吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年09月

【Disc Review】“RSVC” (2013) Ricardo Silveira, Vinicius Cantuaria

“RSVC” (2013) Ricardo Silveira, Vinicius Cantuaria 
 Ricardo Silveira (acoustic, electric guitar, Vocals) Vinicius Cantuaria (acoustic guitar, vocal, percussion)

Rsvc
Ricardo Silveira
Adventure Music
2013-09-17
ヒカルド・シルヴェイラ ヴィニシウス・カントゥアリア

 ブラジル人ギタリストRicardo Silveira、ベテランシンガーソングライターVinicius CantuariaとのDuoアルバム。
 とても穏やかなブラジリアンフュージョン。
 パーカッションその他をオーバーダビングしているので、普通にコンボ作品の音。
 キツいビートではなく、あくまで洗練された柔らかなブラジリアンビート。
 Ricardo Silveira、基本はクリーントーンのエレキギターとアコースティックギター、メインストリームなフュージョン色が強く、洗練された色合い。
 Vinicius Cantuariaのギターはとても穏やかな音、優雅で瑞々しいギターと力の抜けた歌声。
 二人合わせて洗練と瑞々しさ、素朴さの絶妙なバランス。
 クリーントーンのエレキギターとガットギターの柔らかな組み合わせ。
 爽やかなアンサンブルと、つぶやくような歌声が醸し出す穏やかな郷愁感。
 両者のオリジナル曲は穏やかで洗練された素敵なメロディ揃い。
 たまにディストーションなエレキギター、フュージョン的ビートが入るのはさておいて、概ね爽やかな演奏揃い。
 それに加えて時折の少々の妖しさ。
 ブラジル音楽、フュージョン、その折衷がとても心地いい一作。




posted by H.A.

【Disc Review】“Outro Rio” (2007) Ricardo Silveira

“Outro Rio” (2007) Ricardo Silveira 
Ricardo Silveira (guitars)
Jorge Helder, Andre Rodriques (bass) Jurim Moreira, Renato Massa, Andre Tandeta (drums) Joao Donato, Marcos Nimrichter (piano) Armando Marcal (percussion) Jaques Morelenbaum (cello) Marcelo Martins (Tenor Sax) Nailor Proveta (Clarinet) Maria Rita (vocal)

Outro Rio (Another River)
Ricardo Silveira
Adventure Music
2007-07-10
ヒカルド・シルヴェイラ

 ブラジル人ギタリストRicardo Silveira、とても穏やかなフュージョン作品。
 エレキギターのイメージが強い人ですが、本作ではほぼ全篇ガットギター。
 テンポも音量も落として、静かで穏やかな演奏。
 管その他の豪華なゲスト陣も入りますが、基本的にはギタートリオ。
 テナーやチェロとエレキギターの絡みがカッコよかったりするのですが、ゲストは概ね一曲ずつ。
ちょっともったいないかな・・・
 この人のギター、アメリカンなフュージョン系の作品が多かったせいか、ブラジリアンというよりも、アメリカンなイメージが強いようにも感じます。
 かといってジャズではなくて、現代的で洗練された、まさにフュージョンギター。
 本作のようにガットギター中心の作品でも、ボサノバ系ではなく、クラシック色を抜いたRalph Townerのような色合いを感じてしまいます。
 そのあたりで好みが分かれてしまうのかもしれませんが、ともあれ、本作は端正で瑞々しい音色、フレージング。
 キツイビート、激しい音は使わないのでスリルや興奮はありませんが、逆に無為な刺激もなし。
 アメリカンフュージョンにありがちなカチッとした感じではなく、柔らかなビート感。
 さわやかなフュージョンミュージック。
 天気のいい日の朝の起き抜けにピッタリな感じ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Live:Ao Vivo Tocam Milton Nascimento” (2004) Ricardo Silveira, Luiz Avellar

“Live:Ao Vivo Tocam Milton Nascimento” (2004) Ricardo Silveira, Luiz Avellar
Ricardo Silveira (guitars) Luiz Avellar (piano)
Robertinho Silva (Percussion)

Ao Vivo Tocam Milton Nasciment
Ricardo Silveira
Universal Brazil
2004-01-01
ヒカルド・シルヴェイラ
ルイス・アヴェラール

