吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2017年08月

【Disc Review】“Nik Bärtsch's Ronin Live” (2009-11) Nik Bärtsch's Ronin

“Nik Bärtsch's Ronin Live” (2009-11) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (alto saxophone, bass clarinet, contrabass clarinet) Thomy Jordi, Björn Meyer (bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)

Nik Bartsch's Ronin: Live
Nik Ronin Bartsch
Ecm Records
2012-10-02


 スイスのピアニストNik Bärtschのライブアルバム。
 ECMで “Stoa” (2005), “Holon” (2007), “Llyria” (2010)といった作品を制作したバンドNik Bärtsch's Roninの集大成的な意味合い、それらのアルバムからのベストな選曲、各国でのステージからのベストな演奏のチョイスなのでしょう。
 もちろんファンクなビートと徹底したリフの繰り返しを中心とした、少々ダークなミニマル・ファンク・ジャズ。
 どこに入るか全く予想できないブレークを含めた複雑でポリリズミックなファンクビートと、これまた複雑なアンサンブル。
 音の構成はスタジオ録音諸作と同様なのですが、それらのどこか電子的で硬質なビート感と比べると、柔らかで、よりナチュラルなグルーヴが強調されているようにも感じます。
 さらにスタジオ録音作品ではあまりないジャズ的なインプロビゼーションの場面もそこそこの時間。
 ベースのソロから始まり、うねうねと動き回るそれと、静かだけども変幻自在のドラムを背景にかき回されるピアノ・・・
 前作"Llyria" (2010)はジャズ色も強い静かな感じでしたが、“Stoa” (2005), “Holon” (2007)のデジタル世代、現代のトランスミュージックっぽい雰囲気は薄くなっているようにも。
 それらここまでの三作の色合いを集約したようにも思われます。
 もちろん不思議感、徹底されたリフレインによる陶酔感と、じわじわと盛り上がっていく高揚感はそのままなのですが、微妙な空気感の違いが面白いところ。
 作品が新しくなるにつれ柔らかくなってきているようにも感じられ、この時点での最近作“Llyria” (2010)の流れがそのまままLiveで・・・といった感じでしょうか。
 このバンドの特徴であろう硬質でクールな質感がより強い方がよければ、“Stoa” (2005), “Holon” (2007)の方がよいのでしょうかね?
 そのあたりはお好み次第。
 クールな現代的トリップ&グルーヴミュージック、そのナチュラル&しなやかバージョン・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】"Llyrìa" (2010) Nik Bärtsch's Ronin

"Llyrìa" (2010) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (bass clarinet) Björn Meyer (6-string bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)

Llyria
Nik Bartsch's Ronin
Ecm Records
2010-10-12


 スイスのピアニストNik BärtschのECM第三作。
  “Stoa” (2005), “Holon” (2007)と同様のミニマルファンクジャズ。
 いつも通りの複雑なビート、不思議系な音階のクールで無機質な質感のリフの繰り返しを中心としたミニマル的なファンクではあるのですが、前掲の二作とは少々雰囲気が異なります。
 落ち着いているというか、沈んだ感じというか、静かというか、ゆるいというか、有機的な感じが強く出ているというか、ジャズっぽくなったというか・・・
 冒頭の“Modul 48”は妖しい感じはそのままに、浮遊感が強くてなんだか優しい感じ、ホーンのインプロビゼーションのスペースもそれなりに。
 続く“Modul 52”もインプロビゼーションらしい場面はありませんが、ホーンがリードしつつ軽快です。
 もちろん甘いメロディなどはありませんが、終始静かで穏やかな表情。
 ドカーンとはこない分、逆に複雑でヒタヒタと迫ってくるようななグルーヴを叩き出すドラムとベースの絡みがよく見えて、よりカッコよく聞こえるように思います。
 締めに向けた“Modul 51”のウネウネと動くベースラインがとてもカッコいいし、最後の”Modul 49_44”も少し沈みがちな変化自在なファンク。
 おっと、確かにこれは”Ronin”,”Zen_Funk”な看板に相応しい日本的な音階だし、そんな展開がアルバムのそこかしこに・・・
 そんなこんなでいつも通りにダークながら、浮遊感強めで、ちょっと軽め、ちょっと沈みがちの不思議なバランス。
 ハイテンション好みな人は“ “Stoa” (2005), “Holon” (2007)、より静かな感じがよければ本作・・・かな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Stoa” (2005) Nik Bärtsch's Ronin

“Stoa” (2005) Nik Bärtsch's Ronin
Nik Bärtsch (piano, electric piano)
Sha (bass clarinet, contrabass clarinet) Björn Meyer (6-string bass) Kasper Rast (drums) Andi Pupato (percussion)

