吉祥寺JazzSyndicate

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2018年04月

【Disc Review】“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) Paul Bley

“Paul Bley with Gary Peacock” (1963, 1968) Paul Bley

Paul Bley (Piano) Gary Peacock (Bass) 
Paul Motian, Billy Elgart (Drums)

Paul Bley With Gary Peacock
Paul Bley
Ecm Import
2000-08-15


 Paul MotianGary Peacockを中心とした、あの時代の少し変わったジャズ。
 ECMの制作ですが、録音は別の時代なのだと思います。
 Paul Motian 参加のピアノトリオの聖典“Waltz for Debby” (1961)、そしてGary Peacockも参加した”Trio '64” (1964) Bill Evansから遠くない時期の録音。
 ベースはScott LaFaroを想わせるような激しい動き。
 普通のジャズのようで、モダンジャズとは何か異質な美しさを散りばめながら、さらに微妙にズレていくようなピアノ。
 二人の動きを意識していないようにも聞こえる、淡々と静かにビートを刻むクールなドラム。
 アコースティック4ビートのモダンジャズですが、なんだか変わっています。
 美しいようでザラついていて、変なようでやはり美しい不思議なバランスは、後のKeith Jarrettのバンドにつながっていくような音。
 Ornette Coleman二曲にPaul Bley二曲、因縁のAnnette Peacock二曲にその他何曲か。
 フリーな場面は多くはありませんが、何か三者が微妙にズレていくような、不思議なバランス。
 普通なようで何か違う、稀代のスタイリストお三方のクリエイティビティとクールネス。
 1960年代と1970年代、モダンジャズとフリージャズ、さらに後のジャズを繋ぐような一作。

※近い時期の演奏から。


posted by H.A.

【Disc Review】“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

“Crescent moon Waning” (2015,2016) Kip Hanrahan

Kip Hanrahan (direction, percussion)
Michael Chambers (guitar, vocal) Brandon Ross (vocal, guitar, banjo) Steve Swallow, Yunior Terry, Andy Gonzalez, Giacomo Merega (bass) Fernando Aunders (bass, vocal, cello, guitar)
Robby Ameen (drums, percussion) Luisito Quintero (percussion) Milton Cardona, Anthony Carrillo, Richie Flores, Ignacio Berroa, Giovanni Hidalgo, Steve Berrios (conga)
Jack Bruce (vocal, bass) Lucia Ameen, Roberto Poveda, Lucy Penabaz, Grayson Hugh, Senti Toy, Xiomara Laugart (vocal)
Charles Neville, J.D. Allen, Craig Handy, Chico Freeman (tenor sax) Mario Rivera, Josh Sinton (baritone sax) Alfredo Triff (violin) David Rodriguez (sound effects)

クレッセント・ムーン
キップ・ハンラハン
MUZAK/american clavé
2018-03-16

 Kip Hanrahan、“At Home in Anger” (2007-2011)以来、久々のアルバム。
 鳴り続けるコンガに囁き声、やるせないメロディにジャズなサックス。
 あのメンバーでの、あのKip Hanrahanのサウンド。
 かつての諸作のいろんな要素が混ざり合う質感は、近作“Beautiful Scars” (2004-2007)、“At Home in Anger” (2007-2011)と同様。
 ダルなムード、コンガと囁くボイスで始まり、妖し気なサックス、ギターとの絡み合い。
 あの都会の裏側の地下室の危ない空気感。
 ピアノレスを中心のクールな質感は初期の“Coup De Tête” (1979-1981)などのソリッドでロックな感じでもあるし、合間に挿入される語り、あるいは狂気を秘めたバイオリンは”A Thousand Nights And A Night: Red Nights” (1996)を想い起こし、コンガが鳴れば強烈なキューバングルーヴ、キューバンポップス、さらには唐突に現れる静かだけども突き刺さってくるようなアカペラボイス・・・
 多くの一分前後のインタールード的な演奏を挟みつつ進む全19曲+ライブ音源一曲。
 それらの短い演奏も含めて、キッチリ計算されているのであろうKip Hanrahanワールドがてんこ盛り。
 ピークは中ほど、強烈なグルーヴで疾走する11曲目”She and He Describe the Exact Same Intimate Moment”でしょうか。
 “Tenderness” (1988-1990)あたりのブチ切れたハイテンションさを想い起こす演奏ですが、埃っぽさと脂分が落ちてスッキリした感じ。
 全体的にもそんな感じ。
 最後は静かなロック調のバラード、ギターと囁き声とサックスの絡み合いで締め、さらに追加でライブ音源、“Desire Develops an Edge” (1983)収録の”Working Class Boy”、故Jack Bruceのボイスと強烈なコンガ、ブチ切れたサックスの饗宴で幕。
 猥雑で妖しくて危なくてダーク、そしてオシャレなKip Hanrahanはまだまだ健在です。

