吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2018年03月

【Disc Review】“En Nosotros” (2013) Susana Ratcliff

“En Nosotros” (2013) Susana Ratcliff


Susana Ratcliff (voice, bandoneon)
Sebastián Gangi (piano) Sebastián Henríquez (guitar) Lucas Homer (bass) Ana Ponce (percussion)
Irene Cadario, Florencia Ciaffone (violin) Alejandro Becerra (cello)
Constancia Moroni (clarinet) Sebastian Tellado (flute)
Luna Monti, Juan Quintero, XOchitl Galan Molinet, Fito Hernandez Estrada, MarIa de los Angeles Ledesma (voice)



 アルゼンチンの女性バンドネオン奏者&ボーカリストSusana Ratcliffの現代フォルクローレ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 ピアノとギターを中心とした音の上を漂い跳ねるバンドネオンと、少しスモーキーなボイスでの柔らかくて優しい歌。
 さらに彩りを添える、定番の木管とストリングス。
 楽しげで優しげな音の流れは、フォルクローレな感じはもちろん、穏やかなタンゴな感じだったり、ブラジルのForroっぽい感じだったり、あるいはフランス、イタリアな感じだったりします。
 オリジナル曲にキューバ~南米のさまざまな楽曲に加えてCarlos Aguirreを一曲。
 どこか小さな町のカーニバルで聞こえてくるような楽曲が多いかもしれません。
 素朴で楽し気。
 もちろんうるさくはなく、穏やかです。
 少々ベタな哀歌も優し気な声、音で子守歌のようにも聞こえます。
 カリブ、あるいは地中海な香りも少々。
 全体を包み込むようなノスタルジックで懐かしげな空気感。
 明るくて楽しげな現代フォルクローレの一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Genealogia” (2013) Trio Gallo-Mendez-Pilar

“Genealogia” (2013) Trio Gallo-Mendez-Pilar


Ramiro Gallo (violin) Ernesto Mendez (guitar) Andres Pilar (piano)



 現代フォルクローレのインツルメンタルトリオ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 フォルクローレな編成ですが、全体のムードはスパニッシュ~イタリアン~南フランス~タンゴ。
 Diego Schissiあたりにも通じる、フォルクローレな空気感も強い現代のタンゴというか、タンゴの香りが強い現代フォルクローレというか。
 スパニッシュなギターに、転げまわるピアノ、跳びまわるバイオリン。
 現代フォルクローレとすると少々情熱的。
 悲し気なメロディは激情を発する・・・とまではいかずとも、情緒表現が直接的。
 強めのビートにメリハリのある音の流れ。
 計算しつくされているであろう複雑に変化するアンサンブル。
 三者が絡み合いながら激しくアップダウンする演奏を中心として、今にも止まりそうなスローテンポのとても悲しい表情のバラードまで、いろんな色合いが揃っています。
 なぜかイタリアや南フランスな感じもするのは気のせいでしょうか?
 アルゼンチンはスペインからの影響が強い、と思っていましたが、実は地中海系全てが繋がっていたのでしょうかね?
 そんなそこはかとないことを考えてしまう、ブエノスアイレス~アンデス、あるいは南米~南ヨーロッパを繋ぐような一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Sol y Luna” (2013) Lilián Saba, Marcelo Chiodi

“Sol y Luna” (2013) Lilián Saba, Marcelo Chiodi


Lilián Saba (piano) Marcelo Chiodi (flute, quena, soprano sax)
Juan Falú, Carlos Moscardini, Jorge Jewsbury, Roberto Calvo, Néstor Gómez, Juan Carlos Maddío (guitar)
Quique Ferrari, Ricardo Cánepa (contrabass) Matías González (bass) Horacio López (drums) Rubén Lobo, "Colo" Belmonte, Facundo Guevara (percussion)
Rubén "Mono" Izarrualde (flute) Néstor Tomassini (clarinet)
Liliana Herrero (vocal)

