohn McLaughlinが一曲に参加、さらに別ステージから“'Cause We've Ended As Lovers”, ”You Know What I Mean”を選んでもう一回、なんて涙ちょちょぎれ。
 さすが、わかっていらっしゃる。




posted by H.A.


【Disc Review】“Live On Air 1972 London & Bremen” (1972) Jeff Beck Group

“Live On Air 1972 London & Bremen” (1972) Jeff Beck Group

Jeff Beck (Guitar)
Max Middleton (Piano) Clive Chaman (Bass) Cozy Powell (Drums)
Bob Tench (Vocals)

Live On Air 1972 London & Bremen
The Jeff Beck Group
Alive The Live
2019-11-30


 Jeff Beck、いわゆる二期Jeff Beck Groupのライブ音源。
  “Jeff Beck Group” (1971)の発表の後のラジオ番組の音源のようです。
 ブートレッグで出回っていたものなのだと思いますが、リマスターされ再発。
 ファンキーでソウルなロック。
 黒っぽくてかつ繊細なボーカル、弾みまくるソウルなベース。
 スタジオ録音諸作よりもちょっとビートが重めで、ギターはド派手で攻撃的、全部合わせてハードな感じですかね。
 生の姿はやはりブリティッシュロックかあ・・・って感じもするのですが、エレピが聞こえてくるとちょっと軽快に、さらに沈んだムードになって、後の“Blow by Blow” (1975)に繋がっていく感じ。
 後のアシッドジャズやブリティッシュファンクにも繋がる、なんて強弁する気はありませんが、イギリスのソウル~ファンクってどこか繊細な感じがして、それがカッコいい。
 新作“Jeff Beck Group” (1971)の曲を中心に前作“Rough and Ready” (1971)からも何曲か。
 “Ice Cream Cakes”で始まり、涙ちょちょ切れ “Definitely Maybe”などなど、ボーナステイクで“Situation”、“Got the Feeling”・・・、なんと懐かしい。
 このバンドが長く続けばよかったのに、と思うのではありますが、ま、後にさらに軽快でファンキーな名作“Blow by Blow” (1975)があるので贅沢は言えませんか。




posted by H.A.

【Disc Review】“Not in Our Name” (2004) Charlie Haden Liberation Music Orchestra

“Not in Our Name” (2004) Charlie Haden Liberation Music Orchestra

Charlie Haden (bass)
Carla Bley (piano, arranger, conductor) Steve Cardenas (guitar) Matt Wilson (drums)
Michael Rodriguez, Seneca Black (trumpet) Curtis Fowlkes (trombone) Ahnee Sharon Freeman (French horn) Joe Daly (tuba) Miguel Zenón (alto saxophone) Chris Cheek (tenor saxophone) Tony Malaby (flute, tenor saxophone)

Not in Our Name
Charlie Haden Liberation Music Orchestra
Verve
2005-08-30


 Charlie Haden、2004年、21世紀に入ってのLiberation Music Orchestra、“Dream Keeper” (1990)以来のアルバム。
 楽器編成は大きく変わっていないのだと思いますが、もう一人の主役Carla Bley以外は全員新しいメンバー。
 初期のフリー色がなくなり、スッキリしたイメージ、メロディアスなコンテンポラリージャズ。
 例のアバンギャルド、あるいは涙ちょちょ切れなセンチメンタル曲中心ではなく、Pat Metheny/ Lyle Mays/ David Bowie, Ornettte Coleman, Bill Frisellなどなど、縁のありそうな面々の楽曲が多く取り上げられています。
 お約束?のスパニッシュテイストあり、レゲエあり、霊歌風あり、ワルツあり。
 手練れた管楽器のインプロビゼーション、ところどころに彩りを加えるギター、沈み込むベース。
 かつての混沌、ドロドロした情念のようなもの、フリーキーな音、嗜虐感などなど、とんがった音が表出される場面はほとんどありません。
 アレンジもひねくれた感じはなく、おおむねオーソドックスでスッキリ爽やか。
 テーマは母国アメリカなのでしょう。
 何かしらの問題を糾弾する、あるいは悲哀で覆われた感じはなく、おおらかな空気感。
 大人になったというか、平和になったというか。
 もちろんリズム隊もフロント陣も名人芸の手練れた演奏。
 個々の楽曲のメロディとインプロビゼーションが前面に出る、洗練された現代的なジャズ。
 くすんだイメージの“Liberation Music Orchestra” (1969)のジャケットを模した明るい雰囲気のカラフルなジャケット、そのままな音。
 メッセージ、あるいは時代感さておき、トゲが取れて丸くなった、そんなLiberation Music Orchestra。




posted by H.A.