※ライブ映像から。



Coup De Tête” (1979-1981)
Vertical's Currency” (1984)

Tenderness” (1988-1990)
Exotica” (1993)

This Night Becomes a Rumba” (1998) Deep Rumba
A Calm in the Fire of Dances” (2000) Deep Rumba
“Bad Mouth” (2006) Conjure
Beautiful Scars” (2004-2007)
At Home in Anger” (2007-2011)
Crescent moon Waning” (2015,2016) 

 posted by H.A.

【Disc Review】“Dois em Pessoa volume II” (2017) Renato Motha, Patricia Lobato

“Dois em Pessoa volume II” (2017) Renato Motha, Patricia Lobato

Renato Motha (guitar, voice, wind instruments, bass, drums, percussion, etc.) Patricia Lobato (voice, ganzá, triangle, tamborim)
Tiago Costa (piano) Bruno Conde (guitar) and strings



 ブラジルの男女Duoによるとても穏やかなMPB。
 名作”Dois Em Pessoa” (2003)と同様、ポルトガルの詩人Fernando Pessoaの作品にメロディを付けた楽曲集、第二弾。
 もちろんそちらと同質、Duo+αの少人数の演奏なので、さらに静かで穏やかな音。
 ガットギターの漂うような音とシルキーな男女なボイスの絡み合い。
 Joao Gilberto流儀ながらそれを何倍も優しくしたような男声と天使のような女声。
 少し沈みつつも前向きな、いつものこの二人の音。
 二枚組、全26曲のオリジナル曲。
 まあ、よくもここまでたくさんキャッチーなメロディが出てくるなあ・・・
 さらに多くの場面で鳴っているTiago Costaのピアノがとても素晴らしい。
 派手なインプロビゼーションこそありませんが、漂うような舞い落ちるような音。
 一部ではECMっぽい空気感の場面もあるのですが、そこまでひねくれてはなくて、Carlos AguirreAndre Mehmariをもっと静かに繊細にオーソドックスにしたような音使い。
 あるいは、神様Antonio Carlos Jobimを意識したのかなあ・・・ってなボサノバ王道の音の流れもそこかしこに。
 おまけにときおり聞こえるストリングスの響きが優雅の極めつけ。
 先の同企画”Dois Em Pessoa” (2003)よりもこっちの方が緩い感じ、よりサラサラとした感じですかね?
 それが最高。
 気がつけば、ふにゃー・・・としてしまうような心地よい脱力感。
 このコンビの作品は全て楽園ミュージック。




 posted by H.A.

