吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年08月

【Disc Review】“Como respirar” (2008,09) Georgina Hassan

“Como respirar” (2008,09) Georgina Hassan  
Georgina Hassan (voice, cuatro venezolano, guitar)
Diego Penelas (piano, guitar, voice) Fernando Mántaras (contra bass) Rodrigo Quirós (drums, percussion) Lito Vitale (accordeon) Raly Barrionuevo (voice) Facundo Guevara (percussion) and others

Como Respirar
Georgina Hassan
ヘオルヒナ ハッサン


 アルゼンチン、現代フォルクローレのボーカリスト。
 瑞々しいアコースティックサウンドに透明度高い系のvoice。
 定番の現代フォルクローレサウンド。
 とても優雅なビート。
 バックビートは効いていませんが、その分穏やかで優しげな音。
 水の音、虫の声を背景に緩やかにアコースティックギターを爪弾く系。
 ピアノとギターを中心にしたオーソドックスなサウンド。
 さらに穏やかなピアノとアコーディオン、ベネズエラのウクレレ?クアトロの素朴な音、スチールパン的な音・・・
 などなど、趣のある穏やかな音の連続。
 ジャズ度、ボッサ度はありません。
 オーガニック系のポップスに一番近いのかもしれません。
 決して多くない音数ながら、繊細に作り込まれた音作り。
 個々の楽器の絡みを聞いているだけでも結構楽しかったりします。
 タイトルは「呼吸」の意?
 確かにそんな感じのさりげない日常の音。
 なお、お国もジャンルは違うのでしょうが、また発表も前後しますが、ブラジルのGisele De Santi“Casa” (2016)あたりと雰囲気が似ています。
 そちらは近年では出色のとても美しい作品ですが、同じぐらい美しい作品。
 美しい声と上品な演奏です。
 



posted by H.A.

【Disc Review】“Casa” (2016) Gisele De Santi

“Casa” (2016) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice)
Luiz Mauro Filho (piano) Vangner Cunha (strings)

カーザ
ジゼリ・ヂ・サンチ
プロダクション・デシネ
2016-08-10


 ブラジルのボーカリストGisele De Santi、ピアノとのDuoを中心としたアルバム。
 現代サンバの人、またポップス寄りの人だと思っていましたが、今回はブラジリアンビート抜きのしっとりとしたバラード集。
 ピアノのみを背景にして、時折バイオリンorビオラ?が音を加える形。
 ピアノは音数を絞り込んでいて、残響音のみが響く時間が多い音作り。
 透明度の高いこの上もなく美しい声がそんな空間に響きます。
 コンボでの“Vermelhos e Demais Matizes” (2013)も驚きの美しい声でしたが、その美しさがさらに際立つ作品。
 高い音が微妙に自然に裏返る、なんとも言えない雰囲気を持った歌。
 この質感に浮遊感といった言葉が適当かどうかはどうかわかりませんが、しっとりとしていながらも、要所々で軽く浮き上がる、そんな感じです。
 ピアノはあくまで薄目の背景を作るのみ。
 インプロビゼーションも控えめ。
 ストリングスも思い出したように上品なアクセントを入れるのみ。
 オーディオ的にも楽器の配置は奥。
 少し遠くから聞こえてくるような、余剰なものを徹底的にそぎ落とした音。
 その前面に出て、その上をフワフワと舞うような美しいvoice。
 楽曲はオリジナルが半数、Djavan, Chico Buarque, Caetano Veloso, Beatles。
 MPBを中心としたポップス曲が中心ですが、クラシック、あるいはフォルクローレのような優雅な響き。
 淡い色合いの切ないメロディ揃い。
 それでもこの声、歌い方でなければこの淡くて切ない色合いは出ないでしょう。
 とても美しく穏やか、とても上品。
 タイトル、ジャケットのイメージ通り、室内楽的でインティメートな音。
 ちょっとした緊張感はあるのかな?
 ここまで美しくて穏やかで上品な作品は他にあったかなあ?
 2016年のイチオシはこれかな? 




posted by H.A.

