吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2017年03月

【Disc Review】“Polska” (2013) Możdżer, Danielsson, Fresco

“Polska” (2013) Możdżer, Danielsson, Fresco
Leszek Możdżer (piano, celesta, vibraphone, synth) Lars Danielsson (cello, bass) Zohar Fresco (percussion, vocal) and Orchestra

Polska
Leszek Mozdzer
ACT
2013-12-25
レシェック モジジェル
 
 ヨーロッパのスーパーピアノトリオ、“The Time”(2005)、“Between Us & The Light” (2006)に続く第三作。
 間にライブ作品“Live” (2005,2006)もありますが、かなり間を空けての作品のようです(?)。
 前の作品まではポーランドのレーベルからでしたが、本作はドイツのACT。
 ACTでこのトリオでは初めてですが、“Tarantella”(2009) Lars Danielsson、“Komeda”(2011)Leszek Mozdzer、"The Last Set" (2012) Walter Norris & Leszek Mozdzerなど、さまざまな作品をACTで制作しています。
 レーベルは変わりましたが、トリオの色合いは変わりません。
 穏やかで美しい、でもちょっと不思議系のヨーロピアンジャズ。
 Leszek Mozdzerの作品よりも穏やかなことはもちろん、Lars Danielsson諸作よりも穏やかでしょう。
 録音の感じは、少し丸くなったイメージでエコーもたっぷり。
 あのカミソリのようなピアノが少々マイルド、とても心地よい音。 
 相変わらずLeszek Mozdzerのクラシックの香りとアグレッシブさ、Zohar Frescoのエキゾチシズムと寂寥感、郷愁感、Lars Danielssonのセンチメンタリズムが交錯する音。
 本作は冒頭から敬虔なムードが漂う音。
 この色合いはLeszek Mozdzer、Lars Danielsson諸作にはあまり無かったかな?
 近年ECMあたりではGeorges I. GurdjieffやJalaluddin Rumiあたりの宗教系、教会系、精神性系がプチブーム?な感もありますが、そんな空気が漂います。
 澄み切ったとてつもなく美しいピアノが静かに流れ、Zohar Frescoのボイスが乗ってくるとさらに幻想的なムード。
 どこか遠い所に連れて行ってくれそうな音。
 そんな色合いは冒頭のみのようで、中盤までいつものLeszek Mozdzer、Zohar Frescoの淡い色合い、寂し気で不思議なムードぼ演奏が続きます。
 が、中盤、Lars Danielssonの曲になると一気にメロディアスで浮世に戻った感。
 本作でも二曲のみですが、さすが北欧哀愁小説的音楽の巨匠。
 いつもセンチメンタルでロマンチック、少々沈痛。
 ジャズにはこだわりがなさそうでシレっとどこかに飛んで行ってしまいそうな若手の二人を現実に引き戻す役回り・・・かどうかはわかりませんが、そんなとても素敵なバランス。
 冷たいピアノと暖かいパーカッションとメロディアスなベーシスト。
 これまた素敵なバランス。
 Leszek Mozdzer、普通にヨーロピアンジャズが聞きたければLars Danielssonの作品、ぶっ飛んだピアノが聞きたければリーダー作、ちょっと淡くて妖しげなのを聞きたければ本トリオ。
 ジャズジャズしていないところ、エキゾチシズムと淡々とした独特のクールネスが新しい感じなのだと思うし、普通のジャズピアノトリオには食傷気味の耳にはとても心地よいバランス。
 最後は一曲のみオーケストラ入りの“Are you Experienced?”。
 もちろんJimi Hendrix。
 妖しさ全開、かつクラシカルで高尚な演奏。
 なんだか凄い人たち。




posted by H.A.