【Disc Review】“Amor e Música” (2018) Maria Rita

“Amor e Música” (2018) Maria Rita

Maria Rita (voice)
Rannieri Oliveira (piano) Fred Camacho (cavaco, banjo) Leanfro Pereira (guitar) Alberto Continentino (bass) Wallace Santos (drums) Jorge Quininho, Adilson Didao (percussion)
Diogo Gomes (flugelhorn, trumpet)

Amor E Musica
Maria Rita マリアヒタ
Universal
2018-02-09


 今やMPB界の大御所なのでしょう、Maria Ritaの最新作。
 スタジオ録音の作品は“Coração a Batucar” (2014)以来でしょうか?
 基本的にはそれと同様、期待と全くズレない安心安定の明るい系現代サンバ。
 電気系の楽器の登場場面は少なく、カバキーニョ、クイーカーなどの響きが強いナチュラルで伝統的なサンバっぽい作り。
 が、とても洗練されたいかにもポップでキャッチーで現代的なバンド。
 さりげなく音を重ねるトランペットが厚すぎず薄すぎないゴージャスさを醸し出す絶妙なパランス。
 そんな背景の中を自由に動く、ちょっとハスキーな声、サラリと流れていく自然な歌。
 シンプルでオーソドックスなようで、ちょっと聞いただけで彼女の音楽とわかる、さりげないようで強烈な個性。
 ここまでくると名人芸。
 母上のElis Reginaとは似てないんだろうなあ・・・といつも思うのですが、とにもかくにもいかにもMaria Ritaで完璧な現代サンバワールドが出来上がっています。
 なぜが本作では楽曲以外にはクレジットがない夫君?Davi Moraesのキャッチーな楽曲を中心として、全編にさりげない哀愁を漂わせながらもハイテンション、さりげなく陶酔を誘ういかにもサンバな楽曲揃い。
 キャッチーな楽曲に過不足なくスッキリとコンパクトにまとまった構成と完璧な演奏に完璧な歌。
 さすがの完成度のエンターテインメント。
 こりゃ気持ちいいや。


 

posted by H.A.



【Disc Review】“O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa” (2016) Rita Maria

“O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa” (2016) Rita Maria

Maria Rita (voice)
Davi Moraes (guitar) Rannieri Oliveira (keyboard) Marcelo Linhares (drums) Marcelinho Moreira, Andre Siqueira (percussion)

O Samba Em Mim: Ao Vivo Na Lapa
Rita Maria
Imports
2016-06-24


 現代MPBの女王Maria Ritaのライバルバム。
 直近のアルバム“Coração a Batucar” (2014)からの楽曲を中心として、ここまでのキャリアのベストな選曲なのでしょう。
 ピアノトリオに夫君のカバキーニョなカッティングのギターとパーカションの過不足のないシンプル編成。
 アコースティックサンバ、ソウルフル、あるいはポップなMPB、その他諸々、ノリノリの元気いっぱいサンバサウンド。
 スタジオ録音諸作では少し沈んだクールな感じがカッコいいのですが、ライブではノリノリのエンターテイナー。
 サンバのライブらしく最初から最後まで聴衆が一体となった大合唱。
 ポルトガル語が全くわからないのが悲しい限り。
 ま、踊るなんとかに見る何とか・・・・は、古今東西、共通なのでしょう。
 このカッコよさを満喫するには、CDよりもDVD、それよりもライブ会場に行くべきなのでしょうねえ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Segundo” (2005) Maria Rita

“Segundo” (2005) Maria Rita

Maria Rita (Vocals)
Tiago Costa (Piano) Sylvinho Mazzucca (Acoustic Bass) Cuca Teixeira, Marco da Costa (Drums) Da Lua (Percussion) Cuca Teixeira (Surdo)

