吉祥寺JazzSyndicate

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2017年01月

【Disc Review】“Caymmi” (2013) Nana Caymmi & Dori & Danilo

“Caymmi” (2013) Nana Caymmi & Dori & Danilo
Dori Caymmi (Guitar, Voice) Nana Caymmi (Voice) Danilo Caymmi (Voice)
Jorge Helder (Bass) Jurim Moreira (Drums) Gordinho, Marcos Esguleba (Percussion)
Teco Cardoso (Flute) Julião Pinheiro (Guitar) Pedro Paes (Clarone) Elione Alves (Fagote) Hugo Pilger, Márcio Eymard Mallard (Cello) Pedro Amorim (Bandolim) Itamar Assiere (Accordion)
 
Caymmi
Nana Caymmi & Dori & Danilo
Som Livre
2013-07-02
ドリ カイミ  ナナ カイミ ダニーロ カイミ

 ブラジル、MPBの大御所Caymmi ファミリー、父上Dorival Caymmiの生誕百年記念アルバム。
 バイーアの素朴な香りたっぷりなアコースティックMPB作品。
 普通に音が想像できてしまう企画で、全くその通りなのですが、少々ノスタルジックなムードも漂うリラックスして聞ける音。
 やはりその辺のMPBとはちょっと違います。
 Doriさんの作がメロディの方が洗練されていて現代的なのかもしれませんが、Dorival父さんの音楽はもっと素朴で、それがいい感じ。
 特別な音使いがあるのか、貫禄からくるオーラなのか、単にこちらの先入観に過ぎないのか・・・わかりませんが、独特のセンチメンタリズムが漂う音、郷愁感。
 ストーレートなボッサ、サンバではないからいいんでしょうかね。
 ビートの作りは違えど、おそらく根底にそれらと共通する柔らかなグルーヴが流れているのでしょう。
 ギターを中心とした柔らかなビートに三人そろって優し気なボイス。
 さり気なく彩りをつけるリード、アコーディオンその他諸々。
 兄弟姉妹お三人がいったいおいくつなのか、調べようとも思いませんが、相応の余裕と貫禄。
 昔からそんな感じでしたかね。
 上品、上質、エバーグリーンな音。
 この人、このファミリーの音はいつも楽園です。




posted by H.A.


【Disc Review】“Poesia Musicada” (2011) Dori Caymmi

“Poesia Musicada” (2011) Dori Caymmi
Dori Caymmi (Vocals, Acoustic Guitar)
Ana Rabello (Cavaquinho) Juliao Pinheiro (Guitar) Toninho Ferragutti (Accordion) Sizao Machado (Bass) Vana Bock, Julio Cerezo Ortiz (Cello) Luciana Rabello, Michael Shapiro (Percussion) Teco Cardoso (Flute)
 
Poesia Musicada
Dori Caymmi
CD Baby
2011-11-21
ドリ カイミ

 MPBの大御所Dori Caymmiの2010年作。
 盟友の詩人Paulo César Pinheiroとの楽曲集。
 とても穏やかな楽園ミュージック。
 基本的にはギターの弾き語りに素朴な木管リード、チェロ、その他のサポートが入る編成。
 オールアコースティック、2010年を過ぎた録音ですが、ノスタルジックなムードも漂う音。
 もちろん現代のクリアな音ですが、ポップス、フュージョン的に作りこまれた感じではなくて、あるいはジャズにありがちな高級スタジオで高級オーディオ向けに作りました、ってな感じでもなくて、あくまで自然でさり気ない、それでいて上質な空気感。
 “Kicking Cans” (1993)などのフュージョン仕立てのアルバムもいいのだけども、こちらがまた格別の心地よさ。
 ちょっとセンチメンタルなメロディに、瑞々しいうえに柔らかなギター、とても優し気で穏やかなバリトンボイス。
 ボッサ、サンバではなく、バイーア系特の柔らかで素朴で郷愁感、そして浮遊感の漂う音。
 フュージョン仕立ての作品は高級ホテルのラウンジのような音ですが、こちらは南の島の涼し気な風が吹く海岸にいるような気分、どことなくハワイあたりの音楽、空気感に通じるムードに浸れます。
 でも、この人の音には冬にも似合いそう。
 ほんわかしていて暖かそうだからでしょうかね。
 時代、色合いは違えど、この人の作品、“Kicking Cans”その他もまた然り。

 


posted by H.A.