【Disc Review】“Between Us & The Light” (2006) Możdżer, Danielsson, Fresco

“Between Us & The Light” (2006) Możdżer, Danielsson, Fresco
Leszek Możdżer (piano, keyboards) Lars Danielsson (cello, bass) Zohar Fresco (percussion, vocal)
 
Between Us & The Light
Mozdzer Danielsson Fresco
Imports
2015-10-23
レシェック モジジェル

 ヨーロッパのスーパーピアノトリオ、“The Time”(2005)に続く第二弾、になるのだと思います。
 本作も淡くて穏やか、静謐なコンテンポラリージャズ。
 切ないメロディの楽曲群、少々の妖しさ、インプロビゼーションというよりもアンサンブルを中心にしたこのトリオの色合い。
 ドラムではなく、パーカッションなことが、なんともいえない淡い感じを醸し出しているように思います。
 冒頭からとても悲し気なLeszek Możdżerのメロディ。
 Leszek Możdżerはもちろん、 Lars Danielssonにもたっぷりのソロスペースがあるのですが、激しくは弾きません。
 静かな音の流れの中で響くパーカッションの乾いた音が寂寥感を醸し出します。
 もちろん強烈なインプロビゼーションの場面もあるのですが、各人のリーダー作ほどではなく、バンドが一体となったサウンドを重視しているように聞こえます。
 “The Time”(2005)と同様にLeszek Możdżer、Zohar Frescoの曲が多く、Lars Danielssonは二曲のみ。
 北欧の親分Lars Danielssonのメロディは甘くてとても素敵なのですが、若手二名の現代的なクールな質感、そこはかとないエキゾチシズムが強い構成。
 時折のZohar Frescoの幻想的なボイスがいい感じのアクセントになっているのも“The Time”(2005)と同様。
 透明度が高くとても美しいLeszek Możdżerピアノは、刃物のように周囲を切り裂いていくイメージのリーダー諸作とは違って、空からキラキラと舞い降りてくる感じ、あるいは穏やかに周囲を舞っている感じ。
 さらにLars Danielssonの落ち着いたベース。
 全曲とても切なげで悲し気なメロディですが、なぜか湿っぽさ、悲壮感はありません。
 クールで穏やかな寂寥感。
 前作“The Time”(2005)を最初に聞いた際、もっと弾いて欲しいと思ったのですが、実はこのくらい弾かないのがいいのかもしれません。
 どこか懐かしい穏やかな世界に連れて行ってくれるトリップミュージック。
 やはり特別な人たちによる特別なバンド、とても素敵なアルバムです。




posted by H.A.


【Disc Review】“Solo in Ukraine” (2000,2001) Leszek Mozdzer

“Solo in Ukraine” (2000,2001) Leszek Mozdzer
Leszek Mozdzer (Piano)
 
Solo In Ukraine
Leszek Mozdzer
GOWI Records
2003
レシェック モジジェル

 ポーランドのピアニストLeszek Mozdzer、ソロピアノでのライブ録音。
 Chopinの曲とオリジナルのジャズ曲、ジャズ演奏をフュージョンしたステージ。
 第一印象はクラシック色も強いのですが、気が付けば強烈なジャズが鳴っている変幻自在のピアノ演奏。
 “Piano” (2004) Leszek Mozdzer、"Pasodoble” (2006,2007) Lars Danielsson & Leszek Możdżerあたりとも時期が近く、ポーランドのスーパースターから、ヨーロッパ全土、世界へ展開を始めた時期でしょうか?
 クラシックには疎く、これがクラシックとしてどうなのかはわかりませんが、ジャズの耳で聞いてとても素晴らしい、いや、とてつもなく凄いピアノ。
 冒頭からChoipnの優雅なメロディ、クラシック的な演奏と、強烈なジャズ的なインプロビゼーションが交互に現れる展開。
 加速と減速、ジャズとクラシックとジャズが交錯する演奏そんな展開が続きます。
 数曲のオリジナル曲はジャズ度が強いのですが、それもなぜか同じ印象。
 終盤に置かれたアップテンポな“Maiden Voyage”も然り。
 指に加速装置が付いているとしか思えないようなフレーズの連発。
 唖然とするような凄まじいまでの音の流れが続きます。
 音数は多めなのでしょうが、それでいてうるささや押しつけがましさ、いやらしさは全く感じさせない優雅な演奏。
 後のACT諸作のような氷のような冷たさ、カミソリのような鋭利さはここではほどほど。
 基本的には丸くて上品な音を中心として、要所で例のピキーン、パキーンとした音がくるのが気持ちいいなあ。
 録音の影響も大きいのでしょうが、本作ぐらいが楽に聞けるいいバランスなのかもしれません。
 この人、“The Time”(2005)Leszek Mozdzer, Lars Danielson, Zohar Frescoなどのトリオ作品になると、あるいは"Pasodoble” (2006,2007)などのDuo作品でも、妙におとなしくなってしまう感が無きしもあらず。
 本領発揮、スーパーピアニストぶりを聞くには、やはり自由なソロ作品でしょうかね。
 近年のピアニスト、Marcin WasilewskiTigran HamasyanHelge Lienあたりが人気で、実際に凄いのですが、私的にはこの人の鋭さ、繊細さのバランスが最も好み。
 上品さと激しさがいい感じでフュージョンした凄いピアノ作品。