Sol Y Luna
Lilian Saba / Marcelo Chiodi
Shagrada Medra
2014-05-30


 アルゼンチンの女性ピアニストLilián Saba、管楽器奏者Marcelo Chiodi の現代フォルクローレ~アルゼンチンジャズ作品。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 ボーカル曲はゲストの一曲のみでインツルメンタルがメイン。
 とても穏やかなアンサンブル。
 二人の静かで穏やかな演奏にいろいろなゲストが彩りを加えていくスタイル、
 Carlos Aguirreほど切ない系ではなく、あっさりとしたセンチメンタリズム。
 二人のオリジナル曲その他の楽曲のメロディ自体はセンチメンタルなのですが、ピアノも管楽器も端正で素直、あっさりとした印象。
 木管の柔らかな響きと、クラシック、ジャズ、ポップスが入り混じる上品で穏やかな癖のないピアノの音の流れ。
 ベタつかない哀愁感が、ほどよい感じでジャジーな空気感を醸し出しています。
 スローな漂うような演奏を中心に、アップテンポも織り交ぜながら、インプロビゼーションのスペースもたっぷり。
 ドカーンとくるエキサイティング場面はありませんが、サラサラと流れていくような、爽やかで瑞々しい音の流れ。
 少し懐かし気な優しい音。
 ジャジーな現代フォルクローレ、あるいはフォルクローレ的ジャズの典型。
 部屋の空気が浄化され、湿度が少し下がるような・・・




posted by H.A.


【Disc Review】 “Lo Mejor de Cada Casa” (2013) Martin Sosa

“Lo Mejor de Cada Casa” (2013) Martin Sosa


Martin Sosa (guitar, piano, voice)
Luis Medlina, Marcelo Stenta (guitar)
Cristian Bortoli, Jorge Fandermole, Yusa, Willy Gonzalez, Mariano Ferrando (bass)
Maximiliano Moaglianese, Maiano Sosa, Juancho Perone (percussion) 
Jaun Carlos Baglietti (voice)
Martias Marcipar (clarinet, sax) Lina Goldsack, Elina Goldsack (flute) 
Ana Sune, Pamela Cuello, Jorge Fandermole, Natalia Perez, Silvia Calcagno, Analia Garcetti, Mauro Bertotti, Chany Suarez, Adrian Abonizio (voice) and others

 アルゼンチンのシンガーソングライターMartin Sosaの現代フォルクローレ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 アコースティックな楽器が優し気に響き、朗々歌う男声。
 フォーキーな色合いで、躍動感は少々強め。
 オリジナル中心のメロディはCarlos Aguirreほどは湿っぽくはなく、元気で明るい印象でしょう。
 ギターとパーカッションが絡み合う、エスニックで静かなサウンド。
 穏やかなビートとフォーキーで明るいメロディ。
 アルペジオ、例のCarlos Aguirre的ユニゾン、シングルトーン、その他諸々が交錯するギターのアンサンブルが全体のサウンドをしっかり作り、フルートやらクラリネットやらコーラスやらが優し気に彩りを加えていきます。
 明るくて淡々とした音の流れに、ほのかに漂うセンチメンタリズム。
 複数のギターでのアンサンブル、ユニゾンでのオブリガード、コーラスはあのCarlos Aguirreの世界。
 パーカッションとコーラスだけのアカペラ的な楽曲も何曲かあります。
 Carlos Aguirre的でありながらも明るい系、素朴な感じでフォーク寄り。
 十二分に洗練されていていろんな仕掛けがありますが、都会的ではなくあくまで自然体。
 オシャレになりそうでなり切らないところが、なんとも寛げます。
 とてもナチュラルなサウンドが心地よい一作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Lucas Nikotian, Sebastian Macchi” (2013) Lucas Nikotian / Sebastian Macchi

“Lucas Nikotian, Sebastian Macchi” (2013) Lucas Nikotian / Sebastian Macchi

Lucas Nikotian, Sebastian Macchi (piano)


