吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2017年08月

【Disc Review】“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso

“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano, acordeon) Paulo Aragão (guitar) Neymar Dias (viola, bass)
Teco Cardoso (sax, fluete) Nailor Proveta (clarinete) 
Quarteto de Cordas Carlos Gomes, formado por Cláudio Cruz, Adonhiran Reis (violin) Gabriel Marin (viola) Alceu Reis (cello) and others

Corpo De Baile
Monica Salmaso
Imports
2014-08-19


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica SalmasoのGuinga作品集。
 現時点では最新作?、Guinga本人との共演作“Porto Da Madama” (2015) の少し前の制作でしょうか。
 ハスキーな声で沈み込むように歌うクラシカルなボイスと、妖し気なほどにムーディでセンチメンタル、さらに少々厭世的、幻想的にも聞こえるGuingaのメロディとの組み合わせ。
 サポートは少人数のコンボにストリングス。
 想像通りの静謐で優雅、少々妖し気な音。
 ここまでくるとMPBと分類してしまうのことに違和感があるかもしれないクラシカルな音の流れ。
 ストリングスがサポートの主役、フルート、クラリネットもクラシックのそれのように聞こえてきます。
 Guingaさん本人のギターとボイスだとどこか遠い所に連れていかれそうになる感じですが、このアレンジ、ボイスだとほどよく現世に踏みとどまっている感じでしょうか。
 それでも時折さり気なくつま弾かれる普通のギターの音が、なぜか別の時空から聞こえてくるようにも感じられるのは、Guingaさんのメロディゆえ、あるいはMonica Salmasoのボイスゆえでしょうか?
 メロディ、ボイス、バンド、ストリングスが一体となって醸し出す強烈な浮遊感。
 何気なく流していると、どこの国のいつの時代なのか、意識が曖昧になってくる、ほどほどの非現実感。
 現代のヒーリングミュージック、あるいは新手のトリップミュージック・・・になるかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso

“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice)
Maurício Carrilho (guitar) Paulo Bellinati (guitar) Pedro Amorim (Bandolim) Luciana Rabello (Cavaquinho) Webster Santos (guitar, Cavaquinho)
Benjamim Taubkin, André Mehmari (Piano) Toninho Ferragutti (accordion) Rodolfo Stroeter (bass)
Robertinho Silva, Ari Colares, Caito Marcondes (percussion) Jorginho do Pandeiro, Pedro Amorim (Pandeiro) Celsinho Silva, Gordinho (Tamborim) Luiz Afonso, Nivaldo Orsi (Clarones) Celsinho Silva (Reco-reco) Gordinho (Surdo) Paulino (Prato e faca) 
Teco Cardoso (flute, Baritone Sax) Nailor "Proveta" Azevedo (Clarinette, alto sax)
Luca Raele, Edmilson Nery, Sergio Burgani, Nailor "Proveta" Azevedo (Clarinette)
Marcelo Bernardes (flute) Iura Ranevsky, Lui Coimbra (cello)
Analimar, Ana Costa, Jurema de Cândia (voice)

Lala
Monica Salmaso
Imports
2016-04-15


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica Salmasoのポップス寄りの作品。
 っても元々ポップスの人なのでしょうから妙な表現なのですが、とても優雅で上品、静謐なMPB。
 おそらく同世代の当時の若手であろうたくさんのメンバーが参加していますが、楽曲ごとにメンバーを変え、あくまで少人数の編成でとても静かな音。
 “nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso 、“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari など、この時期の共演が多い、同じくブラジルのスーパーピアニストAndré Mehmariも数曲で参加し、あの上品ながらぶっ飛んだピアノを弾いています。
 直球サンバな曲も何曲かありますが、そのイメージの喧騒からはほど遠く、ボサノバの洗練、優雅さとも異質な洗練と優雅さ。
 クラシカルな空気感はChoro的であるのかもしれませんが、それら、さらにフォルクローレ、その他諸々の要素をフュージョンした現代の新型MPB。
 シンプルなようで、おそらく計算しつくされているのであろう、全く過不足のない音の密度と流れ。
 ちょっと触ると壊れてしまいそうな繊細さは、この人の作品の色合い。
 伝統的な楽器の響きとクラシカルな空気感ながら、なぜか現代的。
 楽曲はブラジルの巨匠たちの作品群。
 ジャケットはこの人にしては珍しくフツー、中身もこの人の諸作の中では一番明るくてカジュアル、ポップな方でしょう。
 もっともっとポップス寄りに振ったサンバやボサノバの方が一般受けはするのかもしれませんが、あくまでブラジルの伝統的な音、~少々クラシカル、沈みがちな奥深い声。
 現代のヒーリングミュージックの筆頭、少々ポップス寄り・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari

“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari
Jovino Santos Neto (piano, melodica, flute) Andre Mehmari (piano, harmonium, rhodes, bandolim)
Hermeto Pascoal (teakettle, melodica)