 この種の東欧系のアルバム、ACTECMの有名レーベルでないものは、日本での流通も少なく、廃盤になるのも早いのが残念至極。
 南米系も然り。
 本作、前掲の“Facing the wind” (1996) David Friesen & Leszek Możdżer含めて素晴らしい作品がたくさんあるので、流通経路、誰か作ってくれませんかね。

※別の作品から。


posted by H.A.


【Disc Review】“Facing the wind” (1996) David Friesen & Leszek Możdżer

“Facing the wind” (1996) David Friesen & Leszek Możdżer
Leszek Możdżer (piano) David Friesen (bass)
 
Facing The Wind
David Friesen
Power Bros Records
1997
レシェック モジジェル
デビッド フリードセン


 ベテランベーシストDavid Friesenと、当時は若手売り出し中だったであろうポーランドのLeszek MożdżerのDuo作品。
 David Friesenはアメリカ人ですが、ヨーロッパでの活動が多いようで、ポーランドのレーベル?からのようです。
 全体の質感は、とても美しく、穏やかでしっとりとしたヨーロピアンジャズ。
 ECM的な妖しい場面、ハイテンションな場面もしばしば登場しますが、アバンギャルドさ、難解さは全くありません。
 両者のオリジナル曲が半々に”Nefertiti”。
 Leszek Możdżerはこの時点で既に他の人とはちょっと違う感じのスーパーピアニストぶりを発揮していますが、後の諸作と比べるとまだまだ穏やかなジャズピアノ。
 激しさ、過激さが前面に出ていない分、かえって聞きやすいかもしれません。
 冒頭は淡くて優雅なワルツ。
 この期ではBill Evansっぽさが強い感じでしょうかね・・・?と思っていたのは冒頭曲のみ。
 やはりこの期から凄いピアノ。
 何の迷いも乱れもない高速なフレーズ連発。
 強烈な加速感ながらなぜか枠の中にピッタリと納まってしまう心地よさ。
 もちろん相方のDavid Friesenも凄い演奏。
 いかにもウッドベースな深い音、ピッタリと寄り添いながら加減速に対応するサポートに、たっぷりのエコーが効いたアルコを駆使した幻想的な音作りまで、こちらもスーパーなベース。
 普通にスウイングする曲から、幻想的なルバート的なバラードまで、素晴らしい演奏が続きます。
 Lars Danielssonよりも相性がよかったりして・・・そんなこともないか?
 もう二十年も前の録音、甘めの美曲が無い分地味と言われればそうなのかもしれませんが、素晴らしいベース、ピアノがたっぷり聞ける隠れた名作。




posted by H.A.


