吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年08月

【Disc Review】“Sailing Wonder” (1977) Yoshiaki Masuo ‎

“Sailing Wonder” (1977) Yoshiaki Masuo ‎
Yoshiaki Masuo (guitars, synth, percussion)
Eric Gale (Electric Guitar) Dave Grusin, Mike Nock (Synth) Rechard Tee (piano, organ, clavinet) Gordon Edwards, T. M. Stevens (Electric Bass) Steve Gadd, Al Mack, Howard King (Drums) Bashiri (congas) Warren Smith (percussion) Shirley Masuom, Judy Anton (chorus)

セイリング・ワンダー
増尾好秋
キングレコード



 夏の終わりに似合う音シリーズ。
 あの時代のフュージョン作品で最も好きな作品の一つ。
 大好きなStuff中心のメンバーに、メローな曲、あくまでナチュラルな音作り・・・
 さらに航海モノ、南の島モノが大好きな立場としては、完璧な音。
 トロピカルフュージョンてな言葉がありましたかね?
 その語感よりは硬派な音。
 40年近くも前、あの時代の音。
 懐かしさはありますが、2016年の耳で聞いても古さは感じません。
 冒頭のタイトル曲。
 ゆったりとしたビートに、さりげない哀愁が漂うメロディ。
 ブンブンうなるヤクザなベースにタイトなドラム。
 いかにもRichard Teeなグルーヴィーなピアノ。
 さらに増尾さんとEric Galeのツボを押さえた切ないギターの絡み合い・・・
 インタールードでのEric Galeのこれしかないようなフレーズには何度聞いてもゾクッときます。
 おまけに波の音のSE・・・
 いやはやなんともちょっとやり過ぎでは・・・
 そしてエンディングに向けた再度のギターソロ、バンドのグルーヴのカッコいいこと。
 シンプルながらこの上もなくドラマチック。
 いつまでも続けばいいに・・・と思う時間。
 最後のさりげないコーラスまで完璧なアレンジ。
 さらに、続く波の音の中からトロピカルで素敵な二曲目が立ち上がり、コーラスに繋がる流れはまさにパラダイス。
 その可愛らしい曲の背後でこれまたヤクザにブンブンうなるベースがカッコいい。
 その後もエキサイティングなラテンジャズ、爽やかで穏やかなバラード、さらにはゴリゴリ、キメキメのハードフュージョンなどなど。
 ゆるゆるから超ハイテンションまで、海~南の島なムードがてんこ盛り。
 それにしてもタイトル曲の波の音のSEにはしびれるなあ・・・
 えっ?古い?ダサい?
 最高でしょう。
 夏のドライブにはこれがなくちゃね。
 えっ?行動パターンが古い?




posted by H.A.

【Disc Review】“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.

“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.
Grover Washington Jr. (Alto, Soprano, Tenor, Baritone Saxophones)
Ralph MacDonald (Congas, Percussion, Electronic Drums) Marcus Miller (Bass) Steve Gadd (Drums) Eric Gale (Guitar) Paul Griffin (Clavinet, Electric Piano) Raymond Chew (Clavinet) Richard Tee (Electric Piano) Robert Greenidge (Steel Drums) Ed Walsh, Bill Eaton (Synthesizer) Bill Withers (vocals)

