吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2019年10月

【Disc Review】“Safe Journey” (1984) Steve Tibbetts

“Safe Journey” (1984) Steve Tibbetts

Steve Tibbetts (Guitar, Kalimba, Tape)
Marc Anderson (Congas, Steel Drums, Percussion) Bob Hughes (Bass) Steve Cochrane (Tabla)

Safe Journey
Steve Tibbetts
Ecm Import
2001-05-08


 アメリカの尖端ギタリストSteve Tibbetts、1984年、ECMでの制作。
 “Northern Song” (1982)のコンビにベースとタブラが加わり、激烈ロックと静けさが交錯する無国籍ワールドロック。
 冒頭は怒涛のパーカッションとスルズルグチョグチョのエレキギターが爆発するエスニックハードロック。
 これは・・・、ECMなのに・・・・と身構えていると、続くはカリンバ、スチールパンの静かで幻想的な音、ゆっくりとつま弾かれるアコースティックギター、漂う静かな電子音・・・
 しばらく続く静かで心地よい音の流れに冒頭の激烈さを忘れた頃(LPレコードではB面頭)、エスニックなパーカッションの音の中から再び現れる凶悪なディストーションギター・・・
 混沌と平穏の錯綜、鳴り響くパーカッションと電子音、繰り返されるリフに、意識は混乱しながら陶酔へ・・・
 カリンバ、パンなどの穏やかな金属音がとても心地よい時間がたっぷりなのですが、その前にドギツイ洗礼を受けないと・・・ってな構成。
 あまり”Safe”ではなさそうな、いけない世界へのトリップミュージック。
 この後もECMでの制作が続きますが、少し先の“Big Map Idea” (1989)では再び静かになり、さらに先の“The Fall of Us All” (1994)は激烈系。
 本作はそれらが入り混じる構成。
 デビュー作“Steve Tibbetts” ‎(1977)に同じく、この人の音楽のショーケース。
 爆音、静音、エスニック、いずれも尖端ミュージック。


 

posted by H.A.


【Disc Review】“Northern Song” (1982) Steve Tibbetts

“Northern Song” (1982) Steve Tibbetts

Steve Tibbetts (Guitar, 12String Guitar, Kalimba, Loops)
Marc Anderson (Congas, Bongos, Percussion)

Northern Song
Steve Tibbetts
ECM
2019-01-18


 アメリカのギタリストSteve Tibbetts、ECMでの第一作。
 静かなギターミュージック。
 後にECMでも超激烈系を含めてさまざまな色合いの作品を制作する人ですが、本作には“Steve Tibbetts” ‎(1977)後半の激烈な音はありません。
 ロック、ジャズではなく、クラシック色もなく、かといってフォーク系でもない、いわゆるNew Age Music系?実験系?ワールド系?・・・?
 とにもかくにも美しいアコースティックギター。
 とても清廉で静かな音。
 ゆったりとした音の流れ、穏やかなメロディとコードを奏でるギターとパーカションのアンサンブル。
 幾重にも重なる水の流れ、パーカッションは風の音のようにも聞こえます。
 ときおり響くカリンバは遠い過去から、ストリングスの音は未来から流れてくるようにも聞こえます。
 繰り返されるリフはミニマルミュージック的でもあるし、フォーキーな質感、哀しそうでも絶望はない空気感、遠い所を眺めるような雰囲気はSaudadeなムード。
 少しずつグラデーションを描きながら景色が変わっていくような音の流れ。
 たっぷりとられた余白、たっぷりのエコーが効いたギターの残響音~無音の時間も含めて、心地よい時間が続きます。
 湿度を下げ、空気を浄化する音。
 極上のトリップミュージック。


 

posted by H.A.