【Disc Review】“Vermelhos e Demais Matizes” (2013) Gisele De Santi

“Vermelhos e Demais Matizes” (2013) Gisele De Santi
Gisele De Santi (voice)
Gilberto Ribeiro Jr. (Keyboards, Guitar, Drums, Bass, Percussion, etc.) Gionanni Basbieri, Luciano Leaes (Keyboards) Fabricio Gambogi (Guitars) Wagner Lagemann, Ana Paula Freire (Bass) Cassiano Barreto Miranda, Marcos Suzano, Gustavo Rosa, Bruno Coelho, Tuti Sagui, Tuti Sagui (Percussion) Jorginho Do Trompete (Flugel horn) Ianes Gil Coelo (Flute) Vitor Ramil (Voice) and Others

ヴェルメーリョス・イ・ヂマイス・マティゼス
ジゼリ・ヂ・サンチ
プロダクション・デシネ
2013-11-13


 現代サンバにカテゴライズされるのでしょうか?ブラジルのGisele De Santi、セカンドアルバム。
 これはすごいボーカリスト。
 とてつもなく美しいvoice。
 少々ハスキーなシルキーボイスと書くと矛盾しているような気もしますが、そんな微妙な声。
 透明度高い系、かわいらしい系ですが、ここまで美しい声、なんとも説明し難い微妙な声は久々に聴いたような気がします。
 高い音がわずかに裏返り気味で、それでも全くぶれない安定感。
 力が入りそうなところでなぜかスルッと抜けていくようなイメージ。
 それらがなんとも微妙なニュアンス、優雅さ、優しさを醸し出しいるように思います。
 同じくブラジルのRoberta Sáに近い感じ。
 Roberta Sáもとてつもなく美しい声ですが、さらに濾過したような感じ?
 凄まじい美しさ、ってのも妙な表現ですが、素晴らしいvoice。
 全編に哀愁が漂うオリジナル曲中心。
 Roberta SáAna CostaMaria Ritaあたりのトラディショナルなサンバ系MPBとは違った色合い。
 終始緩やかなビート感、サンバ特有の高揚感を作るアレンジもありません。
 もっと穏やかで洗練された色合い。
 全体的にはポップステイストでしょう。
 歌謡曲っぽい、とまで思えるようなキャッチーさ。
 それでもアコースティックな質感、過剰に作り込まれているわけでもないので、あくまでナチュラル。
 考え抜かれた思われるアレンジ、あくまで静かで薄目の音がボーカルのカッコよさを際立たせているようにも思います。
 少々ポップス寄りの曲は少し好みとはズレるけども、この声の凄みには勝てません。
 ・・・にしても、ブラジルにはどれだけすごいボーカリストがいるんでしょうね?
 恐るべし。 




posted by H.A.

【Disc Review】“4321” (2006) Giana Viscardi

“4321” (2006) Giana Viscardi
Giana Viscardi (voice)
Michael Ruzitschka (guitar) Fabio Torres, Christian Gall, Guilherme Ribeiro (Keyboards) Marcio Arantes, Paulo Paulelli (bass) Sergio Machado (drums) Armando Marcal, Mathias Kunzil, Bruno Buarque (percussion) and others