Winelight
Rhino/Elektra
グローバー ワシントン ジュニア


 スチールパンシリーズ、この期の最後、ついに切り札のこれを出すか・・・
 バブル時代を経た人にとってスチールパンと言えばこれでしょう・・・
 ・・・ってなことはなくて、気が付いている人は相当のマニア。
 さりげなくて、カッコいいスチールパンの使い方。
 それも一曲、一部のみ。
 必殺大ヒットの"Just the Two of Us"。
 これこそRichard Tee!の「フェイザーがたっぷり効いた」ローズ。
 フワフワとした音が鳴り出すと、いまだに何だかワクワクします。
 歌はさすがに耳タコでごちそうさまですが、間奏のさりげないスチールパンのカッコいいこと。
 このふわりと立ち上がってゆらゆらと揺れるムードはスチールパンでないと作れないでしょう。
 ギターやピアノでは違うものになりそうだし、シンセサイザーなどもっての外。
 ここはこれでなければカッコがつきません。
 さらに場違いなほどバイタルなリーダーのサックス。
 その背景で慎ましやかにリフを刻むスチールパン。
 ドカーンと盛り上がって、リズムが落ちて、またローズ・・・
 さらに終盤、再度サックスの後ろでローズと一緒に淡々とリフを刻み続けるスチールパン。
 最高の組み合わせ。
 ベースが固めの音、チョッパー多用のMarcus Millerでなくて、Gordon Edwardsの柔らかくてヤクザなグルーヴだったら・・・、
 Eric Galeのギターの登場場面を増やしてくれれば、もっと涙ちょちょ切れだっただろうに表に出てくるのは一曲のみ・・・なんという贅沢・・・
 ってなのはさらにマニアックな話。
 でも、変えてしまうと崩れていくんだろうなあ・・・と思わせる完璧なアレンジ、キャスティング。
 今の耳で聞いても世紀の名曲、名演、名アルバムだと思うけどなあ。
 これこそエアコンがキリッと効いた夏のバー、ラウンジの音楽の極め付け。
 よく冷えた白ワインが飲みたくなりますねえ。
 今の季節、晩夏にも似合います。
 一世を風靡したこの曲、このアルバム、もうTVはもちろん、スーパーのBGMでさえも聞くことはなくなったのは寂しい限りですが・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“To the Evening Child” (1992) Stephan Micus

“To the Evening Child” (1992) Stephan Micus
Stephan Micus (Steel Drums, Dilruba, Nay, Voice, Sinding)

To the Evening Child
Stephan Micus
Ecm Import
ステファン・ミクス


 ドイツのマルチ楽器奏者Stephan Micus、スチールパンを前面に出したECM作品。
 ECMからたくさんの作品が出ていますが、いずれも世界各地の民族楽器を中心とした環境音楽的な作品。
 本作はスチールパンとボイスが主役。
 が、カリビアンな感じはありません。
 むしろアジア的なムード。
 インドネシア、ガムランのような雰囲気に近い金属の響きと、何語かわからないボイスが作る、幻想的な空間。
 ふわふわと漂うような不思議な世界です。 
 ゆったりと進む、あるいは停滞する時間。
 現れては消えゆく、どこか懐かしいメロディラインの連続。
 どこの国なのか、どの時代なのか、どの時間帯なのか曖昧な時空。
 ジャケットの写真の通り、静かな夜の星の動きのような音。
 何を表現したかったのかは、聞く人それぞれで考えればいいのでしょう。
 全体を包み込むような、なんだか暖かな空気が心地いい。
 穏やかで素敵なトリップミュージック。




posted by H.A.

【Disc Review】“Nature: The Essence, Pt. 3” (1997) Ahmad Jamal

“Nature: The Essence, Pt. 3” (1997) Ahmad Jamal
Ahmad Jamal (piano)
Othello Molineaux (steel drum) James Cammack (bass) Idris Muhammad (drums) Manolo Badrena (percussion) Stanley Turrentine (tenor saxophone)

Nature: The Essence, Pt. 3
Ahmad Jamal
Dreyfus
アーマッド ジャマル


 大御所Ahmad JamalのバンドにスチールパンのOthello Molineauxが参加した作品。
 正直Othello Molineaux目当てで聞いたアルバムですが、凄いのはAhmad Jamal。
 この時点で御歳おいくつだったかわかりませんが、超アグレッシブなピアノ。
 オーソドックスなビートのジャズがとても斬新。
 キューバのピアニスト、あるいはDuku Elligtonのような、アグレッシブ&エキサイティングなピアノ。
 アバンギャルドなようで整った音使い。
 無邪気にピアノと戯れているようで完璧な演奏。
 これは凄い。
 あの上原ひろみさんのデビューをサポートしていたのが、この人だったかな?
 さすがの攻撃力。
 モダンジャズ時代はこんな感じではなかったように思うのですが・・・
 Othello Molineauxはもちろん悪くありませんが、このリーダーには勝てそうにありません。
 Jaco Pastoriusは前面にフィーチャーしてくれましたが、Ahmad Jamalは甘くありませんねえ。
 道場みたい。
 結果、全体的にカリブっぽさはあまりなのが残念と言えば・・・
 ともあれ、凄いピアニストのちょっとビックリの凄いジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“ It's About Time” (1993) Othello Molineaux