【Disc Review】“There Must Be a Better World Somewhere” (1981) B.B. King

“There Must Be a Better World Somewhere” (1981) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocals)
Dr. John (Keyboards) Wilbur Bascomb (Bass) Pretty Purdie (Drums)
Hugh McCracken (Rhythm Guitar)
Hank Crawford (Alto Sax) David "Fathead" Newman (Tenor Sax) Ronald Cuber (Baritone Sax) Tom Malone (Trombone) Waymon Reed, Charlie Miller (Trumpet)
Donny Gerrad, Carmen Twillie, Vennette Gloud (Background vocals)
 
There Must Be A Better World Somewhere
B.B. King
Beat Goes On
2002-04-08
B.B.キング

 B.B. King、Dr. Johnとのコラボレーション、ニューオリンズファンクな一作。
 Crusadersとの“Midnight Believer” (1978)、“Take It Home” (1979)と同じ路線かもしれませんが、よりジャジーな感じでしょうか。
 冒頭からリラックス度120%のジャズバラード。
 ニューオリンズファンクなバラードの方が正解なのかな?
 ゆるゆるのホーンに例の艶々なボイスとギター。
 気合が入ったボイスが聞こえても、ふにゃー・・・と全身から力が抜けていくような心地よさ。
 こりゃ最高。 
 以降はいかにもDr. Johnなアーシーでルーズな感じのファンクとジャズフュージョン的な音が交錯します。
 アメリカ南部の香りがたっぷりな音だったり、ニューヨークな音だったり。
 アーシーなようでなんとなくオシャレで洗練されている気もする不思議な音。
 1940-60年代っぽくもあるし、現代的でもあるし。
 人生の皺が刻まれたような大人の音。
 さすがB.B.、さすがDr. John。
 余裕度120%の緩さ加減。 
 こりゃカッコいいわ。
 
 


【Disc Review】“Midnight Believer” (1978), “Take It Home” (1979) B.B. King

“Midnight Believer” (1978) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocal, Piano)

Joe Sample (Keyboards) Wilton Felder (Bass, Saxophone) Robert "Pops" Popwell (Bass) Stix Hooper, James Gadson (Drums)

Roland Bautista, Dean Parks (Guitar)

George Bohannon, Dick Cary, Quitman Dennis, Chuck Findley, Gary Herbig, Steve Madaio, Kurt McGettrick, Eddie Miller, Abe Most, Ernie Watts (Horns, Reeds)

Julia Tillman Waters, Luther Waters, Oren Waters, Maxine Willard Waters (Vocals)

and Strings

Midnight Believer
B.B. King
Universal Mod Afw
1989-09-12
B.B.キング

“Take It Home” (1979) B.B. King
B.B. King (Guitar, Vocals)
Joe Sample (Keyboards) Wilton Felder (Bass, Saxophone)
Stix Hooper, James Gadson (Drums, Percussion) Paulinho Da Costa (Percussion)
Paul Jackson Jr., Dean Parks (Guitar)
Gary Grant, Kim Hutchcroft, Larry Williams, Quitman Dennis, Steve Madaio, Charles Fendley, Jack Redman, Jack Redmond (Horns, Reeds)
Julia Tillman Waters, ulia Tillman, Luther Waters, Oren Waters, Maxine Willard Waters (Vocals)
 
