“Tongos” (2010) Diego Schissi Quinteto
Diego Schissi (piano)
Guillermo Rubino (violin) Santiago Segret (bandoneon) Ismael Grossman (guitar) Juan Pablo Navarro (contrabass)
Astor Piazzolla Quintetoと同じ楽器構成。
ギターが全編ガットギターなところは違うのですが、音楽そのものムードもAstor Piazzollaとは全く違う印象。
もちろんさまざまなところにAstor Piazzollaの影響を感じるし、全体のイメージはタンゴに他ならないのですが、質感は異なります。
現代音楽~クラシックな音の動きを中心として、フォルクローレな色合いの優しい音の流れ、さらにポップスなのか、ロックなのか、そんな現代的な色合いが混ざるタンゴ。
後のライブ作品”tipas y tipos – en vivo en café vinilo”(2012)のようにボイス、コーラスまでは入りらず、ハイテンションな色合い。
リーダーのピアノとベースが作る背景の上に、ガットギターが柔らかな空気を作り、バンドネオンとバイオリンがフロントに立つ。
そんな感じでしょうか。
もちろんタンゴらしく次々と展開するアンサンブル中心。
メロディは抽象度高めの淡い色合い。
Astor Piazzollaのような強烈な哀感はなく、むしろクールな感じ。
ロック、ポップスを経て、現代の空気感を吸収した若者が作る音楽の共通点なのでしょうかね。
フォーキーなギターが入るタンゴなんてあまりイメージできなかったもんね?
複雑な表現で激情を表現しつつも。ときどき優しく穏やか、あくまでクール。
そんなタンゴ。
そんなタンゴ。
posted by H.A.