【Disc Review】“Steve Tibbetts” ‎(1977) Steve Tibbetts

“Steve Tibbetts” ‎(1977) Steve Tibbetts

Steve Tibbetts (Guitar, Effects, Vocals, Engineer, Synthesizer)

Steve Tibbetts
Steve Tibbetts
Cuneiform
1995-10-17


 アメリカのギタリストSteve Tibbetts、おそらくデビュー作。
 ギターのオーバーダビングとシンセサイザー、効果音が交錯する不思議な音楽。
 フォーキーで瑞々しいアコースティックギター、左右のチャンネルに振り分けられた響きがとても心地よいサウンド。
 楽曲はポップな感じが中心なのですが、なんだか変わっています。
 背景を彩り、ときおり前面に出るシンセサイザーのさまざまな音。
 ギターの響きもあわせてとてもスペーシー。
 空間的の意味合いだけでなく、文字通り宇宙的なサウンドなのですが、同時期の『スター・ウォーズ』(1977)よりももっと前な感じの宇宙サウンド。
 いかにも時代感たっぷりの当時のシンセサイザーの音がそうさせるのでしょう。
 心地よさに加えて、それが何だか新しく聞こえてきます。
 が、穏やかで幻想的な時間に油断していると、後半、強烈なディストーションがかかったズルズルなハードロックギターと飛び交う電気音の饗宴、ド激しい系。
 とても静かで綺麗なアコースティックギターを中心とした音楽、と思いきや、さにあらず。
 静と動、平静と狂気が交錯する1970年代尖端サウンド、今聞いても尖端。




posted by H.A.


【Disc Review】“Road Song” (1968) Wes Montgomery

“Road Song” (1968) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Herbie Hancock (piano) Hank Jones (harpsichord, piano) Richard Davis (bass) Grady Tate, Ed Shaughnessy (drums) Ray Barretto, Jack Jennings (percussion) and Horns, Strings

ロード・ソング
ウェス・モンゴメリー
ユニバーサル ミュージック
2018-03-14


 Wes Montgomery、CTIからのジャズポップス。
 Creed TaylorのプロデュースにDon Sebeskyのアレンジ。
 いわゆるアドリブのパートが抑えられ、各曲がコンパクトにまとめられた演奏。
 ホテルのラウンジなどにピッタリきそうな上品で豪華なホーンとストリングス。
 ここまでくるとジャズってよりもポップスインスツルメンタル。
 新旧織り交ぜたヒットソング、"Greensleeves"、"Fly Me to the Moon"、"Yesterday"、"Scarborough Fair"・・・。
 あざといとかベタなんてのを通り越して清々しい。
 そんな中でカッコいいのが、冒頭のオリジナル曲、"Road Song"。
 とてもクールでハードボイルド。
 さらにカッコいいジャケットのポートレート。
 これを眺めながら聞いていると、冒頭曲はもちろん、どのポップチューンもどこか遠い所へ連れて行ってくれそうな感じがしてきます。
 1960年代終りのオシャレな一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Tequila” (1966) Wes Montgomery

“Tequila” (1966) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Ron Carter (bass) Grady Tate (drums) Ray Barretto (conga) George Devens (vibraphone) and Strings

テキーラ
ウェス・モンゴメリー
ユニバーサル ミュージック
2018-03-14


 Wes Montgomery、ポップジャズの入り口辺り。
 Creed Taylorプロデュース、アレンジはClaus Ogerman、Verveから。
 柔らかなオクターブ奏法で奏でられるヒットチューンのメロディ。
 とてもさり気なくて優雅なストリングス、涼し気なヴィブラフォン。
 が、ここでの主役はあくまでギター。
 インプロビゼーションのスペースがたっぷりとられ、ストリングスはあくまで背景の彩り。
 ポップなテーマに怯まず聞き進めると、後はちょっと沈んだムード、ブルージーさもそこかしこ、Wesさんの世界。
 過渡期なのでしょうが、たっぷりのジャズの香りとポップス化しようとする試行が入り混じりつつも、なんだかんだでジャズの勝ち。
 結果、ジャズに優雅さが加わりとてもいい感じ。
 過渡期な感じも含めて、とてもカッコいい隠れ?名作だと思うのだけどなあ・・・
 それにしても何ともカッコいいジャケット。
 これ見よがしなような、さり気ないような。
 ライムの香りが漂ってくるような。
 音の方もそんな感じですね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Smokin' at the Half Note” (1965) Wes Montgomery