【Disc Review】“If Ever...” (1994) Dori Caymmi

“If Ever...” (1994) Dori Caymmi
Dori Caymmi (Vocals, Guitar)
Billy Childs (Piano) Abraham Laboriel, Sr. (Bass) Michael Shapiro, Claudio Slon (Drums) Paulinho Da Costa (Percussion) Gregg Karukas (Latin American Rhythm) Toots Thielemans (Harmonica) Scott Mayo (Alto Sax) Pedro Eustache (Flute) Kevyn Lettau (Vocals) Vivian Da Costa Manso, Kleber Jorge (Background Vocal)
and Strings
 
If Ever
Dori Caymmi
Warner Bros / Wea
1995-01-13
ドリ カイミ

 Dori Caymmi、“Kicking Cans” (1993)に続くフュージョン作品。
 “Brazilian Serenata” (1991)あわせて三部作なのかどうかはわかりませんが、どれも同質、同レベルの素敵なブラジリアンフュージョン。
 三作ともにレーベルがQuincy Jones のQwest、原盤の制作がどうなっていたのかはわかりませんが、いかにもそんな感じの洗練された音。
 この時期のQuincy Jonesがフラジル系を作ると、大ヒット連発のアメリカンな曲とはちょっと違った色合いの浮遊感の強い音。
 "Back on The Block" (1988-1989)に収録されたSarah Vaughan,Take 6 が歌ったIvan Lins曲”Setembro” なんて最高でしたが、三作揃ってそれに近い音なのかもしれません。
 メンバーが豪華なのは“Kicking Cans”ですが、本作も“Brazilian Serenata” (1991)もどれも甲乙つけ難し。
 曲で選べっても・・・これもまた困難。
 ちょっとだけセンチメンタルなメロディと、柔らかなグルーヴ。
 柔らかなギターに柔らかなボイス。
 全部合わせてとれも洗練された郷愁感、そして強烈な浮遊感。
 強いて言うなら本作が一番軽め、ナチュラルで緩い感じ、穏やかな感じかもしれません。
 ま、いずれ劣らぬ名作です。

 


posted by H.A.


【Disc Review】“Live From Bahia” (1992) Larry Coryell ‎

“Live From Bahia” (1992) Larry Coryell ‎
Larry Coryell (Guitar)
Dori Caymmi (Vocals, Guitar) Romero Lubambo (Guitar) Luiz Avellar (Keyboards) Nico Assumpcao (Electric Bass) Billy Cobham (Drums) Monica Millet, Tiao Oliveira (Percussion)
Donald Harrison (Alto, Soprano Sax) Marcio Montarroyos (Trumpet)
 
Live from Bahia
Larry Coryell
Membran
ラリー コリエル


 Larry Coryell、ブラジルでのライブ作品。
 Billy Cobhamといったごっつい感じになりそうな名前がありますが、本作はあくまで柔らかなブラジリアンフュージョン。
 三曲ほどの楽曲を提供するDori Caymmiのアルバム、といっても違和感がないかもしれない質感、近い時期の“Brazilian Serenata” (1991)、“Kicking Cans” (1993) Dori Caymmiとも近い感じの場面が印象に残ります。
 Larry Coryellは弾きまくるといったイメージもなく、あくまでクリーントーンでスムースなギターが中心、ゴリゴリのジャズのはずのサックスも、自然な?エコーがたっぷり効いていいてフワフワとした質感、Billy Cobhamも軽快です。
 Larry Coryell がブラジルに傾倒云々といった話は知りませんし、Larry Coryellファンから見てどう聞こえるのかはわかりませんが、ブラジル系大好きからすればとても素敵な音楽。
 いかにもBahiaなフワフワと浮遊感の強い、幻想的なムードとほどほどの洗練。
 もちろんいかにもフュージョンな演奏も何曲かあったりしますが、なぜか柔らかなムード。
 それを醸し出すのはBahiaの空気感なのか、Dori Caymmiのオーラなのか。
 最後はMilton Nascimentoナンバー”Vera Cruz”で突っ走るバンド。
 ブラジル音楽好き、アメリカンフュージョン好きの双方からすれば中途半端なのかな?
 それでもフワフワとしたブラジルの空気感と、突っ走りたくて仕方ない(と思われる)アメリカンなジャズフュージョン陣のいい感じのバランス。
 中古盤屋さんでは叩き売られている印象もありますが、中身はとても素敵な音楽。
 名作だと思うのだけどなあ・・・




posted by H.A.