Segundo
Maria Rita
Warner Music Latina
2005-10-03


 Maria Ritaの第二作。
 豪華でいろんな編成、いろんな色合いの楽曲が入り混じる前作“Maria Rita” ‎(2003)に対して、ピアノトリオを中心としたシンプルな編成での抑制された音。
 全体の空気感はコンテンポラリージャズ。
 しっとりとした音の流れのジャジーで静かなMPB。
 そんなサウンドの中をときに漂うように、時にソウルフルなブラジル定番、少しスモーキーで優しげな声。
 少し沈んだ感じがとてもクール。
 力が入りそうな音の流れの場面についても、するりと抜けていくような力まない歌。
 そんな場面や静かな場面はもちろん、シャウトな場面もなぜかうるさくない、暑苦しくない特別な歌。
 ファンクな今風のビートも織り交ぜつつ、ときおり登場するエレピの音がとてもカッコいい。
 楽曲も少々沈み気味、しっとり系のサウダージなカッコいいメロディ揃い。
 元気で明るいサウンドもいいのですが、彼女の声、歌にはこちらの少々ミステリアスなサウンドの方が似合っているようにも思います。
 名作です。
 さらに名作のアコースティックサンバ作品“Samba Meu” (2007)、現代的なブラジリアンポップス作品“Elo” (2011)へと続きます。 




posted by H.A.


【Disc Review】“Maria Rita” ‎(2003) Maria Rita

“Maria Rita” ‎(2003) Maria Rita

Maria Rita (Vocals)
Tiago Costa (Piano, Accordion, Electric Piano, Organ) Tom Capone (Banjo, Violin, Percussion) Fábio Sá (Bass) Marco da Costa (Drums, Percussion)
Marcus Teixeira, Eduardo Pereira, Jairo Diniz (Guitar) Léo Leobons, Da Lua (Percussion) Bocato (Trombone) and strings

MARIA RITA
MARIA RITA
WMI
2016-09-16


 アルゼンチンに続いてブラジル、南米系が続きます。
 現代MPBの女王Maria Ritaのデビューアルバム。
 さすがElis Reginaの娘さん、デビュー作から完璧なサウンドに完璧な歌。
 母上よりもスモーキーでしっとり系に振れた声。
 この時点で御歳おいくつだったのかは知りませんが、すでに完成されていて貫禄十分。
 上手さはもちろん、表現力も独特の雰囲気も、後々の作品と全く変わらないようにも思います。
 バックバンドの方がElis Reginaサウンドを意識していたようにも思える、それらしいソウル~ジャズ~サンバが入り混じるポップな音。
 なんとなくノスタルジックにも聞こえます。
 母上の音楽と同様にドカーンときそうな場面もそこかしこにあるのですが、娘さんの方はなぜかサラリと流れていきます。
 やっぱり似てないなあ・・・
 かどうかはさておき、そのサラリとした感じ、少しスモーキーな感じがクールな感じでカッコいい。
 とにもかくにも、満を持したゴージャスでいろんな色合いのサウンドにキャッチーな楽曲。
 それをさり気なくかわしてしまうような、サラリとした歌。
 母上とは質感は違えど、さすが天才スーパースターのDNAというか、なんというか・・・
 ブラジルの女性ボーカリスト、凄い人がたくさんいるのですが、ライブでの立ち振る舞いのカッコよさ、カリスマ性含めて、やはり21世紀のElis Reginaはこの人なのでしょうねえ。




posted by H.A.


【Disc Review】“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

“Flores de la Noche” (2017) Silvia Salomonem, Alfonso Bekes

Silvia Salomonem (voice) Alfonso Bekes (guitar)
Carlos “Negro” Aguirre (accordion, flute) Celina Federik (arpa, keyboard) Patricia Hein (cello) Luis Medina, Cristian Ávalos (guitar) Daniel Maza (bass) Lucas Solari (drums) Gonzalo Díaz (percussión) Maru Figueroa (voice)