Take It Home
B.B. King
Mca
1998-04-21
B.B.キング

 B.B. King、Crusadersの面々と制作したサザンソウル~フュージョンな二作。
 とてもとてもアメリカンな音、ほどよくアーシーでほどよく洗練された、素晴らしいバランスの音。
 Joe Sample中心の楽曲に、Joe Sampleのアレンジ。
 ブルースファンからすれば洗練され過ぎていているのかもしれないし、ソウル、フュージョンファンからすればブルージーに過ぎるのかもしれませんが、私的には、あるいはジャズファンの立場としては、これぐらいがちょうどいい具合のフュージョン具合。
 グルーヴィーなビート、洗練されたエレピの上に乗ってくる、コテコテのブルースギターと張り詰めた艶やかなヴォイス。
 彩りを加えるホーンといかにもブラックアメリカンなコーラス陣。
 1970~1980年代のちょっとこじゃれたバーの空気感たっぷり。
 といってもこの先に流行るブリティッシュソウル~ファンク、フュージョン、“Night-Birds” (1982) Shakatak的でないことは当たり前としても、“Winelight” (1980) Grover Washington Jr. 的なオシャレさでもなくて、圧倒的に人間臭い音。
 どちらもほぼ同じメンツ、同じ企画、同じくソウル的な音ですが、オシャレで現代的な色合いが強いのが“Midnight Believer” (1978)、“Take It Home” (1979)はよりリラックスしてよりアーシー、ブルージーな感じでしょうか。
 最高のボーカリストB.B.KingがJoe Sampleのちょっとアーシーだけどオシャレなサウンドをバックにして歌い、終始これでもかこれでもかと鳴り響くブルージーなギター。
 もちろんブルースの香りが120%充満。
 カクテルやワインよりもバーボンがピッタリくる音。
 あの時代のアメリカにトリップできそうな素敵な音。



 
posted by H.A.


【Disc Review】“To Know Is To Love You” (1973) B.B. King

“To Know Is To Love You” (1973) B.B. King

B.B. King (Guitar, Vocals)

Dave Crawford, Stevie Wonder, Charles Mann (keyboards) Vince Montana (vibes) Norman Harris, Roland Chambers, Eli Tartarsky (guitar) Ronnie Baker (bass) Earl Young (drums) Larry Washington (conga) Wayne Jackson & The Memphis Horns (horns)
 

トゥ・ノウ・ユー・イズ・トゥ・ラヴ・ユー
B.B.キング
ユニバーサル ミュージック
2015-09-16


 突然B.B. King。

 ブルースではなくて、ソウルな一作。

 フィラデルフィアなのか、メンフィスなのか、シカゴなのか、デトロイトなのか・・・、そのあたりのソウル界の事情には明るくないのですが、とにもかくにも、とてもアメリカンな音。

 B.B. King、後にもCrusadersとの“Midnight Believer” (1978)などのソウルよりの作品がありますが、これの作品あたりがその端緒でしょうか?

 ボコボコしたあの時代のベースのサウンド、グルーヴィーにバウンドするビートにいなせなホーン。

 ちょっと切な気で懐かし気なメロディ。

 余裕たっぷりな空気感の中に響く、堂々とした、黒々としたボイス。
 最高のボーカリストB.B.Kingの本領発揮。 

 もちろんあのギターが鳴り響く時間はブルースの香りたっぷり。
 どんな音が背景であれ、全体の質感はブルースの神様B.B.Kingの色合い。 

 が、本作、なぜか夜の街やクラブの空気感ではなく、郊外の見晴らしのいいハイウェイな感じ。

 FRの大型セダンで余裕たっぷり、ゆったりとクルーズしている感じ。

 こりゃ気持ちいいや。

 タイトル曲はStevie Wonder。

  “Talking Book” (1972), “Innervisions” (1973)の時期、既にスーパースターの時期だったのでしょう。

 洗練されてキャッチーなStevie Wonderと重厚なB.B.King、イメージが合わない感じもしますが、合わせてみるとこれがバッチリ。

 グルーヴィー&ブルージー。

 さすがブラックアメリカンの神様たちの共演。

 その他含めてほどほどに作り込まれていいてゴージャスな感じがするのは、いかにも1970年の空気感。

 ちょっとノスタルジックないい感じの温かなムードに浸れる素敵な音。

 何となく春っぽくて、今の季節にいい感じ・・・かな?





posted by H.A.

