吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年12月

【index】 2016年・私的ベストアルバム

 2016年の私的ベストアルバム10。(順不同)。
 基本的には新譜、新発表に限ろうと思っていますが、発表すぐには聞いていないものも多いこともあり、1-2年ぐらい前までは新譜扱いということでアバウトに。  

 何の気なしに選ぶと再演もの、拡大再生産ものも多くて、こちらの感覚が保守的になってしまっているかも。
 順不同ですが、上の作品がベスト3かもしれませんねえ・・・
 おっと、南米系ばかりだ・・・
 なんだかジャケットも似た感じのが多いですね。
 何年か振りにMiles Davisにもはまってしまいました・・・


Andrés Beeuwsaert” (2015) Andrés Beeuwsaert
 ピアノソロのライブ中心なので、若干の不安もありましたが、この人の作品にハズレなし。
 ここまでのコンボでの素晴らしい演奏が、さらに優しくなって、最高の出来・・・、だと思います。
 この優しい音が現代のトレンドの一つ・・・かな?
 
Andres Beeuwsaert
Andres Beeuwsaert
NRT
2016-10-15



"MehmariLoureiro duo" (2016) André Mehmari, Antonio Loureiro 
 現代最高のピアノ。
 何も申し上げることはございません。
 特に本作では、近作でのクラシック色が薄くなって、かつての色合いが戻ってきたように思います。
 
Adentro Floresta Afora” (2015) Leonora Weissmann 
 コンテンポラリージャズなブラジリアンポップス。
 さらにフォルクローレも混ざった優しくて現代的なブラジリアンミュージック。
 歌もサポートも最高。
 
Casa” (2016) Gisele De Santi
 透明度が高いこの上もなく美しい声とピアノのみ。
 最高に心地いい音。
 現代ブラジル「最高」のボーカリストがたくさんいて大変なのですが、この人もその一人だと思います。
 
Wild Dance” (2015) Enrico Rava
 現代的なギターが加わり、妖しいEnrico Rava全開。 
 この人、大ベテランながら衰えも枯れもなく、素晴らしいトランペット。
 やはりこの人はこの色合いでないと。
 
Wild Dance
Enrico Rava
Ecm Records
2015-08-28



River Silver” (2015) Michel Benita Ethics
 琴とコンテンポラリージャズの融合。
 和楽器とジャズ、なかなかビート感が合わないケースも少なくないように思いますが、これはピッタリと来ています。
 
river silver
michel & eti benita
ecm
2016-01-15



Mare Nostrum II” (2014) Richard Galliano, Paolo Fresu, Jan Lundgren
 とても穏やかで柔らかな音。
 やはりバンドネオンが入るといいなあ。
 
Mare Nostrum Ii
Fresu/galliano/lundg
Act
2016-02-26



"Lotus" (2015) Mike Moreno
 艶々のギターの現代ジャズ。
 とても洗練された最高に心地よい音。
 Aaron ParksにEric Harlandの強力なサポート。
 この人の作品もハズレなし。
 
Lotus
Mike Moreno
CD Baby
2015-12-01



Homes” (2015) Gilad Hekselman 
 トリオでのGilad Hekselman。
 心地いい柔らかいギターの音が鳴り続け、リズム隊が煽りまくる絶妙なバランス。
 変拍子、メカニカル系もここまで柔らかいといい感じです。
 
Homes
Gilad Hekselman
Jazz Village
2015-10-09



Home” (2015) Søren Bebe
 デンマークのピアニストの静謐なトリオ。
 寂寥感の塊のような音。
 今年の寂寥度No.1。
 ECM以外のピアノトリオはほとんど聞かなくなったのだけども、これは別。
 ま、ECMっぽいですが・・・
 このさりげない上質さは希少。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
番外編

Miles At Fillmore(完全版)” (Jun.1970(Apl.1970)) Miles Davis
 遅ればせながらこれを入手してしまったがゆえ、結局一番聞いたのはエレクトリックMilesかも。
 ブートレッグにもちょこちょこ手を出し始めました。
 「マイルス者」にはまだまだ修行不足ですが・・・
 