Lucas Nikotian – Sebastian Macchi
Lucas Nikotian
bar buenos aires
2013-09-26






 アルゼンチンの二人のピアニストによるDuo作品。
 ジャズ、クラシック、現代フォルクローレが交錯するピアノミュージック。
 “Luz de agua” (2005) のSebastian Macchiはもちろん、 Lucas Nikotianもレーベル主宰のCarlos Aguirreの影響が強いのでしょう。
 クラシックの色合い、ヨーロッパの空気感も漂うピアノ。
 躍動感の強い演奏が多いのですが、うるさくなることも音がぶつかることもなく、音楽は穏やかに進んでいきます。
 Carlos Aguirre、あるいはブラジルのAndre Mehmariを想い起こすような二人のピアノ。
 タメを効かせて置かれていく音がセンチメンタルでもあり、繊細でもあり・・・
 このレーベル系の音楽、本拠地の立地も含めて川沿いミュージック?と呼ばれることがあるそうですが、本作もまさにそんな音。
 ゆっくりと静かに流れたり、淀んでみたり、飛び跳ねてみたり、速く激しく流れたり・・・さまざまな表情。
 楽曲を概ね分け合った二人のオリジナル曲は、表情は違えど穏やかで優し気なムードは変わりません。
 どこまでも続いていきそうな音楽ですが、最後は虫の音のようなSEと囁きボイス、シンセサイザーも絡めつつのPat Metheny、あるいはLyle Mays風に静かに、しかもドラマチックに幕。
 なるほど、そこにも繋がっているのか・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Trio Familia” (2012) Trio Familia

“Trio Familia” (2012) Trio Familia

Ana Archetti (piano, voice) Marcos Archetti (bass) Mariano Cantero (drums, percussion)
Ernesto Snajer, Diego Rolón, Mazin Silva (guitar)
Gabriel Grossi (harmonica) Ana Paula da Silva, Martín Raninqueo (voice)

 

 Aca Seca TrioのドラマーMariano Canteroとその奥様Ana Archetti、その兄Marcos Archettiのトリオでの現代フォルクローレ。
 Aca Seca Trioファミリーらしく躍動感ある系。
 動きの強いエレキベースにジャジーなドラム、女性らしくエレガントで穏やかなピアノ。
 それに楽曲によってギター、パーカッション、その他がゲストで加わってきます。
 そんな音を背景に乗ってくるボーカルは、可憐系の女声を中心として優しい系の男声。
 中空を漂うような幻想的なスキャット、それらが複雑に絡み合うオシャレなコーラス含めて、いかにも現代フォルクローレな音。
 Aca Seca Trioよりも優しくて優雅な感じがするのは、女性のボイス、穏やかなメロディ、アンサンブルゆえでしょう。
 ピアノはどことなくブラジルのEliane Eliasを想起するスムースなジャズの音。
 ポップでキャッチーな楽曲が揃っていますが、ジャズの香りも強いのは、うるさくないドラムゆえでしょうか。
 ジャズフュージョンなベースを含めて、心地よい柔らかなグルーヴ。
 明るくて前向き、若々しい雰囲気、シンプルに聞こえるようで要所でのちょっとこだわった感じの複雑な展開は、いかにも現代の若者の音。
 これ見よがしではないさりげなくドラマチックな展開、サンバ的な自然な高揚感を醸し出す場面もそこかしこに配置されています。
 もちろんどこか懐かしげなサウダージな空気感たっぷり。
 ブラジルだとジャジーMPBといった言葉がありますが、ジャジー・アルゼンチン・ポップスなんて言葉があるならば、そんな感じでしょう。
 平和で穏やか、上品なグルーヴたっぷり、ジャジーな現代フォルクローレ。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Luminilo” (2011) Juanjo Bartolome

“Luminilo” (2011) Juanjo Bartolome

Juanjo Bartolomé (voice, guitar)
Rolo Rossi (piano) Carlos Aguirre (Rhodes) Fernando Silva (bass) Diego Marizoni (voice, percussión) Diego Morini (percussión)
Claudio Bolzani (guitar, voice) Guadalupe Abero, Nicolás Spivak (voice)
Hernan Soria (violín) Magnolia (strings quartet)




 アルゼンチンのギタリスト~シンガーソングライターJuanjo Bartoloméの現代フォルクローレ。
 Quique Sinesiのお弟子さんとの話もあり、なるほど、ときおりエレキギターも交えつつの静かな音。
 中心となるのはギターと歌、コーラス。