Guris
Jovino Santos Neto
Adventure Music
2017-07-21


 ブラジル人ピアニストJovino Santos Netoと、同じくAndre MehmariのDuo。
 Hermeto Pascoalの作品集。
 ブラジル系のアーティストにとって、Jobim、Joao Gilbertは言わずもがな、Egberto GismontiHermeto Pascoalも神のような人なのでしょう。
 ピアノ二台の音を基本として、フルート、メロディアなどで彩りを加える形。
 Hermetoさん本人も三曲ほどに参加し、得意の不思議な音を出してます。
 意外なのが二人のピアノの色合いが似ていること。
 大先輩方に敬意を払ってかどうか、Andre Mehmariが抑え気味なこともあるのでしょうが、随分落ち着いた演奏。
 実はJovino Santos Netoからの影響も小さくないのでしょうかね?
 子弟か兄弟のような、ぶつかることのない、自然な二台のピアノの絡み合い。
 でも、たまに高音でぶっ飛んだ音が聞こえるのは、いつものMehmariさんなのでしょうね・・・?
 ん・・・?
 基本的にはHermeto Pascoalの色合いのブラジリアンフュージョンというか、インスツルメンタルMPBなのだけども、全編を通じたジャジーなムード、要所でのクラシック香りは、Jovino Santos Neto、Andre Mehmariそれぞれの得意な色合いが出ている演奏、場面なのでしょう。
 Hermeto Pascoalのメロディの中でそれらが交錯する音の流れ。
 端正で上品、いろんな要素が交錯するピアノミュージック。
 ボッサやサンバとは違うけども、全体を漂う郷愁感。
 もちろんブラジル風味120%。





 Andre Mehmari参加作品、私が今知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 ジャズだろうがクラシックだろうが、何でも凄いピアノを弾いてしまう人。
 当然、駄作なし。
 徐々にジャズ色が薄くなり、クラシックっぽさ、またタッチが強くなってきているようにも聞こえます。
 私的にはオムニバス盤“Veredas”あたりまでの柔らかい音楽、ピアノが一番好み。
 もちろん近作も格調高くて素晴らしいのですが。

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
“Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
“Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Naissance” (2012) François Morin
Afetuoso” (2011)
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2012)
"Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
“Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto

posted by H.A.




【Disc Review】“Partir” (2015) Fabiana Cozza

“Partir” (2015) Fabiana Cozza
Fabiana Cozza (voice)
Swami Jr. (7strings guitar) Jurandir Santana (guitar) Marcelo Mariano (bass) Douglas Alonso (drums) Felipe Roseno (percussion) 
André Mehmari (piano) and others

パルチール(PARTIR)
ファビアーナ・コッツァ
ALMA BRASILEIRA
2015-09-16


 ブラジルのサンビスタ(サンバを歌う人)Fabiana Cozzaの現代サンバ。
 正直、リーダーについての詳しい情報はもっておらず、André Mehmariの参加に惹かれて聞いた作品。
 当のAndré Mehmariの参加は一曲のみでアレレ・・・?
 さておき、ソウルフル&しっとり系の歌が映える、ナチュラル系、しっとり系のサンバアルバム。
 ギター、ベースとパーカッションが背景を作り、エレキギター、カバキーニョ系の弦楽器が彩りを加える構成。
 うるさくなく、あくまで上品で静かな音。
 エレキギターがちょっと変わっていて、クリーントーンながら少し前のクリエイティブ系ロックな感じで、新しいんだか、古いんだか、いい感じの不思議感のアクセントになっています。
 カバキーニョっぽくエレキギターを弾いているのかな?
 そんな音を背景にして、堂々としたしっとりボイス。
 楽曲はおそらく伝統曲が中心なのだと思いますが、現代の人も混ざっているのでしょう。
 さり気なく、Gisele_De_Santiなんて名前もあり、それはいかにもそんな感じの現代的でポップなしっとり系なので、同姓同名ではないのでしょう・・・?
 そんなちょっとノスタルジックないいムードと、現代の香りが交錯する構成。
 André Mehmariの参加曲はサンバではなく、フォーキーなバラード。
 ついついぶっ飛んだサンバを期待してしまうのですが、そちらは全編それの“Três no Samba” (2016) Eliane Faria, André Mehmari, Gordinho do Surdoで聞くとしましょう。
 いつもの零れ落ちるようなピアノ。
 控え目な演奏ですが、上品にぶっ飛んでいます。
 ともあれ、他はいい感じの現代サンバ、しっとり系。
 陽気で楽し気なようで、ほのかな哀愁が漂う、本場のサンバ、共通の空気感。
 Mehmariさんの事は忘れて、それを楽しみましょう。




posted by H.A.


【Disc Review】“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014) Andre Mehmari

“Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014) Andre Mehmari
Andre Mehmari (piano)
Neymar Dias (bass) Sérgio Reze (drums)

Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul
Andre Mehmari アンドレメーマリ
Estudio Monteverdi
2014-10-05


 Andre Mehmari、ブラジルのピアニスト、作曲家Ernesto Júlio Nazarethの作品集。 
 ソロピアノ(+α)。
 Ernesto Júlio NazarethはブラジルのChopin、あるいはブラジルのScott Joplinと呼ばれている人のようです。
 もちろんクラシック中心の作品。
 クラシックについては全く疎いので、その観点での善し悪し、その他諸々は分かりません。
 が、とても優雅でジャズの耳にとっても素敵な音楽。
 微妙なタメと強烈な疾走が交錯する音の流れ。
 全くのクラシック作品ですがAndre Mehmariの音楽だなあ・・・と思います。
 もちろん彼のルーツの大きな部分がErnesto Nazarethなのでしょう。
 初期の作品からクラシックの色合いは強いのですが、近年はそれが強くなっているようにも感じます。
 バラード的なスローテンポな曲もちろん、Scott Joplinよろしくラグタイムっぽかったり、コミカルだったり、決して高尚な感じでだけでもなく、ノスタルジックな香りをふりまきつつ進む音楽。
 ・・・と思っていたら、終盤に乱入するドラム、ベース、エレピのアバンギャルド一歩手前~ジャズピアノトリオな演奏。
 とても素敵です。
 こんな音が低く流れているカフェがあれば最高です。
 さて、私もいつかクラシックを好んで聞く日が来るのでしょうか・・・?
 さて・・・?


※ライブ映像から。


posted by H.A.


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