 ブラジル人のギタリスト、ピアニストのDuoによるMilton Nascimento作品集。ライブ録音。
 二人ともベテランの域の人。
 Ricardo Silveiraはリーダー作も少なくないのですが、元Elis Reginaバンドとのこと。
 フュージョン全盛期にはアメリカンフュージョンの人脈とそれらしい作品を作っていたと思います。
 Luiz Avellarは”Toninho Horta” (1980)に名前があるし、古くからブラジル系の作品のいろんな人と共演しているのでしょう。
 Milton Nascimentoとの関わりもどこかであるのでしょう。
 どちらもセッション慣れしているせいか、ツボ抑えた手堅い演奏。
 Ricardo Silveiraのギターは本作ではアコースティックのみ。
 アメリカンな、あるいはジャズ、ボッサよりもロックも混ざったいかにもフュージョン的な音の使い方をする人のイメージがあるのですが、本作でもそう。
 ビートを入れてカチッと作ってしまうとフュージョンになってしまうのでしょうが、Duoゆえのフワフワとした感じのバランスがいい感じ。
 Luiz Avellarはクラシック的な上品さ端正さを備えたヨーロピアンにも似たテイストの音使い。
 ブルース色は薄く、アメリカ系とはちょっと違います。
 JoyceバンドのHelio Alves(“It's Clear” (2008))似たイメージ、ちょっとテイストは違いますが、大御所Egberto Gismontiもそんな感じでしたが、何かしらブラジル系ピアノの特徴があるんでしょうね。
 楽曲は言わずもがなの名曲、名メロディ揃い。
 手堅くて美しい二人の音が奏でる、ボッサとは少々違う、それでも郷愁感が漂うキャッチーなメロディ。
 冒険や実験、もちろん破たんに近づく場面などはなし。
 安心して聞けるブラシリアンアコースティックDuo。




posted by H.A.

【Disc Review】“Noite clara” (2000) Ricardo Silveira

“Noite clara” (2000) Ricardo Silveira
Ricardo Silveira (guitar, keyboards)
Andre Rodrigues (bass) John Leftwich, Jorge Helder (acoustic bass) Armando Marcal (percussion) Carlos Bala (drums) Luis Alves, Renato "Massa" Calmon, Sasha Amback (keyboards) Gilson Peranzzetta (accordion)

Noite Clara
Ricardo Silveira
Adventure Music
ヒカルド・シルヴェイラ


 ブラジル人ギタリストRicardo Silveiraのフュージョン、あるいはスムースジャズ作品。
 “Kicking Cans” (1993) Dori Caymmiなどでカッコいいギターを弾いていた人。
1990年代ぐらいまでは、いかにもフュージョンな、それもアメリカンな作品を作っていたのだと思います。
 全部は聞けていませんが、この頃からはブラジル色を活かした柔らかいフュージョン作品。
 そもそもアメリカンフュージョンにはブラジル色が入ったものも少なくなかったと思うし、どっちからどうといったことはないのでしょうが、少なくともこのアルバムはデジタル臭とか硬いリズムなしの柔らかなブラジリアン・フュージョン。
 この時期だとスムース・ジャズの方が言葉は合うのかもしれないけども、その語感よりも柔らかな音。
 ギターはアコースティックとクリーントーンのエレキギターが半々。
 ボッサのムードはなく、一番近いのはやはりスムース・ジャズ。
 エレキギターはジャズっぽいし、ロックも少々混ざる感じ。
 ガットギターはクラシック的なムードでしょうか?ブラジルのトラディショナルスタイルなのかもしれません。
 全体を見ればスムースでオーソドックスなギターです。
 ガットギターのギタートリオをベースとして、エレキギターのオーバーダビング、その他の楽器が加わるスタイル。
 センチメンタルなオリジナル曲中心にブラジルの名曲を少々。
 ブラジル的な郷愁感というよりも、都会的で洗練されたセンチメンタリズム。
 やはり形容句を並べると、スムース・ジャスの方がニュアンスが近いのかな?
 とてもスムースで洗練されたブラジリアンフュージョンと呼んでおきましょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Everything's Beautiful” (2015) Miles Davis & Robert Glasper

