“Ao Vivo No Auditório Ibirapuera” (2012) André Mehmari, Mário Laginha
André Mehmari, Mário Laginha (piano)
ブラジル、ポルトガルのスーパーピアニストのDuo、ライブ録音。
Mário LaginhaはスーパーボーカリストMario Joaoの夫君。
彼女、あるいは共同名義の作品で、しなやかで柔らかな質感ながら強烈な疾走感のピアノを弾いている人。
ポルトガル語圏のブラジルはもとより、アルゼンチン現代フォルクローレ系の“Andrés Beeuwsaert” (2015)でも楽曲が取り上げられていたり、どこか南米系と繋がっているのでしょう。
André Mehmariよりも一回り以上年上のはず、柔らかな音の使い方も共通していて、南米のピアニストに影響が大きい人なのかもしれません。
ピアノが二台の作品、音がぶつかってうるさくなるケースが無きにしも非ずなのですが、本作は違います。
私的には“An Evening With Herbie Hancock & Chick Corea In Concert” (1978) Herbie Hancock & Chick Coreaに並ぶ心地よいコンサート。
いずれも絶妙なバランス。
短いイントロダクションを経て、フォルクローレ的な優しさに溢れたAndré Mehmariの名曲”Lagoa Da Conceição”からスタート。
短いイントロダクションを経て、フォルクローレ的な優しさに溢れたAndré Mehmariの名曲”Lagoa Da Conceição”からスタート。
各人のオリジナル曲を中心に、とても優雅な音の流れ。
クラシックの色はそこそこ、ジャズ~フォルクローレ~MPB的な色合いが強い感じ、ゆったりとしたセンチメンタルなメロディが中心。
奇数拍子のフワフワとしたイメージが印象に残ります。
抑え目ながら、要所では跳びはね、短く高速フレーズを散りばめているのがAndré Mehmari、オーソドックスにまとめているのがMário Laginhaなのでしょう。たぶん。
いずれ劣らぬ名人芸。
バトルではなく、上品なアンサンブルと、ピリッと効いたオブリガード、強烈なインプロビゼーション、ときおりの疾走と高揚、その他もろもろの交錯、あるいは融合。
本作はもちろん、この二人が参加する作品はどれも名作です。