“Smokin' at the Half Note” (1965) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Wynton Kelly (piano) Paul Chambers (double bass) Jimmy Cobb (drums)

Smokin' at the Half Note
Wynton Trio Kelly & West Montgomery
Apo
2013-11-12


 Wes Montgomery、言わずと知れた名作ライブ+α。
 サポートは"Kind of Blue" (1959) Miles Davis所縁、傑作"The Incredible Jazz Guitar” (1960)のピアノトリオ。
 この頃Milesさんはメンバーを一新してしばらく、“Plugged Nickel”(Jul.1965)辺り、遠い所に行きかけている時期。
 Wesさんもポップス混じりにそろそろ行こうかな、ってな時期なのでしょうが、こちらは掛け値なしの正々堂々、王道モダンジャズ。
 テーマ一発、シングルトーンからオクターブ、そしてコードかき鳴らしの怒涛のギターソロ。
 ピアノに選手交代してもこれでもかこれでもかと続くブルース、シングルトーンの転げまくるソロ。
 そしてモダンジャズの王道ベースのコンパクトなソロ。
 そんな”No Blues”でぶっ飛んで、”If You Could See Me Now”で落ち着いて、そこからはスタジオ録音。
 ライブの空気感はそのままに、バウンドするブルース、名曲”Four On Six”の再演で突っ走り、”What's New”で静かに幕。
 CDではLPレコード別盤のライブ音源が追加。
 こちらは少し落ち着いた印象ですが、名手たちの手練れたジャズな演奏は変わりません。
 気合一発、ギミックなし。
 あの時代のニューヨークの日常。




posted by H.A.


【Disc Review】“Movin' Wes” (1964) Wes Montgomery

“Movin' Wes” (1964) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Bobby Scott (piano) Bob Cranshaw (bass) Grady Tate (drums) Willie Bobo (percussion)
Ernie Royal, Clark Terry, Snooky Young (trumpet) Jimmy Cleveland, Urbie Green, Quentin Jackson, Chauncey Welsch (trombone) Don Butterfield, Harvey Phillips (tuba) Jerome Richardson (flute, saxophone, woodwinds)

Movin' Wes
Wes Montgomery ウェスモンゴメリー
Verve
1992-08-04


 Wes Montgomery、ビッグバンド作品。
 ピアノトリオ、パーカッションに大編成のホーン陣。
 バンドの編成は変則で、アレンジもオーソドックスではないのだと思いますが、後のポップジャズではなく、ラテンやワルツも含めて、あくまでジャズ。
 突き刺さるような、あるいは強烈なドライブ感を引き出すド派手なホーンが鳴り響き、コンパクトにまとめられた演奏。
 そんな中で、テーマからインプロビゼーションまで、ギターがずーっと鳴りまくり、弾きまくり。
 大音量のホーンはあくまで彩り、ギター以外の楽器が前面に出る場面はありません。
 圧倒的な存在感で突っ走っています。
 ま、何となくそろそろオーソドックスなモダンジャズは・・・な感、無きにしもあらずではありますが、まだまだ、4ビートたっぷり、ジャズの塊のようなギターたっぷり。
 突っ走るバンドとギター、その大編成版。
 気分爽快、カッコいいジャズ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Boss Guitar” (Apl.1963)、“Portrait of Wes” (Oct.1963)、 “Guitar on the Go” (1959,Oct.Nov.1963) Wes Montgomery

“Boss Guitar” (Apl.1963)、“Portrait of Wes” (Oct.1963)、 “Guitar on the Go” (1959,Oct.Nov.1963) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Melvin Rhyne (organ) Jimmy Cobb, George Brown, Paul Parker (drums)