【Disc Review】“The Invariant” (2016) Benedikt Jahnel Trio

“The Invariant” (2016) Benedikt Jahnel Trio
Benedikt Jahnel (Piano) 
Antonio Miguel (Bass) Owen Howard (Drums)
 
The Invariant
Benedikt Jahnel
Ecm Records
2017-02-17
ベネディクド・ヤーネル

 ドイツのピアニストBenedikt Jahnel、“Equilibrium”(2012)に次ぐECM第二作。
 間にCyminologyでの“Phoenix” (2014)の録音がありますが、ソロでは少し時間が開いています。
メンバーの変更はありません。
 クラシックの香りはヨーロッパ系共通ですが、繊細で時折のスケールアウトさえも美しい音の組み立て、最近の人らしく明るい音作りが新しい感じだったように思います。
 さて、本作は・・・オーソドックスにも聞こえる、意外なほどに落ち着いたジャズピアノトリオ。
 躍動感が前面に出る印象の前々作“Modular Concepts” (2007)から、少し沈んだECMらしい前作“Equilibrium”(2012)のいずれとも印象が異なります。
 日本の澤野工房的(最近の作品は聞いていないのですが・・・)と書くのも違和感がありますが、そんな感じもするECMでは珍しい明るくて整った音。
 思わずクレジットを確認してしまいましたが、録音はホームグラウンドRainbow Studio、プロデューサーはManfred Eicher。
 冒頭曲” Further Consequences”は寄せては返し、重なり合う波のようなリフ、以前から続くこの人の色合い。
 とても美しく、きらびやかなピアノ。
 でもなんだか普通に整っています。
 コード進行とビートの作り方がジャズっぽくなっているのでしょうかね?
 この人ならではの不思議感、ドラマチックさ、ECMならではの陰影が薄くなった感じもしますが、その分流麗で美しいピアノ、高速なパッセージが映える音作り。
 線は細めですが鋭く軽快、いい感じで突っ走っています。
 Keith Jarrett的なようで違うし、Lars Janssonっぽくなった感じもするけどそれも違うし、クラシックの香りを醸し出しながらのこの人ならではの現代的な音作り。
 三曲目”Mirrors”でちょっと妖し気な空気感も出てきて一安心というか、何というか。
 そんな空気感の中を美しく繊細なピアノが疾走します。
 これはカッコいい。
 その他諸々、基本的には明るくて、前向きな感じの楽曲、穏やかなバラードなどが並びます。
 ここまでの作品にはあったルバートでのバラードや、徐々に高揚していくようなミニマル的な音作りの楽曲が無いのが少々残念な感じもします。
 また、最後に前向きなバラードなど置かれてしまうと、ちょっとECMっぽくなくて、聞いている方が何故か照れくさくなってしまいますが・・・
 が、その分、全編通じて上品で明朗、とても取っつきやすいヨーロピアンピアノトリオジャズ。
 不思議感、妖しさ、切迫感は少々のみ。
 沈んだ感じというよりも、落ち着いた感じ。
 狂気のようなものを期待する時代は終わったのかな?
 全編通じたクールさも含めて、これが現代的な音なのでしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Saburi” (2010) Cyminology

“Saburi” (2010) Cyminology
Cymin Samawatie (vocal) Benedikt Jahnel (piano) Ralf Schwarz (bass)  Ketan Bhatti (drums, percussion)
 