 アルゼンチンのギタリストAlfonso BekesとボーカリストSilvia SalomonemのDuoアルバム。
 Shagrada Medraの最新作。
 Duoでの演奏を中心として、楽曲ごとに少人数の鍵盤、チェロ、木管が入れ替わりに加わる現代フォルクローレ、Shagrada Medraの定番サウンド。
 サラサラと水が流れるようなアルペジオに優し気な歌、ときおりの風のような弦、管楽器。
 ボーカルは透明度の高い声の可憐系、とても素直な声と歌。
 ゆったりと漂うようなフォーキーなバラードを中心として、アップテンポなファンク調、エレキギターを交えてちょっと強めの音でのフォークロック調などがアクセント。
 シンプルなようでいろんな音、色合いが複雑に絡み合いながら進む音。
 二人のオリジナル中心の楽曲は、少々のセンチメンタリズムが漂うナチュラルな郷愁感系。
 時折Carlos Aguirreの必殺技、ギターのユニゾンとコーラスワークの断片をちりばめながら、素朴に過ぎず洗練され過ぎない、絶妙のバランス。
 定番の現代フォルクローレ、そのフォーキーで優しい系。
 今の季節にはピッタリの音、でしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

"PAZ” (2002,2015,2016) Guillermo Rizzotto Trio

Guillermo Rizzotto (electric guitar)
Paco Weht (bass) Salvador Toscano (drums) 
Natsuko Sugao (trumpet) Carme Canela (voice)



 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのトリオでの作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)など、ガットギターでクラシック混じりの現代フォルクローレ・・・ってなイメージが強いのですが、本作はすべてエレキギターでのフュージョンミュージック。
 ボーカル曲は一曲のみで、基本的にはシンプルな編成、ジャズっぽい軽快なドラムにちょっと重めなエレキベースのギタートリオ。
 ギターはクリーントーンが中心ではあるものの、たくさんの場面でエフェクターを使い、歪んだ音、チョーキングの場面もそこそこ。
 Pat Metheny的ではなく、フォーク~カントリー的+ディレイの場面はBill Frisell的であったり、プログロッシブロックな場面もありますが、全体的には素直な感じでしょうか。
 ガットギター諸作同様の浮遊感、ゆったりした感じはいかにも南米的でもあるし、今の人風でもあるし。
 そこはかとなく漂う現実から遊離したような幻想的な感じもこの人の音の色合い。
 が、ビートがしっかり効いている分、ガットギター諸作の沈んだ感じは薄く、明るい色合い、躍動も強い音。
 楽曲もフォークロック調でポップなメロディ。
 ま、ロック、ポップスを聞いて育った今の世代の音なのでしょう。
 いろんな要素が入り混じるオーソドックスなようで不思議なテイスト。
 ガットギターの諸作とはまた違った印象なのですが、どこかのほほんとした穏やかな感じ、素朴な感じは同じですかね?
 ジャズでもロックでもフォルクローレでもない、ちょっとだけ不思議感が漂うフォークロックなフュージョンミュージック。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

“El sentido del paisaje” (2013) Guillermo Rizzotto

Guillermo Rizzotto (guitar)

El sentido del paisaje (Solo guitarra II)
Guillermo Rizzotto
Rip Curl Recordings
2013-04-18


 アルゼンチンのギタリストGuillermo Rizzottoのソロギター作品。
 “Solo guitarra” (2005,2011)、Duo作品“El paso del tiempo” (2009)と同じく穏やかで柔らかなガットギター。
 それら二作と比べると少しアップテンポ、躍動感が強い場面が増え、メロディの哀感が強くなったようにも感じますが、基本的な質感は同じ。
 少し沈んだ感じで淡々と紡がれる穏やかなメロディ。
 都会のカフェやバーな感じではなく、草原な音の流れ。
 全編センチメンタルですが、情熱や激情を表出する場面はありません。
 フォルクローレなナチュラルで優しい質感のところどころにスパニッシュな空気が流れるのは、アルゼンチンの空気感なのでしょう。
 これが都会のカフェやバーで流れているとカッコいいんだろうなあ・・・
 湿度が低くて爽やかで広々とした空間へのトリップミュージック。
 もちろん少々センチメンタルなサウダージ付き。




posted by H.A.
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