“Everything's Beautiful” (2015) Miles Davis & Robert Glasper
Robert Glasper (Piano, Keyboards, Percussion)
Danny Leznoff, Kyle Bolden, John Scofield (Guitar) Chris Rob (Electric Piano)
Derrick Hodge, Braylon Lacy, Burniss Earl Travis II (Bass)
DJ Spinna (Drum Programming) Rashad Smith, DJ Spinna (Percussion) Hiatus Kaiyote (Program, etc)
Bilal, Illa J, Bianca Rodriguez, Phonte, Nai Palm, Laura Mvula, Amber Strother, Anita Bias, Georgia Anne Muldrow, Ledisi, Chris Rob (Vocals) Erykah Badu (Vocals, Percussion)
Lakecia Benjamin (Alto, Tenor Sax) Stevie Wonder (Harmonica) Brandee Younger (Harp)
 
Everything's Beautiful
Miles Davis
Sony Legacy
2016-05-27
ロバード グラスパー

 Robert GlasperのMiles Davis曲集。
 Robert Glasper Experiment名義にはなっていませんが、”Black Radio” (2011)的なヒップホップ、ネオソウル作品。
 もっと柔らかくて淡い感じかもしれません。
 フワフワとしたエレピ、打ち込みっぽいドラム中心の音に、曲ごとにボーカリスト、ゲストが入れ替わるスタイル。
 若手、HipHop系の人については詳しくありませんが、ベテランのビッグネームとしてはErykah Badu、Stevie Wonder、John Scofield。
 ”Milestones”はさておき、エレクトリックMilesが好きな人にとっては、”Maiysha”、”Little Church”などのレアグルーヴがカバーされていたり、”Silence Is The Way”、 “Song for Selim”なんてタイトルの曲があったりすると、ジャズではないことはわかっていても、どうしても手が出てしまうところ。
 おまけに”Maiysha”をErykah Baduが歌うとなると・・・

 Milesのしゃがれ声のサンプリングをラップ風に、Joe Zawinulのエレピのサンプリングをループに仕立てた穏やかなグルーヴからスタート。
 そんな感じのマニアックでオシャレな遊び心が溢れた音作りが続きます。
 お目当てのErykah Baduの”Maiysha”も予想通りの音。
 とても優し気な素敵なメロディ、まさにレアグルーヴなのですが、この曲、本当に硬派で孤高のMilesが書いたのかなあ?と聞くたびにいつも思う、オシャレな曲。 
 柔らかなビートとフワフワとしたエレピに乗ったクールな歌声。
 ちょっと時代っぽいシンセの音にニヤリとしていると、続くのはホンモノのMilesのトランペットのサンプリング。
 これには思わず笑ってしまうというか、元ネタを知っている人は楽しくなってくる作り。
 さらにMiles とErykah BaduとのDuo状態。
 これは両方のファンからすれば、涙チョチョ切れな演出。
 プロモーションビデオもパロディ半分で楽しそうだし、元ネタと1970年代の時代感が見ても聞いても楽しくなってきます。
 「こんなバカなことに付き合わせやがって・・・」とErykah Baduさんが思ったかどうかはわかりませんが、感情が読み取れないクールな表情、いつも通りに据わった眼差しがなんともミステリアス。
 この約7分間だけでもう十分でしょう。
 気になる人は“Get Up with It” (May.1970-Oct.1974) Miles Davisを聞いてみましょう。
 元ネタは、オシャレなメロディの後にズルズルギター、さらにあのStuffのGordon Edwards風グルーヴ、その他諸々???、まさにレアなトラックです。 
 そういえばErykah Baduの以前のステージのオープニングは”So What”でしたね。

 さておき、他も含めてフワフワとしたエレピを中心とした穏やかな音を背景にして、いかにも今風のラップ、ネオソウル的な歌が乗ってくる構成。
 一部を除き、原曲の形はありません。 
 一部のドスが効いたラップには引いてしまいますが、サウンド自体は柔らかくて心地よい音。
 さらにそれに要所に元々の音源からのサンプリングが乗ってくる構成。
 それに気づいてニッコリするのはマニアだけの楽しみ。
 いかにもなラップの曲の中で、これ、どこかで・・・?”Blue in Green”のBill Evans?・・・とかが隠されていますので、探してみましょう。 
 これ、なんて曲のどこの部分だっけ?とか思い、クレジットを確認して、納得したり、忘れていたり・・・
  “Milestones”は妖しいコーラスが錯綜する8ビートに、鬼のようなアルバム”Live Evil” (Feb.Jun,Dec.19,1970) に収録されたオシャレなブラジリアンレアグルーヴの”Little Church”、“Song for Selim”は、さらにオシャレに、しかも妖しく仕上がっています。
 もちろんジャズっぽさはありません。
 Milesっぽくもありません。
 でも、これをジャズじゃないとか、Milesじゃないとかいうのは野暮ってもんでしょうねえ。
 Milesをネタにしてカッコいい音楽やってるねえ、オシャレじゃん・・・・・・が、Milesを聞いてきた人の大人な反応のように思います。私は。
 今の時代の「クール」な音はこんな感じなのでしょう。
 たぶん。




posted by H.A.