Stoa
Nik Bartsch
Ecm Records
2006-05-02


 スイスのピアニストNik BärtschのECM第一作。
 ミニマル・ファンク・ジャズとでも呼ばれているのでしょうか?
 Ronin(浪人)もさることながら、“Zen(禅)Funk”なる呼び方もあるようで、日本的なイメージも強く持っているのでしょう。
 果たして日本的な音かどうかはさておき、少々妖し気、不思議系で悲し気なリフと、ファンクなビートの組み合わせ。
 それを徹底的に繰り返すのがこの人の音楽。
 ファンクやエレクトリックMiles諸作と構造的には近い感じもする・・・ってなのは古い感覚で、全く違う複雑なビートとクールで無機質な空気感。
 映画"エクソシスト"を時代の流れの中で経験した世代としては、そのテーマ"Tubular Bells" (1973) Mike Oldfieldを想い起こします。
 その方向には明るくありませんが、その流れ、ミニマル、テクノの色合いを強く取り入れたジャズ、といったところなのでしょう。
 複雑なビートはなぜか硬質で電子ビートっぽくも聞こえるし、全体のムードはプログレッシブロックっぽくも聞こえるのだけども、あくまでアコースティックな静謐系ジャズ。
 そんな微妙なバランスの組み立て。
 インプロビゼーションの場面は少なく、アンサンブル中心。
 フロントのピアノやバスクラではなく、むしろウネウネと動くファンクなエレキベースと、定常なようで微妙に変化し続け、意外なところに入るアクセントが入る変幻自在のドラムの方が印象に残る不思議なバランス。
 そんな組み立てでの徹底的なリフの繰り返し。
 単調なようで少しずつ景色が変わっていくような不思議な楽器の絡み合い。
 あくまでクールな音の流れ。
 が、徹底したリフレインは、ファンクやゴスペル、エレクトリックMiles、あるいはサンバと同様に陶酔感を誘い、徐々に盛り上がっていく高揚感、疾走感。
 それがジャズとは異質な心地よさ。
 デジタル世代、クラブ世代、ゲームミュージック世代、現代のトランス&グルーヴミュージック。
 その界隈で人気なのもさもありなん。
 次作“Holon” (2007)へと続きます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso

“Corpo de Baile” (2014) Monica Salmaso
Monica Salmaso (voice) 
Nelson Ayres (piano, acordeon) Paulo Aragão (guitar) Neymar Dias (viola  caipira, bass)
Teco Cardoso (sax, fluete) Nailor Proveta (clarinete) 
Quarteto de Cordas Carlos Gomes, formado por Cláudio Cruz, Adonhiran Reis (violin) Gabriel Marin (viola) Alceu Reis (cello) and others

Corpo De Baile
Monica Salmaso
Imports
2014-08-19


 ブラジル、サンパウロのボーカリストMonica SalmasoのGuinga作品集。
 現時点では最新作?、Guinga本人との共演作“Porto Da Madama” (2015) の少し前の制作でしょうか。
 ハスキーな声で沈み込むように歌うクラシカルなボイスと、妖し気なほどにムーディでセンチメンタル、さらに少々厭世的、幻想的にも聞こえるGuingaのメロディとの組み合わせ。
 サポートは少人数のコンボにストリングス。
 想像通りの静謐で優雅、少々妖し気な音。
 ここまでくるとMPBと分類してしまうのことに違和感があるかもしれないクラシカルな音の流れ。
 ストリングスがサポートの主役、フルート、クラリネットもクラシックのそれのように聞こえてきます。
 Guingaさん本人のギターとボイスだとどこか遠い所に連れていかれそうになる感じですが、このアレンジ、ボイスだとほどよく現世に踏みとどまっている感じでしょうか。
 それでも時折さり気なくつま弾かれる普通のギターの音が、なぜか別の時空から聞こえてくるようにも感じられるのは、Guingaさんのメロディゆえ、あるいはMonica Salmasoのボイスゆえでしょうか?
 メロディ、ボイス、バンド、ストリングスが一体となって醸し出す強烈な浮遊感。
 何気なく流していると、どこの国のいつの時代なのか、意識が曖昧になってくる、ほどほどの非現実感。
 現代のヒーリングミュージック、あるいは新手のトリップミュージック・・・になるかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari

“Guris” (2016) Jovino Santos Neto, Andre Mehmari
Jovino Santos Neto (piano, melodica, flute) Andre Mehmari (piano, harmonium, rhodes, bandolim)
Hermeto Pascoal (teakettle, melodica)