【Disc Review】“Brazilian Serenata” (1991) Dori Caymmi

“Brazilian Serenata” (1991) Dori Caymmi
Dori Caymmi (guitar, vocal)
Don Grusin, Freddie Ravel (keyboards) Abraham Laboriel, Jerry Watts, Arni Egilsson, David Stone, James Johnson (Bass) Claudio Slon, Michael Shapiro (Drums)
Paulinho da Costa (percussion) Tom Scott (flute, Alto Sax) Bill Watrous (Trombone) Ray Pizzi (Bassoon)
Kevin Lettau, Morgan Ames, Darlene Koldenhoven, Carmin Twilly, Clydene Jackson-Edwards (background vocals) and Strings
 
ドリ カイミ

 ブラジルの大御所シンガーソングライターDori Caymmiのフュージョン作品。
 豪華な名作“Kicking Cans” (1993)の前作に当たるのだと思います。
 ブラジリアンな人とアメリカンの人の混成のサポートによる、とても洗練されたブラジリリアンフュージョン。
 “Kicking Cans”ほど派手な感じはありませんが、変わらない心地よさ、柔らかさ。
 いつものセンチメンタルなメロディと柔らかなボイス。
 それらが一体となった郷愁感。
 さらに、優雅なストリングスに加えて、現代的なフュージョンミュージシャンのサポートがいいころ合いの洗練を付け加えてくれます。
 エレピの絡み方など、とてもクールで素敵です。
 完全アコースティックな編成だと素朴な感じがいいのですが、フュージョン混じり編成だと都会的でクールな感じ。
 かといってタイトにはなりきらず、そこそこのクールネスと柔らかさ緩さのバランスがいい感じ。
 南の島のリゾートの高級ホテルってな感じ。
 ジャズだとありきたり、Jobim曲だと洗練され過ぎ、サンバだと観光客向けっぽくなりそうだけども、この人のメロディ、ボイスだと、なぜか自然にそんな空間に馴染んでしまうような気がします。
 フワフワとした浮遊感のあるとても心地よい時間、空間です。
 ブラジルの巨匠はたくさんいれど、私的にはJoao Gilbertoに並ぶようなスタイリスト、と勝手に思っています。
 本作も名作だと思います。
 本作収録の楽曲も引っ提げて、なぜかLarry Coryell作品への共演、出自のバイーア地区でのライブ“Live From Bahia” (1992)、”Kicking Cans” (1993)へと続きます。

 


posted by H.A.


【Disc Review】“Infinite Love” (1993) Gil Goldstein / Romero Lubambo

“Infinite Love” (1993) Gil Goldstein / Romero Lubambo
Gil Goldstein (piano, accordion) Romero Lubambo (guitar)
Toninho Horta (rythum guitar, voice) Armando Marcal (percussion) Maucha Adnet (voice)
 

 
 ジャズ、フュージョン?のピアニストGil Goldstein、ブラジルのギタリストRomero Lubamboとの双頭ユニットでのブラジル音楽集。
 まるでゲスト参加したToninho Hortaの作品のよう、と書くと他の人から怒られそうですが、 そんな楽園ムードが漂うフラジリアンフュージョン。
 全曲に参加しているわけではないし、全体を眺めれば全く違うのですが、合間々で彼が声を出してしまうと、それだけでそれらしくなってしまうのですね。
 “My Foolish Heart”なんて聞き飽きたはずのメロディがフワフワと浮遊感が強い音に変わり、とても新鮮に響きます。
 さすがにリーダーがジャズ系アメリカ人なので、純ブラジル系のユニットと比べると、少々音の流れが硬い感じもするのですが、その分クールで洗練されている感じ。
 とても涼し気でさわやかな音。
 ジャズ的なインプロビゼーションの場面もたっぷり。
 Romero Lubamboのギターはスムース、何曲かでフィーチャーされるアコーディオンノスタルジックなムードでいい感じ。
 冒頭の“My Foolish Heart”、最後に収められたDori Caymmiナンバー”Amazon River”の流麗でセンチメンタルなピアノソロなんて最高。
 その他、オリジナル曲、Toninho Horta三曲など。
 アコースティックなブラジリアンフュージョン作品はあまたあれど、ジャズサイドから近づいたアルバムとしては最もいい感じの一作に入るかな?
 他にもっといいのあったかなあ?
 思い出しません、今は。




posted by H.A.