Miles at the Fillmore: Miles Davis 1970:
Miles Davis
Sony Legacy
2014-03-25



ao vivo” (2014) Rosa Passos
 これ最高。
 なのですが、さすがに同じ色合いが多すぎて飽きてきましたかね。
 現代ボサノバ~MPBの最高のボーカリストの集大成として、いいライブ、いい作品ではあります。
 
Ao Vivo
Rosa Passos
Imports
2016-05-20



Black Ice” (2015) Wolfert Brederode Trio
 カッコいいピアノトリオ。
 が、前作までがあまりにもよかったので、期待しすぎた反動で番外。
 次作に大きな期待。
 
Black Ice
Wolfert Brederode
Ecm Records
2016-06-17



What was said” (2015) Tord Gustavsen
 この人には相当期待しているのですが、近作でのビートを効かせた展開ではなく、また寂寥と沈痛の世界に戻ってしまいました。
 こっちの方が好きな人が多いのかな?
 
what was said
gustavsen/tander/ves
ecm
2016-01-29



The Unity Sessions” (2014) Pat Metheny
 文句なしのこのバンドの集大成、エキサイティングです。
 が、昔の柔らかな音にはもう戻らないのかなあ・・・
 つい、そちらを期待してしまうので・・・
 
Unity Sessions
Pat Metheny
Nones
2016-05-06



Cuong Vu Trio Meets Pat Metheny” (2015) Cuong Vu
 元Pat Metheny Groupのトランぺッターの過激なコンテンポラリージャズ。
 激しさ、妖しさでは一番印象に残ったかも。
 凄い演奏が揃っています。
 でも、Patさん、ちょっとやりすぎでは・・・

Cuong Vu Trio Meets Pa
Cuong & Pat Meth Vu
Nones
2016-05-06





posted by H.A.

【Disc Review】“Concerts: Bregenz/München” (May.28.1981/Jun.2.1981) Keith Jarrett

“Concerts: Bregenz/München” (May.28.1981/Jun.2.1981) Keith Jarrett

Keith Jarrett (piano)
 

Concerts: Bregenz/Munchen
Keith Jarrett
Ecm Records
2013-12-10
キース・ジャレット


 Keith Jarrettのソロピアノ、2013年にCD化された作品、1981年の録音。

 LPレコードは聞いていませんでしたが、CD化されていた“Concerts:Bregenz” (May.28.1981)は聞いていたし、1970年代の神がかったようなメロディアスな演奏はないだろうと思って見送っていたアルバム。

 ところがどっこい、アンコールにとても素敵な名曲、名演が収められていました。

 ”Mon Coeur Est Rouge(Paint My Heart Red)"。

 “The Carnegie Hall Concert” (2006)のアンコールで演奏されていましたが、ここでも演奏されていたことは知りませんでした。
 落ち着いた印象のそちらのバージョンとは少々違う、1970年代Keith Jarrettのムードが漂う演奏。

 “My Song” (1977)に収められた“My Song”、”Country”、あるいは“Nude Ants” (May,1979)の“Innocence”を凌駕するような、優しくて懐かしいメロディ。

 さらにインプロビゼーションもあの神がかったKeith Jarrett。

 演奏の違い自体は、わずかな変化なのかもしれませんが、その違いが、スタイルの変化の典型のひとつのようにも思います。
 この8分間だけでもこのCDの価値あり。


 ・・・と書いてしまうとMünchen本編がよくないように聞こえてしまいそうですが、そうではありません。

 ただ、このあたりからソロ作品の作風が変わったように思います。

  “The Köln Concert”(Jan.1975)、“Sun Bear Concerts” (Nov.1976)のような激甘なメロディの連発、それに連なる神がかったようなインプロビゼーション、ドラマチックで高揚感を誘う様式美はありません。
 思索的な音の流れ。