“It's About Time” (1993) Othello Molineaux
Othello Molineaux (Steel Drums)
Romero Lubambo (Acoustic Guitar) Monty Alexander (Piano) Gil Goldstein (Accordion) Abel Pabon (Keyboards) Marcus Willett, Peter Sebastian (Bass) Ira Coleman (Acoustic Bass) Archie Peña, Duffy Jackson, Jonathan Joseph (Drums) Archie Peña, Robert Thomas, Jr. (Percussion) Duduka Da Fonseca (Berimbau, Cuica) Bob Mintzer (Tenor Saxophone, Bass Clarinet) Alex Foster (Clarinet) Dave Bargeron (Trombone) Randy Brecker (Trumpet) Carol Moore (Voice)

It's About Time
Othello Molineaux
Big World Music
オセロ モリノー


 Jaco Pastorius Word of Mouth Big Bandのスチールパン奏者Othello Molineaux、おそらく唯一のリーダー作。
 さすがにトリニダード・トバゴ出身、本場の人。
 アメリカ人のAndy Narellの洗練された音と比べると、ワイルドでいかにも本場のカリブっぽいスチールパン。
 微妙なタメ、揺らぎがとてもいい感じ。
 が、全体のサウンドは華やかで整ったアメリカンフュージョンミュージック。
 Bob Mintzerあたりが仕切ったのでしょうかね?
 そんなサウンド。
 本人作のオリジナル曲も意外にもポップス風味なメロディ。
 スタンダード“But Beautiful”の漂うようなバラード演奏のスチールパンの残響音が心地よくてカッコいいんだけどなあ。
 ともあれ全編完璧な演奏。
 アメリカンフュージョンのオールスターズの手練れた演奏に加えて、要所で入るラテンなパーカッションとコーラスも南国っぽくていい感じ。
 ジャケットのようなカリブ然としたエスニックでワイルドなサウンドではありません。
 期待していたサウンドとは異なりますが、あの時代のハッピーでラテンなフュージョンミュージックとして楽しみましょう。 




posted by H.A.

【Disc Review】“Sakésho” (2002) “We Want You To Say” (2005) Sakésho

“Sakésho” (2002) “We Want You To Say” (2005) Sakésho
Andy Narell (steelpan) Mario Canonge (piano) Michel Alibo (bass) Jean-Phillip Fanfant (drums)

Sakesho
Sakesho
Heads Up
アンディ ナレル
サケショー



 


 アメリカのスチールパン奏者Andy Narellと、カリブ出身、フランス在住のピアノトリオとのバンド。
 アコースティックなカリビアン・フュージョンといった面持ちの作品。
 いつものAndy Narellのアルバムだと洗練されたアメリカンな感じが強いのですが、このグループは少々ラフでダイナミックな感じでしょう。
 よく動くエレキベースとキレのあるにぎやかなドラムが作るラテンなビート。
 強烈な疾走感のピアノ。
 何気なく自然に繰り出されるラテンピアノの象徴、モントゥーノがカッコいい。
 強烈なグルーヴとこれでもかこれでもかとたたみかけてくるエキサイティング&スリリングな演奏。
 各人ともに凄い演奏力。
 これはピアノトリオだけでも凄いバンド。
 これだけのグルーヴと推進力を出せるバンドはそうそうないでしょう。
 Andy Narellも負けじとスティックの動きがいつもより速いかも。
 アコースティックピアノが中心となった背景な分だけ、Andy Narellのいつものリーダー作よりもジャズっぽい感じでしょう。
 メンバーが持ち寄ったオリジナル曲、Andy Narellはいつもの哀愁交じりですが、他は明るくて元気いっぱいなビートとメロディ。
 エアコンが効いたホテルのラウンジっぽいAndy Narellのフュージョン諸作に対して、炎天下な感じの熱いラテンジャズ。
 アルバム二作、どちらも同質、同レベル、とても心地よいカリビアン・ジャズ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tatoom” (2006) Andy Narell