4321
ジアナ・ヴィスカルヂ
Rambling Records
2006-07-05


 ブラジルのボーカリストGiana ViscardiのMPB作品。
 MPB、いろんなアーティスト、諸々の色合いの音がありますが、本作はジャズ・ファンク・ポップ系とでも呼んでおきましょうか。
 躍動感が前面に出たアコースティック・ブラジリアンポップス。
 “Live at Mojo Club” (1995) Joyce、“Agora” (2010) Dani Gurgelに近いムード。
 それらよりも少しアメリカンロック~ポップス寄りでしょうか。
 この手のMPBの女性ボーカルもの、旦那が楽器を弾いて、作曲、編曲、プロデュースまで手掛け、その人の色合いが強い音になる場合が多いようです。
 古くはAstrad Gilberto, Elis Regina, Joyce・・・、近年ではMaria Rita, Roberta Sa・・・などなどなど。
 そうでない方が少ないのでは?
 本作も夫君らしいMichael Ruzitschkaがギターと音楽監督。
 ちょっとロック混じりのヤクザな感じのカッコいいアコースティックギターが先導するバンドサウンド。
 ギタートリオ+ピアノを中心に、ボッサ、サンバ風味が隠し味のしなやかなビート、さりげないグルーヴ。
 アコーディオン、ストリングスなどが彩を添えるオーソドックスなスタイル。
 メロディは現代的アメリカンポップス風味かな、と思っていたら、旦那はオーストリア出身?、奥様とはバークリー仲間?のようですね。
 後で気付いて妙に納得。そんな感じの音です。
 そのオリジナル曲がカッコいい曲揃い。
 シンプルなようで小洒落ていて、オーソドックスなようでちょっとしたひねり。
 明るいポップス系はあまり好みではないのだけども、この楽曲群はいけます。
 ブラジル的ビートが背後に流れていることもあるのでしょう。
 主役のボーカルはブラジルの定番、気持ちスモーキーな優しい系。
 抜群のボイスコントロール、安定感。
 ちょっと押しが強い方かもしれません。
 ってな感じでオーソドックスなようで、ちょっとないカッコよさ。
 オシャレです。 




posted by H.A.

【Disc Review】“Buena Vista Social Club” (1996) Buena Vista Social Club, Ry Cooder

“Buena Vista Social Club” (1996) Buena Vista Social Club, Ry Cooder
Luis Barzaga (chorus vocals) Joachim Cooder (drums, percussion) Ry Cooder (guitars) Julio Alberto Fernández (vocals, maracas) Ibrahim Ferrer (vocals) Carlos González (bongos, cowbell) Juan de Marcos González (tres, guiro, chorus vocals) Rubén González (piano) Manuel ‘Puntillita’ Licea (vocals) Orlando ‘Cachaíto’ López (bass) Manuel ‘Guajiro’ Mirabal (trumpet) Eliades Ochoa (guitar, vocals) Omara Portuondo (vocals) Salvador Repilado (bass) Compay Segundo (guitar, vocals) Benito Suárez Magana (guitar) Barbarito Torres (laoud) Alberto ‘Virgilio’ Valdés (maracas, coro) Lazaro Vila (congas)

Buena Vista Social Club
Ry Cooder
Nonesuch
ブエナビスタ ソシアルクラブ


 大ヒットしたキューバンミュージック。
 とても優雅な世界。
 1940年代あたりで時間が止まったような世界。
 ジャケット写真のクラシックカーのような優雅さ。
 もちろん年月は経ていてもバリバリの現役。
 世界は時代と共に変化したかもしれないけども、このアルバムの音は昔のまま。
 しかも長い時間の経過がつけた皺が加わった深い音。
 いいことばかりでは無かったことを包み隠すようなグルーヴィーなビート、時折の熱狂。
 にじみ出る哀感。
 仕掛け人はRy Cooder。
 “Chicken Skin Music” (1976)、“Jazz” (1978)の延長線上ではないけども、古き良き世界を、現代の音で表現したという意味では同じ。
 が、先の二作はその古き良き時代を再現、あるいはそのエッセンスで作ったものかもしれないけども、こちらは21世紀直前、現代の「ホンモノ」。
 神々しいまでの存在感。
 Gonzalo RubalcabaやIrakere、Arturo Sandovalなどアメリカに渡ったCubaの人の音と比べると、ビート感は共通するものの、全く違う印象の音。
 洗練されているとともにアグレッシブな印象の渡米勢に対して、こちらは長閑なようで、平和なようで、楽しげなようで、全体を漂う哀感。
 演奏している人は無意識、打算無しにやってるのでしょうが、そこはかとなく漂う凄み。
 それが数十年の年輪であり、彼らが経てきた生活そのもの、外界に侵されていない純粋さ、なのかも。
 その中にさりげなく溶け込んでしまうRy Cooderも凄い人だなあ。
 Louis ArmstrongやBix Beiderbeckeが別世界で生きていて、今の時代に突然現れたらこんな感じのジャズなのでしょうかね。
 本作はもちろん、“Ibrahim Ferrer” (1999)、“Chanchullo” (1997-2000) Rubén González、その他含めて関連作品すべてがそんな音です。




posted by H.A.
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