 甘さが抑えられたクラシック色も強い展開。

 ポップス、あるいはジャズ的な要素も残っているように思うのですが、メロディが淡くなり、ビート感が少し違ってきているように感じます。

 また、思い入れたっぷりなタメ、激情がほとばしるような高速なロングフレーズの場面が少なくなってきているようにも感じます。

 それでもステージ開始後約30分、“Pt. 2”あたりには“The Köln Concert”で聞いたようなとても切ない音の流れと高速なフレージングの連続。

 が、それも長くは続かず、不思議な音階、しばしば現れるフリージャズあるいは現代音楽的な抽象度の高い音の流れに変わります。

 聞き方によっては、無意識に出てしまうあのフレーズ、あの展開を意図的に抑え、新しい別の流れを作ろうと格闘しているようにも思えます。

 後半“Pt. 3”は8ビートのフォークロックなKeith Jarrettでスタート。

 優しく楽し気ですが、中盤からは再び思索的で静かなバラード、メロディは淡く、クラシック的な音の流れ。

 そのまま最終章“Pt. 4”へ続き、珍しく直接弦を弾く抽象的な音使いへ移行。

 これから何が起こるのか、先の読めない緊張感の中、そのままエンディング・・・

 1970年代のような明快な起承転結はありません。

 その緊張感を解きほぐすかのように、アンコールはとてもメロディアスな”Mon Coeur Est Rouge”、さらに”Heartland”。

 1980年代型、新しいKeith Jarrettのソロピアノ。

 その中で1970年代のスタイルが短く現れては消えていく、モデルチェンジの途上といったところでしょうか。

 以降、スタンダーズのジャズ演奏は続きますが、ソロピアノはクラシック色、あるいは現代音楽色も濃厚な別のスタイルの音。
 その端緒の時期、あるいは分岐点のステージ・・・だったのかもしれません。

 そして公式作品では"Dark Intervals"(Apl.1987)、”Paris Concert”(Oct.1988)、“Vienna Concert” (Jul.1991)を経て、後の“La Scala” (Feb.13.1995)が、ポスト“The Köln Concert”、その到達点だったように思います。

 また、近いうちに。





(録音月)  ・・・日付はWikiより。誤り御免。
(Nov.1971) "Facing You"
(Apl.1972) "Expectations"
(Jun.1972) "Hamburg '72
(Feb.1973) "Fort Yawuh"
(Feb.1973) "In the Light"
(Mar.Jul.1973) ”Solo Concerts:Bremen/Lausanne” 
(Feb.1974) “Treasure Island” 
(Apl.1974) Belonging” 
(Apl.1974) “Luminessence” 
(Oct.1974) Death and the Flower” ,“Back Hand” 
(Jan.1975) The Köln Concert” 
(Jun.1975) "Gnu High"   Kenny Wheeler 
(Oct.1975) Arbour Zena” 
(Dec.1975) Mysteries” 
(???.1975) Shades” 
(Mar.1976) Closeness”  Charlie Haden
(Apl.1976) The Survivor's Suite” 
(May.1976) Staircase” 
(May.1976) Eyes of the Heart” 
(???.1976) “Hymns/Spheres” 
(Oct.1976) Byablue”、“Bop-Be” 
(Nov.1976) Sun Bear Concerts” 
(Jun.1977) “Ritual” 
(Feb.1977) Tales Of Another” Gary Peacock 
(Oct.-Nov.1977) “My Song"    
(Apl,16-17.1979) “Sleeper”, “Personal Mountains” 
(May,1979) Nude Ants:Live At The Village Vanguard
(1979,1980) "Invocations/The Moth and the Flame"
(Mar.1980) "G.I. Gurdjieff: Sacred Hymns", "The Celestial Hawk"
(May.1981) ”Concerts:Bregenz” 
(Jun.1981) ”Concerts:Munchen
(Jan.1983) Standards, Vol. 1”、“Standards, Vol. 2” 、“Changes
(May-Jul.1985) "Spirits"
(Jul.1985) "Standards Live"
(Jul.1986) "Still Live", "Book of Ways", "No End"
(Apl.1987) "Dark Intervals"
(Oct.1987) Changeless” 
(Oct.1988) Paris Concert
(Oct.1989) ”Standards in Norway” 


posted by H.A.