【Disc Review】“Charlie Haden, Jim Hall” (1990) Charlie Haden, Jim Hall

“Charlie Haden, Jim Hall” (1990) Charlie Haden, Jim Hall

Charlie Haden (bass) Jim Hall (guitar)

Charlie Haden & Jim Hall
Charlie Haden
Blue Note Records
2014-09-30


 Charlie Haden、Jim Hall とのDuo。
 1989年の一連の記録の翌年、1990年モントリオールジャズフェスティバルでのライブ録音。
 クールでハードボイルドなお二人の共演。
 もちろんクールでハードボルドな静かな世界。
  Monkから始まり、Ornette Colemanにジャズスタンダード。
 さらに”First Song”, “Down From Antigua”, “Big Blues”などのお二人の代表的なオリジナル曲。
 ズシーンとくる低音とフワフワとした霞のようなギター。
 モダンジャズ時代、前に進む成分が強いJim HallとRon CarterとのDuoとはまた違った雰囲気。
 儚く消えゆくような繊細なギターには、Charlie Hadenの沈み込むベースの方がより似合っているかなあ・・・ってな私見。
 何の装飾もギミックもないギターとベース、それだけ。
 シーンと静まり返った空間の中、ゆったりと進む音。
 いつもの鬼のような人たちとの共演だと自らも鬼になってしまうベースが、とても柔らかに響きます。
 フワフワとしていてサラサラと流れていくようで、ズーンとくる音。
 聞き流してしまいそうで、微睡に陥りそうで、ときおり覚醒を促されるようなとても心地よいバランス。
 沈んだ感じながら強い浮遊感を醸し出す希少な名人のコンビ、その色合い、そのままの音。




posted by H.A.

【Disc Review】“Dream Keeper” (1990) Charlie Haden, Liberation Music Orchestra

“Dream Keeper” (1990) Charlie Haden, Liberation Music Orchestra

Charlie Haden (double bass)
Carla Bley (arranger, conductor)
Amina Claudine Myers (piano) Mick Goodrick (guitar) Paul Motian (drums) Don Alias (percussion)
Tom Harrell (trumpet, flugelhorn) Earl Gardner (trumpet) Dewey Redman (tenor saxophone) Joe Lovano, Branford Marsalis (tenor saxophone, flute) Ken McIntyre (alto saxophone) Ray Anderson (trombone) Sharon Freeman (French horn) Joseph Daley (tuba) Juan Lazaro Mendolas (wood flute, pan flute)
The Oakland Youth Chorus, Elizabeth Min (director) 

ドリーム・キーパー
チャーリー・ヘイデン・アンド・ザ・リベレイション・ミュージック・オーケストラ
ディスク・ユニオン
1990-10-25


 Charlie Haden、Liberation Music Orchestra での第三作。
 “The Montreal Tapes” (Jul.8.1989)のメンバーを中心としたスタジオ録音。
 大編成のホーン陣に加えてコーラス入り。
 本作も中南米、キューバ、南アフリカなどの社会問題をテーマとしているようです。
 件のスパニッシュ~南米エスニックな雰囲気は維持しつつ、ジャズな場面もたっぷり。
 冒頭は清廉なコーラスと重厚なベースが醸し出す敬虔な空気感から始まるタイトル曲。
そんなパートと件の戦場的マーチ、ラテンな流れ、強烈なジャズインプロビゼーションの交錯、15分を超えるドラマチックな展開。
 続くはキューバ、哀愁の名曲“Rabo De Nube"、意外にも軽めにサラリとした質感、ベタつかないまとめ方。
 南アフリカの国家はメロディのアンサンブルの後は怒涛の、でも端正なモードジャズ。
 哀愁のオリジナル曲”Sandino”もアップテンポでサラリとした仕上がり。
 締めはRay Andersonが朗々と歌い上げるゴスペルチックなバラード“Spiritual”。
 いろんなテイストが寄せ集まっていますが、前作までの空気感、Carla Bleyなムードを維持しつつ、スッキリとまとまった楽曲、アレンジ。
 お約束とも思えた激情フリーの場面が無くなったのも、時代の流れでしょうか。
 もちろん全編通じた哀し気な空気感はそのまま、クールなムードのLiberation Music Orchestra。




posted by H.A.


【Disc Review】“The Montreal Tapes” (Jul.8.1989) Charlie Haden w. Liberation Music Orchestra

“The Montreal Tapes” (Jul.8.1989) Charlie Haden w. Liberation Music Orchestra

Charlie Haden (bass)
Geri Allen (piano) Mick Goodrick (guitar) Paul Motian (drums)
Ken McIntyre (alto saxophone) Ernie Watts, Joe Lovano (tenor saxophone) Stanton Davis, Tom Harrell (trumpet) Ray Anderson (trombone) Sharon Freeman (French horn) Joe Daley (tuba)



 Charlie Haden、1989年モントリオールの八日目、締めのLiberation Music Orchestra。
 選曲は“Liberation Music Orchestra” (1969)、“The Ballad of the Fallen” (1983)、後の“Dream Keeper” (1990)から分け合い、メンバーは“Dream Keeper”参加者が中心。
 冒頭は“La Pasionaria”。
 スパニッシュではなくジャズなギターに導かれテーマを決めた後は、怒涛のフリージャズ。
 あのマシンガンベースに、テナーサックス、ピアノと続く凄まじいインプロビゼーション。
 ホーンのアンサンブルを中心とした“Silence”、トランペットをフィーチャーした“Sandino”、 締めの“We Shall Overcome”はテーマ一発、後はRay Anderson, テナーサックス、トランペットをフィーチャーした長尺ブルース大会。
 代表曲の選曲に、名人たちをバランスよく前面に出すファンサービスもタップリな構成。
 もう一人のディレクターCarla Bleyは参加していませんが、最後を除けばオリジナルに近い編曲、終始流れる哀し気な空気。
 “Dream Keeper”はいくぶんスッキリした感じでしたが、こちらはあの時代に戻ったかのようなコテコテのハードジャズ。
 とてもドラマチック。
 1960年代からの闘志、いまだ衰えず、ってなステージ。


 

posted by H.A.


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