 いくつかの楽曲でピアノ、ベース、パーカッション、ストリングスが彩りを付けていく形。
 レーベル主宰のCarlos Aguirreはエレピで二曲に参加しています。
 前面に立つボーカルは自身、“Luz de agua” (2005)のClaudio Bolzaniをはじめとして、男女含めて入れ代わり立ち代わり、いずれも儚い系。
 さらに全面で繊細なコーラスがフィーチャーされるあのスタイルですが、もっと素朴、もっと寂寥感が強い空気感。
 オリジナル曲中心の楽曲は、Carlos Aguirre調だったり、いかにも現代フォルクローレ調だったり、もっと素朴なフォーク調だったり、さまざまな表情。

 ポップな感じで始まりますが、先に進むにつれ、哀しげな表情に変わっていきます。
 多くがゆったりとしたテンポ、内省的で少し沈んだイメージ。

 繊細で儚げなCarlos Aguirreの世界なのですが、ハードボイルドで男性的、寂寥感強い系。
 あのオシャレなはずのCarlos Aguirre流コーラスが、静かに胸に迫って来るような切なさ。
 それでいてどことなくぶっきらぼうでルーズな感じがなんとも染みてきます。
 センチメンタルですが沈痛さはなく、穏やかで前向きなあのサウダージ。
 どこか遠くの懐かしい景色を眺めているような、ゆっくりと情景が遷り変わっていくような音。
 南米男の哀愁系現代フォルクローレ。
 こればっかりで恐縮なのですが、これまた名作。




posted by H.A.


【Disc Review】“Resonante” (2011) Luis Chavez Chavez

“Resonante” (2011) Luis Chavez Chavez

Luis Chávez Chávez (guitar)
Antonio Restucci (mandolin) Fernando Silva (cello, bass) Luciano Cuviello (drums) José Luis Viggiano (perccusión)
Carlos Aguirre (accordion) Sebastián Macchi (piano, Rhose) Juan Falú (guitar) Luis Barbiero (flute)
Ramiro Gallo (violin) Francisco Lo Vuolo (piano) Eugenio Zeppa (clarinet, claron) Leandro Drago (keyboard) Nahuel Ramallo, Gonzalo Díaz (perccusión)

 

 チリのギタリストLuis Chávez Chávezによる現代フォルクローレ・・・ではなさそうで、南米ジャズとも違って・・・何と申しましょうか・・・まあ、クラシック系・・・
 とにもかくにも、静かでメロディアスながら不思議感たっぷり。
 強い寂寥感と静けさに凄味すら漂う作品。
 Carlos AguirreSebastian Macchi , Fernando Silvaなどの有名どころを含めて、たくさんの人が参加していますが、基本的にはギターと楽曲ごとに入れ替わる少人数のサポートで進む、少し沈んだ感じの音。
 冒頭はギターとチェロが漂いながら絡み合う、静かながらハイテンション、哀し気なコンテンポラリージャズ風。
 続くは優雅で流麗なCarlos AguirreのアコーディオンとのDuo、切なげなSebastian Macchi, Fernando Silvaとのトリオ、寂しげなギターDuoのワルツ、穏やかな木管との絡み、Astor Piazzola的なバイオリンが唸るタンゴな演奏、などなど、さまざまな編成、さまざまな表情の演奏が続きます。
 いずれもキャッチーなメロディ、とても優雅な演奏なのですが、沈んだムードの音の流れ。
 そんな流れをそのまま引き継いで、後半は組曲”Rayuela”。
 そのタイトル曲、わずか三分半のワルツが凄い。
 今にも止まりそうなスローテンポ、遅れ気味に美しいメロディを置いていくギター、つつましやかにカウンターをあてるチェロと、これまた聞こえないほどにつつましやかなエレピと電子音。
 それだけ。
 それだけで数十作分の価値がありそうな素晴らしい演奏。
 これは鳥肌もの・・・
 クラシカル、ノスタルジックなようで、先端的。
 名作です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Anima” (2011) Ethel Koffman