【Disc Review】“Natural Selection” (Jun.1988) Quest

“Natural Selection” (Jun.1988) Quest
Dave Liebman (Soprano Sax) Richie Beirach (Piano) Ron McClure (Bass) Billy Hart (Drums)

Natural Selection
Quest
Evidence
クエスト
リッチー・バイラーク
デイブ・リーブマン 


 Dave Liebman、Richie Beirachのバンド、Quest、スタンダード集“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988)の三か月後の録音。
 こちらはオリジナル曲集。
 クールな質感はそのままに、穏やかで淡い色合いの演奏集。
 難解だったり極度に激しかったりする演奏は本アルバムにはありません。
 このバンドのいつものパターン通り各人が持ち寄った楽曲ですが、似たような色合いの楽曲が並びます。
 美しいピアノの音と漂うようなソプラノサックスの絡み合い。
とても緩やかでフワフワしたような時間が続きます。
 かといって抽象的ではなくあくまであわくて穏やかな音の流れ。
 さらに時折のハイテンションな音が全体を引き締める感じ。
 フュージョン色もほとんどなく、あくまでジャズ。
 いい感じにコンテポラリージャズな音。
 が、悲しいかな、親しみやすいメロディが・・・
 何曲かそれさえあれば名盤になっていたようにも思います。
 環境音楽としては、あるいはフリージャズとしては輪郭が明解すぎて、普通のジャズとして聞くには曖昧すぎて・・・
 このバンドの特有のクールな色合いに加えて、淡くて暖かな音。
 そんな微妙なバランスの音。
 それがちょうどいいんじゃない、と言われればその通りかもしれません。
 心地いいもんね。




posted by H.A.


【Disc Review】“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988) Quest

“N.Y. Nites: Standards” (Mar.1988) Quest
Dave Liebman (Soprano, Tenor Sax) Richie Beirach (Piano) Ron McClure (Bass) Billy Hart (Drums)

DSC_0161
クエスト
NECアベニュー
1989-04-21

 Dave Liebman、Richie Beirachのバンドのスタンダード集。
 “Quest” (1981)からメンバーも変更され、間に何作か挟んで、満を持した?スタンダード演奏。
 思わず避けてしまいそうになるような聞き古した楽曲が並びますが、これが素晴らしい出来。
 元々演奏力は一線を越えた人たちのバンドなので、素敵なメロディ、コードの曲を自然体で演奏するだけで凄いものが出来てしまいそうなのですが、まさにそんなアルバム。
 Billy Hartが叩きまくり、クールなウォーキングベースが全体を引き締め、ピアノはガンガンゴンゴン、サックスは切れまくり。
 クールでハイテンションなジャズ演奏がとても馴染みやすく仕上がっています。
 気難し気なオリジナル曲よりもこちらの方がこのバンドのカッコよさがかえってよく見えてくるようにも思います。
 Ivan Linsの“The Island”なんてベタベタなメロディが、知的にクールに聞こえてきます。
 “You Don't Know What Love Is”然り、“You and the Night and the Music”然り。
 あまり軽妙になりすぎると違和感が無きにしも非ずですが、それはご愛敬。
 ま、アーティストとしてはもっとクリエイティブなことをやりたいのでしょうが、聞く方としてはこのくらいの方が・・・

※近年のステージから。


posted by H.A.


【Disc Review】“A Tribute to John Coltrane” (1987) David Liebman/Wayne Shorter

“A Tribute to John Coltrane” (1987) David Liebman/Wayne Shorter
Dave Liebman, Wayne Shorter (Soprano Sax)
Richie Beirach (piano) Eddie Gomez (bass) Jack De Johnette (drums)
 