【Disc Review】“Night-Birds” (1982) Shakatak

“Night-Birds” (1982) Shakatak
Bill Sharpe (Arp Odyssey, Fender Rhodes, Oberheim Synthesizer, Piano, Prophet Synthesizer) Nigel Wright (Fender Rhodes, Oberheim Synthesizer, Prophet Synthesizer, Trombone) Keith Winter (Guitars) George Anderson (Bass) Roger Odell (Cymbals, Drums) Stuart Brooks (Trumpet) Dick Morrissey (Saxophone) Simon Morton (Percussion, Vocals) Jackie Rawe, Lorna Bannon, Jill Saward (Vocals)

Night Birds
Shakatak
Imports
シャカタク


 このアルバムをこんなマニアックなブログで取り上げるのは、何となく気が引けてしまいますが、カッコいいので仕方ありません。
 “Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognitoの10年前、“Diamond Life” (1984) Sadeの2年前、The Style Councilデビューの1年前でしたか・・・
 それらに先駆けたBritish Soul~Funk,Fusionの決定版。
 と書いてしまうとその筋の人に怒られるのかもしれませんが、その筋の素人からするとそんな印象のアルバムです。
 クールでファンキー、センチメンタル、オシャレ。
 ポップでナンパでわかり易い。
 ソフトでメロウ。
 ・・・・・・
 最高ですね。
 売れすぎたのでしょうし、夜のTV番組のテーマ曲だったし、スーパーでよく流れていたし、好感度系の人はシカトしてた気もするし、蕎麦屋の出前持ちも・・・・・・
 などなど、先入観はさておき、中身は極めてカッコいい、上品、上質なファンク・フュージョン。
 美しいピアノとファンキーなベース、ギターのカッティング。
 図らずとも体が揺れてしまう、静かなグルーヴ。
 さりげないボイス。
 さらにこれまたさりげないラテンテイストが隠し味。
 ピアノもギターもサックスも短いながらの計算しつくされたような、かつ手練れたインプロビゼーション。
 アメリカ系のフュージョンの派手だったり、カチッとし過ぎた感じではなく、抑制されたスッキリとした音。
 あの時代っぽいキメ、ブレイクはたくさんありますが、あくまでさりげなくていい感じ。
 んー、心地いい。
 確かに出来すぎてるような気がしないでもないですが、やはり音は最高です。
 が、下の絵のチャーリーズエンジェル(※1970年代オリジナル)な、あるいはマイアミバイス(※1980年代オリジナル)な髪形とファッション、ちょっとアレな演出には、苦笑いを禁じ得ません・・・






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【Disc Review】“Sunflower Time” (1996) Anna Caram

“Sunflower Time” (1996) Anna Caram
Anna Caram (Vocal, Whistle, Tambourine)
Graham Harvey (Synthesizer, Electric Piano) Richard Cottle (Piano, Synthesizer, Organ) Claudio Tranjan (Synthesizer, Drum Programming) Pepe Cisneros (Piano) Mark Lanbert, Jean Paul 'Bluey' Maunick (Guitar) Arnie Somogyi, Celso Pixinga, Randy Hope Taylor (Bass) Maguinho Alcantara, Richard Bailey (Drums) Chacal (Percussion) Max Beesley Jr. (Percussion, Vibraphone) Ron Aslen (Programming) Nailor Proveta Azevedo (Sax) Edger Francis Jones (Sopranino, Sax) Francois Lima, Mauricio De Souza, Joseph De Jesus (Trombone) Walmir Gil, Byron Wallen (Trumpet) Carlinhos, Cidinha, Rita Kfouri (Vocals)