“Tatoom” (2006) Andy Narell
Andy Narell (Pans, Tenor Bass/Tenor Pan, Guitar, Various Instruments)
Sonia Descamps (Pans, Tenor Pan) Laurence Guerrini (Pans) Ellie Mannette (Steel Drums) Jean-Philippe Fanfant, Mark Walker (Drums) Luis Conte (Congas, Percussion, Timbales) David Sanchez (Tenor Sax) Mike Stern (Guitar)

Tatoom
Andy Narell
Heads Up
アンディ ナレル


 スチールパン奏者Andy Narellのフュージョン作品。
 いつもは普通のフュージョンバンド編成にスチールパンが入る形ですが、本作ではベース、キーボードを排して打楽器以外はスチールパンで音を作る形態。
 本場カリブのスチールパンオーケストラをイメージしたのでしょう。
 いつもの彼のアルバムとは少々ムードが異なります。
 が、この人の場合、やはり洗練された音。
 素朴な感じに作ろうとしたのかもしれませんが、やはりリゾートホテルのラウンジっぽいフュージョンミュージック。
 但し、他の作品はエアコンが効いたリゾートホテルのラウンジな感じですが、本作は同じくリゾートホテルのラウンジでもオープンエアー。
 ちょっと湿った柔らかな風が吹いてくる音・・・
 ゲストで数曲のみ演奏するMike Sternのギターがカッコいい。
 歪ませないでコーラス?をかけた、涼し気なクリーントーン。
 スムースかつ強烈な加速感、疾走感が心地よいことこの上なし。
 カリブ出身のジャズメンDavid Sanchezもいかにもそれらしい、が、熱くはならないクールなサックス。
 夏はやっぱりこの手の音がいいですね。
 もうちょっと薄目な方が、もっと涼し気でいいのかな?




posted by H.A.

【Disc Review】“The Long Time Band” (1995) Andy Narell

“The Long Time Band” (1995) Andy Narell
Andy Narell (Steel Pan, Steel Drums, Bass, Drums, Guitar, Keyboards, Piano, Quadrophonics, Sax)
Keith Jones (Bass) Paul van Wageningen (Drums) Wally Buck, Michael Semanick (Steel Pan) Luis Conte (Bata Drums, Bongos, Congas, Percussion, Timbales) Steve Erquiaga (Cavaquinho, Guitar) Judd Miller (Synthesizer) Larry Batiste, Jackeline Rago, David Rudder, Sandy Griffith (Vocals)

The Long Time Band
Andy Narell
Windham Hill Records
アンディ ナレル


 アメリカのスチールパン奏者Andy Narellのフュージョン作品。
 多くの作品がありますが、私が知る限り本作が一番まとまっているように思います。
 あの時代のフュージョンの音ではあるのですが、これ見よがしな派手なアレンジはなし。
 1990年代に入ると不自然なまでのブレイクも流行らなくなったのか、あくまで自然な流れ。
 電子楽器の使用範囲も限られ、ほどほどナチュラルな音作り・・・、だからなのでしょうかね。
 また、名曲“Jenny’s Room”を含むカッコいい曲がいくつも収録されていることも大きいのでしょう。
 “Caribbean Night” (2010)のバージョンがとてもカッコいいのですが、ビッグバンドゆえに音が熱くなるのに対して、本作のコンボ演奏はあくまでクール。涼しげなのがいい感じ。
 どの曲も能天気に明るい感じではなく、少々の哀愁が漂うAndy Narellお得意のメロディライン。
 ほどほどにラテンなビート、ほどほどにパーカッションが効いたあくまで上品なグルーヴ。
 いつもながらのリゾートホテルのラウンジっぽい音楽。
 何曲かに入るネイティブっぽいボイス、コーラスもいかにもカリブっぽいのですが、なぜか感じる洗練。
 ソウル~AORっぽいもんね。
 南国っぽくてにぎやかだけども、エアコンがキリッと効いた爽やかな空気。
 派手さや興奮は抑え目、妖しさや予想外の展開などの新しさはありません。
 が、諸々のバランがとれた、安心して聞ける爽やか系カリビアン・フュージョン。




posted by H.A.