【Disc Review】 “Home” (2015) Søren Bebe

“Home” (2015) Søren Bebe 
Søren Bebe (Piano)
Kasper Tagel (Bass) Anders Mogensen (Drums)
 
 デンマークのピアニストSøren Bebeのトリオ作品。
 詳細な情報は持っていません。おそらく若手なのでしょう。
 とても静謐で穏やかな音。
 ほぼ全編漂うようなスローバラード。
 インティメートなんて言葉も似合いそうです。 
 ECMのTord Gustavsen諸作に近いイメージ。
 その哀感はそのままに、スッキリ、あっさりとした感じ。
 とても静かで悲しげですが、沈痛感、深刻感、陰鬱感ではなく、「寂寥感」ってな言葉がぴったり似合う音。 
 微妙なタメがあるような無いような、丁寧に音を置いていくようなピアノ。
 スケールからズレたような、ズレてないような微妙な音使い
 シンプルなようでもあるし、複雑なようでもある、不思議で静かなビート。
 派手な展開はないし、流麗というよりは訥々とした音の流れ。
 それでもすべてがメロディアス。
 テーマがあってインプロビゼーションするオーソドックスなスタイルだけど、その境目が曖昧に聞こえ、ずっとテーマが続いているようでもあるし、ずっとインプロビゼーションが続いているようでもあるし。
 フワフワと浮遊する夢見心地の時間が続く音の流れ。
 流れていると周囲の空気が浄化されるような、それでいて冷たくなくて、少々の湿り気を帯びたような心地よい空間、時間。
 どの曲も淡い色合い、強い浮遊感ですが、ワルツ系の数曲が、浮遊感が増幅されていて特にいい感じでしょうか。
 繰り返して聴いていると各曲のエッジが見えてくるタイプのアルバムだと思います。
 いい曲、いい演奏揃い。
 これだけ音数を弾かなくても何か伝わってくるようなピアノトリオアルバムは希少かもしれません。 
 いい感じのフレーズの流れに加えて、余白が多い分、いいんだろうなあ。 
 ECMから出ていてもよさそうな感じですが、ミキシングはRainbow Studio, Oslo。
 なるほど、そんな音です。
 ちょっとクラシック的な遠くで鳴ってる感が これまたいい感じ。
 今年の寂寥感度No.1、今年最大の掘り出し物、かな?
 “The Space Between” (2015) Medbøe/ Eriksen/Halleなんてのもありましたね。それは去年?
 ヨーロッパには日本には届いていないこの種の素敵な音がいっぱいあるのでしょうね。


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Rising Grace” (2016) Wolfgang Muthspiel

“Rising Grace” (2016) Wolfgang Muthspiel
Wolfgang Muthspiel (Guitar)
Brad Mehldau (Piano) Larry Grenadier (Double Bass) Brian Blade (Drums)
Ambrose Akinmusire (Trumpet)
 