Sunflower Time
Anna Caram
Universal
アナ カラム


 ブラジルのボーカリストAnna CaramのMPB作品。
 ボサノバ中心にたくさんの作品がありますが、本作は現代ファンク~ソウル系のMPB。
 Incognitoが数曲に参加し、プロデュースにも入っていて、British Soul的なクールでオシャレなムードも漂っています。
 ビート感、とてもカッコいいベースライン、ホーンのアレンジなど、“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognitoにも近い雰囲気。
 もちろん、ブラジルっぽい雰囲気はありますが、直接的なボッサのリズムはあまりなし。
 イマドキのクラブで何が流れているのか知りませんが、十分使えそうな(気のせい?)音作り。
 強烈なグルーヴ、ノリノリなうえに洗練されていてオシャレです。
 さらには少々実験的な音作り、デジタル系もいくらか導入されており、先端系で作ってみよう・・・なんて目論見だったのかもしれません。
 選曲はブラジル系、ポップスともベタベタ。
 “Agua De Beber”, “Mas Que Nada”, “Wave”, “Odara”, “Close To You”, “Overjoyed”・・・・・・
 これでアレンジもベタベタだと引いてしまいますが、斬新でひねったアレンジ、しかもオシャレでノリノリ。
 これはカッコいい。
 グラブ~ラウンジ的な“Agua De Beber”, “Mas Que Nada”、もろIncognitoな”Port Of Call”, ”Odara”などなど、ありそうでないカッコよさ。
 ボーカルは元々透明度高い系、可憐系でしょう。
 本作では背景に合わせて頑張ってる感じですが。
 これが世に出て早20年。
 さて、この音は今の耳で聞くと古いのでしょうか?
 私はとてもカッコいいと思うのですが。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito

“Tribes, Vibes And Scribes” (1992) Incognito
Bluey (Guitar, Keyboards) Randy Hope-Taylor (Bass) Andy Gangadeen (Drums) Richard Bull (Drums, Percussion, Keyboards, Guitar) Graham Harvey, Peter Hinds (Keyboards) Thomas Dyani-Akuru (Percussion) Patrick 'Bebop' Clahar (Saxophone) Fayyaz Virji (Trombone) Kevin Robinson (Trumpet, Flugelhorn) Maysa Leak (Vocals) and others



 懐かしのBritish Soul。
 ノリが良くてファンキー。
 でも、全体の空気はクールでオシャレ。
 とてもカッコいいギターのカッティング。
 シンプルながらものすごいベースライン。
 ブンブンうなりながらのグルーヴが最初から最後まで続きます。
 でも下品にはならない絶妙な音使い。
 さりげないタイミングで入ってくる、これまた絶妙なホーンアンサンブル。
 ベタつかない哀愁感の漂うメロディライン。
 軽さを押さえるちょっとコッテリ気味のボイス・・・・・・
 全編通じて、アメリカ系のソウル、フュージョンにはあまりない、軽快でスッキリした音作り。
 ノリノリなようで、穏やかにジワジワと、ヒタヒタと迫ってくるようなグルーヴ。
 それでいてしっとり感も十分。
 洗練の極みですねえ。
 聞き慣れたStevie Wonderナンバーまでもとても斬新に聞こえます。
 これは懐かしい・・・になってしまうのでしょうか?
 今の耳で聞いてもカッコいいなあ。
 最高のブリティッシュ・ファンク、ソウル、フュージョン、・・・だと思います。




.posted by H.A.

【Disc Review】“Waiting for Columbus” (1977) Little Feat

“Waiting for Columbus” (1977) Little Feat
Lowell George (lead vocals, guitar) Bill Payne (keyboards, synthesizer, vocals) Paul Barrere (guitar, vocals) Kenny Gradney (bass guitar) Richard Hayward (drums, vocals) Sam Clayton (congas, vocals) Mick Taylor (slide guitar) Michael McDonald, Patrick Simmons (backing vocals) the Tower of Power horn section: Emilio Castillo (tenor saxophone) Greg Adams (trumpet) Lenny Pickett (alto, tenor sax, clarinet) Stephen "Doc" Kupka (baritone sax) Mic Gillette (trombone, trumpet)