【Disc Review】“Hidden Tresure” (1979) Andy Narell

“Hidden Tresure” (1979) Andy Narell
Andy Narell (Steel Drums, Drums, Keyboards, Percussion, Piano, Timbales, Vocals)
Glenn Cronkhite (Drums, Percussion) Steve Erquiaga (Guitar) Richard Girard (Bass, Bass Accordion) Jenny Holland (Vocals) Steve Miller (Vocals) Jeff Narell (Percussion, Timbales) Kenneth Nash (Bongos, Congas, Percussion, Timbales, Vocals) Jeffrey Norman (Piano) Debbie Poryes (Vocals)

Hidden Treasure
Andy Narell
Inner City Jazz
アンディ ナレル


 夏らしく(それらしくないのも含めて)スチールパン、スチールドラムシリーズ。
 ジャズ、フュージョン系ではなかなか少数なようですが・・・


 フュージョン系スチールパン奏者Andy Narell、これがデビュー作なのでしょう。
 あの時代っぽく複雑ながら整ったリズム、ブレイク〜キメの多いアレンジのフュージョン。
 それでもナチュラルに仕上がっていて、今聞いても違和感のないサウンドです。
 パーカッションがラテンっぽさを醸し出していますが、カリブというよりも現代的なビート、フュージョンのムード。
 グルーヴに乗ったスチールパンの音が心地よい音作り。
 さらにいい感じのクリーントーンのエレキギター、ピアノのインプロビゼーション。
 他のバンドでの演奏は知らない人たちですが、なかなかの手練れです。
 他にもスチールパンとピアノのDuoやら、各人のソロやら、さまざまな編成での音作り。
 楽曲はオリジナル曲中心。
 カリブっぽくは作ってありますが、やはり洗練されたアメリカンな雰囲気ですかね。
 Andy Narellお得意のそこはかとない哀愁が漂うメロディ。
 最後に強烈な4ビート、ハイテンションなインプロビゼーションもあり、それがカッコいいんだけどなあ・・・
 後の涼し気で洗練された音になる一歩手前、少々熱いAndy Narell。




posted by H.A.

【Disc Review】"December Song” (2012) Jakob Bro

“December Song” (2012) Jakob Bro
Jakob Bro (Guitar)
Bill Frisell (Guitar) Craig Taborn (Piano) Thomas Morgan (Bass) Lee Konitz (Sax)

【輸入盤】December Song [ Jakob Bro ]
ヤコブ ブロ 【輸入盤】December Song [ Jakob Bro ]

 デンマークのギタリストJakob Bro、最新作、ECMからの"Gefion” (2013)の前作になるのでしょう。
 なんともすごい顔ぶれのアルバム。
 Lee Konitz御大を迎えて何かやろう、といった企画だったのかもしません。
 顔ぶれから想像できるそのままの音。
 強い浮遊感と非日常感、曖昧な空気感。
 Bill Frisellが参加していたPaul Motian Trioのような音ですが、さらに繊細なイメージ。
 師弟なのかどうかは分かりませんが、Jakob Bro、Bill Frisell、同じムードの二人が作る強烈な浮遊感の空間。
 全てスロー~ミディアムなゆったりとしたテンポ。
 漂うビートと淡いメロディ。
 集団即興といった感じではないのだけども、誰が主導権をとっているのか曖昧な音の流れ。
 Jakob Bro、Bill Frisellともにどちらがソロをとるわけでもなく、絡み合いもつれ合いながら進む時間。
 そんな曖昧な空気を切り裂くようなLee Konitzのアルト。
 この時点で80歳を超えていたのでしょうが、艶のある鋭い音。
 少し枯れた感じの節回しが寂寥感を誘います。
 さらにCraig Tabornも同じく浮遊する空間を切り裂く、さらにベースとともに飛んでいく音をまとめる役回り。
 ピアノの音量が上がると急に空間が引き締まります。
 また、"Gefion” (2013)にも参加しているベースのThomas Morganは地味ながら穏やかなグルーヴ。
 全く目立ちませんが、この人が加わるだけで音楽の質が変わるような希少なベーシスト。
 メロディ、ビートともに曖昧ながら全編を流れる穏やかな哀愁。
 現実と非現実の間を漂うような音。
 ジャズとかなんとかと超越した不思議な音楽。
 不思議な安らぎ。
 とても不思議なのですが、やはりこれは新しいのかもしれません。




posted by H.A.
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