Rising Grace
Wolfgang Muthspiel
Ecm Records
2016-10-28
ウォルフガング・ムースピール

 オーストリアのギタリストWolfgang Muthspiel、"Driftwood” (2014) に続くECMでのリーダー作、第二弾、最新作。
 コンテンポラリージャズ系の中では、Kurt Rosenwinkelよりは少しだけ上の年代、若手、中堅ではなく、すでにベテランになるのでしょう。
 前作はトリオでのフワフワした作品でしたが、本作はピアノとトランペットが加わります。
 ベースとドラムは前作と同じメンバーですが、もともとBrad Mehldau、あるいはJoshua Redman、Pat Methenyあたりと共通する人脈。
 Pat Methenyの作品では、ドラマー違いでのギターカルテット作品“Metheny/Mehldau Quartet” (Dec.2005)もありました。
 もちろんそれらとは全く質感の異なる、基本的には前作"Driftwood”と同様に淡くて穏やかな音。
 寂寥感、哀愁感はそのままに、ピアノが入っている分、全体の音の輪郭が明確になり、トランペットが寂寥感を増幅。
 トランペットの入り方、端正で上品な演奏も相まって、Lars Danielssonの“Liberetto” (2012)のようなムードも漂っています。
 そちらよりはビート、メロディが複雑で、淡く漂うような不思議系の音作り。
 ギターが前面に出るのではなく、ドラムとベースが後ろでしっかりとビートを作り、ギター、ピアノ、トランペットがインタープレーを展開する場面が目立ちます。
 冒頭から穏やかながら複雑なビートの上を、瑞々しいガットギター、美しいピアノ、寂寥感の強いトランペットの絡み合い。
 誰が前面に出るわけではなく、淡々とした美しい音の絡み合い。
 エコーがたっぷり聞いた美しいガットギターで導かれる次曲も同様。
 ギター、ピアノ、トランペットが短く代わる代わる前に出ながら、他の楽器がさまざまに反応しながら、淡々と音が流れていきます。
 三曲目でビートが強めになり、フロントの三人がソロスペースを分け合うオーソドックスな構成になりますが、穏やかで淡い空気は続きます。
 フォークロック調の優しいメロディとコードをべースに、美しくかつ強い疾走感のピアノとクギター、トランペット。
 誰も激しい音は使いません。 
 そんな穏やかな演奏、楽曲が続きます。
 エレキギターの使用も少なめ、あくまでクリーントーン。
 “Earth Mountain” (2008)あたりの作品ではキャッチーな楽曲が増えてきたように思っていたのですが、本作は全編通じて不思議系。
 ECM的といえば、そうなのかもしれません。
 終盤にECMの定番、ルバート中心のスローバラードもあります。
 静かなフリービートに漂うようなギター、はらはらと舞い落ちるような美しいピアノ。
 タイトルを見ると“Den Wheeler, Den Kenny”、近年逝去したKenny Wheelerへのトリビュート、とても静かで優しい音。
 この曲が私にとってはベストでしょう、今のところ・・・
 最後もガットギター、ピアノ、トランペットの静かで不思議な絡み合いで幕。
 抽象的ではないほどほど明解な音の流れ、淡い感じの明るいムードは、近年のECMの色合いでしょう。
 取り立ててメロディアスではないし複雑ですが、普通にカフェで流れていてもオッケーそうな上品で心地よい音。
 登場した当時のとんがったムードがなくなり、2000年以降の少々キャッチーな感じもなくなり、複雑な、それでも淡くて穏やかな音。
 一貫しているのは寂寥感。
 ECMのWolfgang Muthspielはこの色合いで行くのかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“Drumfree” (2010) Wolfgang Muthspiel, Andy Scherrer, Larry Grenadier

“Drumfree” (2010) Wolfgang Muthspiel, Andy Scherrer, Larry Grenadier
Wolfgang Muthspiel (Guitar)
Larry Grenadier (Bass) Andy Scherrer (Saxophone)
 
Drumfree
Wolfgang Muthspiel
Imports
2011-04-12
ウォルフガング・ムースピール

 オーストリアのギタリストWolfgang Muthspiel、タイトル通りドラムレスのコンテンポラリージャズ作品。
 ドラムレス、ビートを落として漂うようなルバート的なスローバラード演奏もありますが、多くが定常なビート。
 テンポが上がると、さすがのLarry Grenadierのウッドベースのグルーヴがカッコいいのでですが、バラードが中心で穏やかな印象。
 かつてのこの人の色合いからすれば、もっと浮遊感が強いフリー混じりの演奏になってもよさそうですが、オーソドックスな色合いが強いコンテンポラリージャズ。
 エフェクティングのないオーソドックスなクリーントーンのエレキギターとRalph Townerのような瑞々しい音のガットギター。
 フレージング、音使いも心なしかオーソドックス。
 若かりし日の演奏に感じたJohn Scofield的なひねったブルース感は無くなりましたかね?
 楽曲も全曲オリジナルなのだと思いますが、落ち着いた色合い、ほのかな哀愁が漂う優しいメロディが並びます。
 連綿としたバラードもあったり、かつてのこの人の作品からは想像できない音作り。
 ベーシストはずっと一緒にやっているLarry Grenadierなので、こちらの方が無理の無い日常の音、今の音なのかもしれません。
 サックスもこれまたオーソドックス。
 毒気を期待すると拍子抜けしてしまいますが、落ち着いた室内楽的、現代的なジャズトリオとしては悪くないアルバム。
 すっかり大人になってしまいました。
 この路線がECM作品"Driftwood” (2014) 、最新作“Rising Grace” (2016)に続いているんでしょうね。




posted by H.A.  


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