Boss Guitar
Wes Montgomery
Ojc
1991-07-01

Portrait of Wes
Wes Montgomery
Ojc
1991-07-01

Guitar on the Go
Wes Montgomery
Ojc
1991-07-01


 Wes Montgomery、オルガン入りトリオの三作、1963年の三セッション+α。
 “The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery” (1960)、“Full House” (1962)の名作二作を経た時期。 
 背景がオーソドックスなピアノトリオでなくオルガンとドラムになると、ビートの角が取れてよりスムースな感じに聞こえてきます。
 前に進む勢いの強いWesさんの音楽が、グルーヴはそのまま、滑るように前に進むイメージ、あわせて涼し気なオルガンの音が温度、湿度を下げる感じ。
 ギターの音とあわせて、とてもクール。
 “Boss Guitar” (Apl.1963) はちょっと攻めた感じ、“Besame Mucho”なんて曲を含めて一番の人気作なのでしょう。
 “Portrait of Wes” (Oct.1963)は“Freddie The Freeloader”、“Moanin'”などのカバーがありそうであまりないジャズ曲を含めて、明るくスッキリまとまった感じ。
 “Guitar on the Go” (1959,Oct.Nov.1963)は地味な選曲、残り物かも?の一番オーソドックスなジャズ演奏が集まっている感じ。
 が、一番好みは“Guitar on the Go”だったりします。
 シンプルだし、聞き飽きたはずの楽曲”The Way You Look Tonight”が絶品だもんね。
 いずれ劣らぬ涼し気なオルガントリオ、三作。




posted by H.A.



【Disc Review】“Full House” (1962) Wes Montgomery

“Full House” (1962) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Wynton Kelly (piano) Paul Chambers (bass) Jimmy Cobb (drums)
Johnny Griffin (tenor sax)

Full House [12 inch Analog]
Wes Montgomery
Fantasy
2014-07-15


 Wes Montgomery、言わずと知れた名作ライブ。
 "Kind of Blue" (1959) Miles DavisのピアノトリオとJohnny Griffinを従えたステージ。
 冒頭曲“Full House”。
 “Cool Struttin'”と並ぶThis is HardBopなテーマ。
 シンプルでちょっとヤクザでブルージーで黒々としていて、クール。
 他アルバムの"Four on Six"然り、“Road Song”然り。
 そんなテーマに、ミディアムテンポで前へ前へと進むバンド。
 ジワジワとテンションを上げつつもあくまでクールなギター、グルグルとクダを巻く真っ黒けのテナーサックス、コロコロと転げまわり飛び跳ねるピアノ。
 熱くなってあっちの世界に行ってしまいそうそうで、コードの変化を明確に意識した、あるいは意識せずともコードに乗ってしまう、とてもスムースなインプロビゼーション。
 モダンジャズ~ハードバップのカッコよさが全部詰まったような演奏。
 ソロギターでのバラードでクールダウンした後は、最後まで突っ走るバンド。
 それでいて少々沈んだダークなムード。
 カッコいいなあ。




posted by H.A.


【Disc Review】“SO Much Guitar!” (1961) Wes Montgomery

“SO Much Guitar!” (1961) Wes Montgomery

Wes Montgomery (guitar)
Hank Jones (piano) Ron Carter (bass) Lex Humphries (drums) Ray Barretto (conga)

ソー・マッチ・ギター!
ウェス・モンゴメリー
ユニバーサル ミュージック クラシック
2007-10-17


 Wes Montgomery、1961年作。
 名手たちのピアノトリオにコンガ。
 ゴリゴリのジャズな名作“The Incredible Jazz Guitar of Wes Montgomery” (1960) と“Full House” (1962)に挟まれて肩身が狭そうですが、これまたカッコいいジャズ。
 コンガが入る分、ちょっとヤクザな感じがして、それがとてもいい感じ。
 お気楽な感じもするビート、それを締めるかのような端正なピアノとときおり意外な動きをするベース、さすがのお二人。
 そんな感じの軽快なビートに乗って突っ走るギター。
 止まりません。
 バラードになれば綿々としたフレーズを奏でるギターに美しいピアノ。
 ここに“Four On Six”、”Full House”、“Road Song”ぐらいのキャッチーな曲があれば一気に名盤の仲間入り、かどうかはわかりませんが、そんな名演集。
 同じくコンガがカッコいい“Midnight Blue” (1963) Kenny Burrellの一年前かあ・・・




posted by H.A.


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