 Dave Liebman, Wayne Shorter、ツインソプラノサックスでJohn Coltraneにトリビュートしようという懐かしのLive under the Skyでの録音。
 サックスの二人とJack De JohnetteはMiles所縁の人でもあり、Eddie Gomez、Jack De Johnetteは名作“Batik” (1978) Ralph TownerなどでのECM所縁、あるいはBill Evans所縁の名コンビ。
 Dave Liebman、Richie Beirachは“LLookout Farm” (Oct.1973)などでのこれまたECM所縁の名コンビ。
 Richie Beirach、Jack DeJohnetteはECMでの名作“Elm” (1979)で共演済。
といったことで、Miles Davisなのか、Bill Evansなのか、ECMなのか、いろんな所縁の人たちのバンドが演奏するJohn Coltraneのトリビュート。
 要するにクリエイティブ系ジャズの超一線級の人たちが集まった日本でのライブ。
 おりしも日本はバブルの宴の最中。
 どうせならピアノにKeith Jarrett、さらにMiles DavisとJaco Pastriusも呼んでしまえば歴史に残る・・・
 とかなんとかはさておいて、豪華メンバーでのごっつい演奏。
 冒頭の”Mr.PC”から突っ走るバンド。
 軽快に疾走するDave Liebmanに対して、同じく激しくブチ切れたような演奏ながら明後日の方向に向いているような不思議感の強いいつもながらのWayne Shorter。
 激しいけどもオーソドックスなDave Liebmanに対して、よくわからない不思議感満載のフレーズを紡ぐWayne Shorter。
 極めてわかりやすい対比の二人。
 何曲かはJohn Coltrane、Eric Dolphyの鬼のようなコンビのライブ演奏が”Impressions”(1961) John Coltraneなどに残されていますが、似たいような対比。
 本作の方がスッキリした演奏かもしれません。
 私の好みはWayne Shorterですが、Dave Liebmanの凄みが前面に出た演奏。
 続くはバラード、Dave Liebman, Richie BeirachのDuoでの“After the rain”~“Naima”。
 最後はこれまた激しい”Indiana”~”Impressions”の長尺メドレー。
 CDに収められたのは抜粋なのだと思うのだけども、なんともこれだけではもったいないような演奏。
 また、激しい演奏ですが、想定の範囲の展開、あるいは、激烈フリーに突入する場面もないのは少々寂しいかな?
 この期においては、それは前時代的だったのでしょうね。
 いい時代の素晴らしいジャズ、激しい系。




posted by H.A.


【Disc Review】“Water Lillies, Richie Beirach Plays Musical Portraits of Claude Monet” (1987) Richard Beirach

“Water Lillies, Richie Beirach Plays Musical Portraits of Claude Monet” (1987) Richard Beirach
Richard Beirach (piano)

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 Richie Beirachのピアノソロによるバラード集、“Ballads” (1986)、“Ballads 2” (1987)次ぐ日本制作による第三弾。
 本作はスタンダード、過去のオリジナル曲の再演はなく、モネの「睡蓮」にインスパイヤされたオリジナル演奏集。
 フリーインプロビゼーションによるものも多いのかもしれません。
 冒頭はなるほど「睡蓮」を想い起こさせる淡くて美しいメロディ。
 固定的なメロディやテーマがあるわけではなく、ビート感も流れも違う美しいフレーズが、次々とは現れては消えていくような演奏。
 強弱さまざまな風が吹いてくるような、さなさざ波が揺れるような、光がゆらめくような、微妙な起伏。
 時折の流れるような高音の高速フレーズが心地よい風のよう。
 確かに輝く水面と風とさざ波に揺れる睡蓮の情景のような演奏。
 このままいくかと思いきや、その後は抽象度の高い演奏が続きます。
 激しい演奏、うるさい演奏はなく、あくまで穏やかな表情ですが、甘いメロディはありません。
 さながら、陽光が降り注ぐ冒頭曲の景色から、曇り空、小雨、冷たい風・・・ってな感じ。 
 先の移り変わりを予想することができない自然を音で表現するとこうなる・・・
 耳あたりのよいメロディなど所詮は人工のモノ・・・
 決して具体を写実的に表現するのではなく、印象を感じたままに表現するのが・・・云々・・・・・・ 
 ・・・とか言われると、確かにそうなのかもしれません。
 そんな音です。
 が、凡人からすると、二曲に一曲、いや三曲に一曲でいいので、冒頭曲のような明解なメロディがあると、あるいは陽光が差すような音の流れがあると、一気に世紀の名作に・・・
 ってな感じになるかどうかはわかりませんが、とにもかくにも、美しいピアノが終始漂う、クリエイティブな作品ではあります。


※別の演奏から


posted by H.A.


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