Waiting for Columbus
Little Feat
Warner Bros UK
リトルフィート


 懐かしのアメリカンロックシリーズ、サザンロックの雄Little Feat、Lowell Georgeが亡くなるまでの集大成的なライブアルバム。
 ファンキーでアーシーなようで洗練された音、完璧な演奏力。
 あの頃のアメリカンロックバンドとは一味も二味も違うカッコよさ。 
 ロックなようでソウルに近い音だったからでしょうかね。
 ニューオリンズ系のファンクの色合い、Dr.Johnとかの雰囲気ですね。
 基本的にはゆったりとしていて、性急な演奏や激しい演奏が無いこともあるのでしょう。
 ベースとドラムはロック離れしたファンキーなカッコよさ。
 ピアノもファンキー&ホンキートンクでとてもいい感じ。
 ギターも人気のスライドだけでなく、普通の音も、さりげないカッティングも、ツボを押さえた素晴らしい音使い。
 ホーン陣もさすがにTower of Power。
 いい感じのアンサンブルがソウルっぽさを醸し出し、ソロ、時折のニューオリンズ的集団即興もカッコいい。
 多くにフィーチャーされるホーンによって、スタジオ録音作品とは少々違う色合い、ロック離れした音に繋がっているように感じます。
 ルーズな雰囲気を醸し出しているようで、完璧な演奏。 
 ザックリ、ワイルドに作っているようで、ほんの少しアレンジを変えて、録音方法を変えれば、十分AORとしてもいけそうな洗練。
 もちろん代表曲揃い。
 ニューオリンズ系ファンクな”Fat Man in the Bathtub”、“Dixie Chicken”、“Rocket In My Pocket”、ファンキーなアメリカンロック”All That You Dream”、”Time Loves A Hero”、 “Mercenary Territory”、“Spanish Moon”・・・
 その他もろもろ、カッコいい演奏揃い。
 ノリノリの"Feats Don't Fail Me Now”でドカーンと盛り上がって締め。
 よくできたステージ。
 あの時代のおおらかでゆったりとしていて楽し気なアメリカのムードが伝わってきます。
 近年のCDでは、他にも未発表音源がたくさん追加されているようです。
 考えてみればこのバンドを初めて聞いたのはLowell Georgeが亡くなってから。
 その後もバンドが復活して活動していたことも知らなかった。
 たぶんカッコいいんだろうなあ。
 本作のCDもDeluxエディションに買い替えないとね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Rock of Ages” (1971) The Band

“Rock of Ages” (1971) The Band
Robbie Robertson (guitar, backing vocals) Garth Hudson (organ, piano, accordion, tenor, soprano sax) Richard Manuel (piano, vocals, organ, clavinet, drums) Rick Danko (bass, vocals, violin) Levon Helm (drums, vocals, mandolin)
Howard Johnson (tuba, euphonium, baritone sax) Snooky Young (trumpet, flugelhorn) Joe Farrell (tenor, soprano sax, English horn) Earl McIntyre (trombone) J. D. Parran (alto sax, clarinet) Bob Dylan (vocals, guitar)

Rock of Ages
Band
Capitol
ザ・バンド


 懐かしのアメリカンロックシリーズ、The Bandのライブアルバム。
 集大成というには早い時期の作品だけどもそんな内容。
 “The Last Waltz” (1976) なんてお化けのような名アルバムがあるけども、そちらはゲストが多いので、こちらの作品の方がThe Bandそのままの音でしょう。
 もちろん“The Last Waltz”でも、どんな大物ゲストが入っても、このバンドの音そのものなのですがね。
 Bob Dylan絡みでフォークロックの代表のようなイメージが強く、事実そうなのだけど、ソウルっぽい色合いも強いように思います。
 サザンソウル、あるいはニューオリンズ系ファンクからの影響が強いのでしょうかね。
 あまり意識はしていなかったけど、Little Featにも似ているし、Otis Reddingっぽい展開もあったりしますね。
 Eric Claptonはもちろん、Rolling Stones、Facesにもこのアルバムの展開の断片が出てくる場面がたくさんあったなあ。
 あの時代のよきアメリカを代表するような音。
 ロックに加えて、ソウル、フォーク、カントリー、その他を含めて混ぜ合わせた音。
 大らかで、ゆったりしていていて、自由な感じで・・・
 ガッツリとしたホーン陣のサポートがソウルっぽくてカッコいい。
 リズムも直球な8ビート一辺倒じゃなくて、自在でファンキー。
 ギターのカッコよさもさることながら、ニューオリンズ~ホンキートンクなピアノがいいなあ。
 バンドのキャリアとしては初期のはずだけども、名曲揃い。
 ニューオリンズ系ファンク“Don't Do It”から始まり、 “The Weight”、”Stage Fright”、”W.S. Walcott Medicine Show”・・・
 さらには近年のCDには追加で”I Shall Be Released”その他諸々、御大Bob Dylanも参加して数曲。
 締めはあの“Like A Rolling Stone”。
 アメリカでは一家に一枚、かどうかわわかりませんが、アメリカンロックの聖典、そんな音がぎっしり詰まったアルバム。




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