Guris
Jovino Santos Neto
Adventure Music
2017-07-21


 ブラジル人ピアニストJovino Santos Netoと、同じくAndre MehmariのDuo。
 Hermeto Pascoalの作品集。
 ブラジル系のアーティストにとって、Jobim、Joao Gilbertは言わずもがな、Egberto GismontiHermeto Pascoalも神のような人なのでしょう。
 ピアノ二台の音を基本として、フルート、メロディアなどで彩りを加える形。
 Hermetoさん本人も三曲ほどに参加し、得意の不思議な音を出してます。
 意外なのが二人のピアノの色合いが似ていること。
 大先輩方に敬意を払ってかどうか、Andre Mehmariが抑え気味なこともあるのでしょうが、随分落ち着いた演奏。
 実はJovino Santos Netoからの影響も小さくないのでしょうかね?
 子弟か兄弟のような、ぶつかることのない、自然な二台のピアノの絡み合い。
 でも、たまに高音でぶっ飛んだ音が聞こえるのは、いつものMehmariさんなのでしょうね・・・?
 ん・・・?
 基本的にはHermeto Pascoalの色合いのブラジリアンフュージョンというか、インスツルメンタルMPBなのだけども、全編を通じたジャジーなムード、要所でのクラシック香りは、Jovino Santos Neto、Andre Mehmariそれぞれの得意な色合いが出ている演奏、場面なのでしょう。
 Hermeto Pascoalのメロディの中でそれらが交錯する音の流れ。
 端正で上品、いろんな要素が交錯するピアノミュージック。
 ボッサやサンバとは違うけども、全体を漂う郷愁感。
 もちろんブラジル風味120%。





 Andre Mehmari参加作品、私が今知る限り。
 他にもたくさんあるのでしょう。
 ジャズだろうがクラシックだろうが、何でも凄いピアノを弾いてしまう人。
 当然、駄作なし。
 徐々にジャズ色が薄くなり、クラシックっぽさ、またタッチが強くなってきているようにも聞こえます。
 私的にはオムニバス盤“Veredas”あたりまでの柔らかい音楽、ピアノが一番好み。
 もちろん近作も格調高くて素晴らしいのですが。

edição comemorativa: 10 anos de lançamento” (1998) with Celio Barros
 “Forcas D'Alma” (1999) Tutty Moreno 
nem 1 ai” (2000) Monica Salmaso
“Canto” (2002)
 “Áfrico” (2002) Sérgio Santos
Lachrimae” (2003) 
Piano e Voz” (2004) with Ná Ozzetti
 “Ia Ia” (2004) Monica Salmaso
 “Sergio Santos” (2004) Sergio Santos
Continuous Friendship” (2007) with Hamilton de Holanda
 “Io So” (2007) Sergio Santos
de arvores e Valsas” (2008)
Veredas” (2006-2008) Omnibus
Miramari” (2008) with Gabriele Mirabassi 
 “Nonada” (2008) with Rodolfo Stoeter, Tutty Moreno, Nailor Proveta, Teco Cardoso
 “Litoral e interior” (2009) Sérgio Santos
Gimontipascoal” (2009, 2010) with Hamilton de Holanda
 “Antonio Loureiro” (2010) Antonio Loureiro (一曲のみ)
Canteiro” (2010, 2011)
Afetuoso” (2011)
 “Naissance” (2012) François Morin
Triz” (2012) with Chico Pinheiro, Sérgio Santos 
“Orquestra A Base De Sopro De Curitiba e André Mehmari” (2012)
"Macaxeira Fields" (2012)  Alexandre Andrés
 "Sunni-E" (2012) Renato Motha & Patricia Lobato (一曲のみ)
Arapora” (2013) with Francois Morin
Tokyo Solo” (2013)
“Angelus” (2013)
Ao Vivo No Auditorio” (2013) with Mario Laginha
Ernesto Nazareth Ouro Sobre Azul” (2014)
 ”Caprichos" (2014) Hamilton de Holanda (一曲のみ)
As Estacoes Na Cantareira” (2015)
 “Partir” (2015) Fabiana Cozza (一曲のみ)
"MehmariLoureiro duo" (2016) with Antonio Loureiro
Três no Samba” (2016) with Eliane Faria, Gordinho do Surdo
Guris” (2017) with Jovino Santos Neto
Am60 Am40” (2017) with Antonio Meneses
Serpentina” (2017) with Juan Quintero, Carlos Aguirre
Dorival” (2017) with Tutty Moreno, Rodolfo Stroeter, Nailor Proveta
"Macieiras” (2017) Alexandre Andrés


posted by H.A.




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