“Anima” (2011) Ethel Koffman

Ethel Koffman (voice)
Leonel Lúquez (piano) Claudio Bolzani (guitar) Javier Allende (drums) Charly Pagura (bass) Jesús Olondriz (cello) Luis Giavón (oboe, clarinette)
Carlos Aguirre (accordion) Eugenio Zeppa (clarinet) Mariano Loiácono (trumpet)
Sandra Corizzo, Julián Venegas, Juan Carlos Baglietto (voice)
Rodolfo Marchesini, Virginia Llansa (violin) Paula Weihmüller (viola)



 アルゼンチンのボーカリストEthel Koffmanの現代フォルクローレ。
 明るくて、穏やかで、優し気で、懐かし気なポップス風味。
 少々ジャジー。
 リーダーはおそらくほどほどのベテラン、ちょっとスモーキーで低めの声。
 少し遅れ気味に声を置いていきつつベタつかない絶妙なバランスに、自然に抜けて、上に上がると自然に裏返る美しい歌。

 ピアノトリオ+ギターの現代の南米定番の編成に加えて、チェロ、木管楽器、アコーディオンの優し気な音、さらにコーラス、ジャジーなトランペットやらサックスやら、曲ごとにゲストが加わる形態。

 ときおり顔を出すストリングスの色付けを含めて極めて上品な質感。
 南米の古今の楽曲を選んだのでしょう。
 洗練されたCarlos Aguirreの曲ではない分、かえって素朴でナチュラル、懐かし気な感じ。
 ちょっと哀し気だけども、優し気で前向き、キャッチーなメロディが揃っています。
 管楽器、ピアノなどのインプロビゼーションが始まるとジャズな表情になりますが、優し気な空気感がいかにも南米フォルクローレ。
 ときおり現代的なビート感、ドラマチックな構成も顔を出しますが、包み込むようなボイスがどこか懐かし気なところへ引き戻している感じ。

 お国、言語は違えどブラジルのMonica Salmaso諸作を想い起こす質感は、どこかで何かが繋がっているのでしょう。
 南米系独特の柔らかなビート感、浮遊感に、南米系のサウダージ漂うキャッチーなメロディに、極めて上質な演奏。
 これまた名作です。
 ポップス系のShagrada Medraなら、本作が一番好みかも・・・?




posted by H.A.


【Disc Review】“Reflejos” (1997-2011) Daniel Nakamurakare

“Reflejos” (1997-2011) Daniel Nakamurakare

Daniel Nakamurakare (bass)
Edgardo Acuña (guitar) Adrián Fernández Fazio, Marcelo Macri (piano) Ricardo Fiorio, Lautaro Greco, Pablo Mainetti (bandoneon) Pablo Agri, Juan Roqué Alsina (violin) Pablo Rodríguez (percussion)




 おそらくアルゼンチン在住日系人による、現代タンゴ。
 Carlos AguirreのレーベルShagrada Medraから。
 少々重めのビート感、悲壮感も漂うようなメロディラインは、Astor Piazzolla的なイメージ。

 ってな感じでこのレーベルの現代フォルクローレのイメージとは雰囲気が異なります。
 さらに、ヨーロッパ系コンテンポラリージャズ的でもあるし、プログレッシブロック的にも聞こえます。
 Astor Piazzolla所縁のフォーマット。
 バイオリン、バンドネオン、ピアノが代わる代わる奏でる物悲しく深刻系のメロディとドラマチックな構成。
 音、ビートが上下左右に伸び縮みするバンドネオンと、激情を表出するバイオリン。
 そこまでは極めてAstor Piazzolla的なのですが、後方で、あるいはときおり前面に出るエレキベースのうねりが現代的。
 アンダーグラウンド的な妖しさもありながら、鬱屈した感じがしないのも微妙なバランス。
 むしろクールな質感、淡々とした哀感。
 それまた現代の音ならではなのかもしれません。
 フォルクローレとはまた違うアルゼンチン。
 クールな現代タンゴ。


 


posted by H.A.

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