Saburi
Cyminology
Ecm Import
2011-03-01
シミノロジー

 ドイツの中近東系エキゾチックジャズバンドCyminologyのECM第ニ作。
 基本的には前作“As Ney” (2008)と同様にしっとりした質感。
 が、ビート感は少しだけ強め。
 敬虔なムードは減少し、ジャズ的なムードが強くなっているかもしれません、
 エキゾチシズムも少々抑えられた感じがしますが、それは単にボイスが前に出る場面が相対的に少なめ、ピアノが前面に出る場面が少し多いだけなのかもしれません。
 エコーがたっぷり聞いたとても美しいピアノトリオの演奏の場面が目立ちます。
 流麗だけど、時折現れるスケールからずれたような高音が逆に美しい、漂うような繊細な音の流れ。
 静かで余白の多い空間に残る響きの美しいこと。
 メロディはいつもの不思議な寂寥感が漂う中近東なエキゾチック系ですが、スキャットで歌われる場面もちらほら。
 ペルシャ語の聞き慣れない響きよりも耳に馴染みやすいのかもしれません。
 その分妖しさが少なくなっているのかもしれませんが、慣れていない人にとってはこのくらいのバランスの方がよいかもしれません。
 全編悲しげですが、優しげにも聞こえます。
 俗っぽさもある“Bemun” (2006)と比べてみると、さすがにECM制作。
 ピアノは遠くで鳴っているように聞こえるし、ボーカルもあくまでしっとりとした透明度の高い、それでいて生々しい声。
 時折の無音、あるいはベースだけを背景にした空間に響く声の清々しいこと。
 派手さが抑えられた上品で上質、深遠な感じの音。
 どこか浮世離れした遠いところに連れて行ってくれそうな感じはどの作品も同様ですが、このくらいの現実感とのバランスがいい感じ。
 次作、ヴィオラを加えさらに格調高い“Phoenix” (2014)へと続きます。




posted by H.A.


【Disc Review】“As Ney” (2008) Cyminology

“As Ney” (2008) Cyminology
Cymin Samawatie (vocal) Benedikt Jahnel (piano) Ralf Schwarz (bass)  Ketan Bhatti (drums, percussion) 
 
As Ney (Ocrd)
Cyminology
Ecm Records
2009-05-05
シミノロジー

 ドイツの中近東系エキゾチックジャズバンドCyminologyのECM第一作。
 イランがルーツの女性ボーカリストとドイツのピアノインド出身のドラマー、ベースが集まったバンド。
 前作“Bemun” (2006)に比べるとずいぶんしっとりした感じの音。
 敬虔なムードが漂うCyminology。
 クレジットを見ると10分を超える冒頭曲は、11世紀?ペルシャの思想家?詩人?Jalaluddin Rumiの詩に、同じルーツを持つのであろうCymin Samawatieが曲をつけたようで、いかにもそんなムード。
 近年でも何故かノルウェーのTrygve Seimが全編彼の詩を扱った“Rumi Songs” (2015)といった作品を制作しています。
 近年のヨーロッパに流れる空気感のひとつなのでしょう。
 他にも15分を超える組曲風の敬虔な曲、タイトルもそれらしい楽曲が並びます。
 Benedikt JahnelのピアノもKeith Jarrettのソロピアノでしばしば聞かれる祈るような敬虔なムード。
 ECM特有のしっとりとした質感の録音も手伝って、“Bemun” (2006)のような派手な感じはありません。
 とても落ち着いた美しい音。
 楽曲、演奏も同様、躍動感よりもしっとりとした落ち着いたムード。
 前作はざわついたバーで演奏されていても大きな違和感が無い音作りだったように思いますが、こちらは静かなホールか教会のような音。
 それがECMの音といえばその通りの静謐な音。
 寂寥感とエキゾチシズムはそのままに、静かに漂うな音の流れが続きます。
 三曲目終盤、四曲目とビート感が強くなり、このバンド独特のグルーヴが出てきますが、それでも少々沈んだ感じのしっとり系。
 やんちゃでアグレッシブな感じは抑えられています。
 強烈なエキゾチシズムが違和感なくサラリと聞けるのは、こちらの音作りなのかもしれません。
 ボーカルが前面に出ると中東、引くと現代ヨーロッパの空気になるのは、このバンド全作に共通する色合い。
 どこか遠くに連れていかれそうになるボイスの響きと、それを現実に引き戻すようなピアノ。
 行先は、ヨーロッパなのかペルシャなのか、教会なのかモスルなのか、現代なのか中世なのか・・・、夢と現実が交錯するような不思議な世界。
 ある種のトリップミュージック。
 ECMのCyminology、まずは、いかにもな上品で深遠、敬虔な質感にして、無国籍なコンテンポラリーミュージック。
 ECMマジックに掛かったしっとりとしたCyminology。

 


posted by H.A.


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