吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年04月

【Disc Review】“Surrender” (2007) Jane Monheit

“Surrender” (2007) Jane Monheit
Jane Monheit (Vocals)
Sergio Mendes (Piano) Ivan Lins (Vocals, Keyboards) Alphonso Johnson (Bass) and others

Surrender
Jane Monheit
Conco
ジェーン モンハイト


 Jane Monheit、こちらからはSergio Mendesの定番”So Many Stars”。
 作者本人のご降臨。
 さらにはIvan Linsも自身の”Rio de Maio”でご客演。
 ゴージャスこの上ないストリングス、豪華なバンド、豪華なゲスト。
 完璧なアレンジ、完璧なボーカル。
 どうせやるならここまでやらないとね。
 最高です。




posted by H.A.

【Disc Review】“The Lovers, The Dreamers And Me” (2009) Jane Monheit

“The Lovers, The Dreamers And Me” (2009) Jane Monheit
Jane Monheit (Vocals)
Neal Miner, Scott Colley (Bass) Antonio Sànchez, Rick Montalbano (Drums) Peter Bernstein, Romero Lubambo (Guitar) Gil Goldstein, Michael Kanan (Accordion, Piano) and others

Lovers the Dreamers & Me
Jane Monheit
Concord Records
2009-01-20
ジェーン モンハイト

 ブラジル的ボーカルが続いていますが、次はメインストリームジャズのボーカリストJane Monheitのブラジル曲。
 あまりジャズ的な歌い方の人ではありませんが、美しい声、クラシック的な?確かな歌唱力、豪華なサポートメンバーで良質な作品がたくさん。
 また、どのアルバムもブラジル系を含め、ツボを押さえたいい選曲。
 ここではブラジルの大御所Ivan Linsの”No Tomorrow” (Acaso)。
 涙がちょちょ切れるような、激甘、ベタベタの哀愁曲、いかにもIvan Linsな曲。
 その激甘ベタベタの曲を、激甘ベタベタのお姫様が、豪華メンバーのたっぷりエコーを効かせた音を背景に歌うんだから、これに勝るモノなし。
 作者本人も顔負けの、この曲の世界。
 もはやひれ伏すのみ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Adentro Floresta Afora” (2015) Leonora Weissmann

“Adentro Floresta Afora” (2015) Leonora Weissmann
Leonora Weissmann (Vocal)
Rafael Martini (Piano, Gutar, Steel drums, Vocal, etc) Rafael Macedo (Guitar, Vocal) Alexandre Andrés (Flute, Vocal) Frederico Heliodoro (Contrabass) Edson Fernando (Percussion, Steel drums, Vibraphone, Glockenspiel, Vocal) Felipe José (Violoncelo), Renato Motha (Guitar, Vocal) Patricia Lobato, Sérgio Pererê, Leopoldina, Beth Dau (Vocal)

レオノラ ヴァイスマン

 ミナス系MPBボーカリストLeonora Weissmann。
 詳細な情報は持っていませんが、例のごとく優しいミナスサウンドながら、普通とは少々異なるカッコよさ。
 いろんな楽器が絡みますが、基本的にはピアノトリオ、ギター+管のサポート。
 基本的はフォルクローレの色も強いミナス系のサウンドですが、不思議系が入る音。
 アレンジが凝っていて、Vibraphone、Steel drumなどこの種の音楽ではあまり使われない楽器、コーラスワーク、Naná Vasconcelos的なvoiceと効果音、Egberto Gismonti的展開、アグレッシブ系のビート、などなど、要所にいろんな仕掛けが組み込まれています。
 また、基本線はポップで優しいメロディの中に、不協和音ではないのだけも、ちょっと変わったメロディや展開が組み込まれています。
 諸々あわせて不思議系、幻想的なムードも漂います。
 さらに、ピアノのタッチが美しく、只者ではない感が漂う音使い。
 フルート、ベースなども含めてインプロビゼーションもカッコいいし、ジャズ的なグルーヴもしばしば。
 ビートが常に効いているわけではありませんが、普通にコンテンポラリージャズとしてもカッコいい演奏。
 ボーカルはキレイ系。
 素直で伸びやかな歌ながら、スキャット中心にこれまた少々幻想的な質感。
 例によって水彩画系のジャケット。
 ジャケット通りにナチュラルでアコースティック、淡くて、優しくて、郷愁感が漂ういつもの質感・・・ではあるのですが、少々のひねり。
 全体を眺めると、前向きで優しいミナス系の音からは外れないものの、クリエイティブ系。
 これはカッコいいんではないでしょうか。




posted by H.A.

【Disc Review】"Irene Preta, Irene Boa" (2013) Irene Bertachini

"Irene Preta, Irene Boa” (2013) Irene Bertachini 
Irene Bertachini (vocal)
Leandro César (guitar) Edson Fernando (Drums, Marinba, etc.) Rodrigo Lana (Keyboards) Tiago Buiú (Bass) and others

イレーニ ベルタチーニ

 ブラジルのボーカリスト、ミナスな音楽。
 水彩画をあしらったジャケットから想像されるように、近年のアルゼンチンのフォルクローレ、オーガニック系音楽に近い質感。
 とても優しく平和な音楽。
 そもそもブラジル・ミナスとアルゼンチンって音の質感が近いんでしょうね。
 リオの陽気なサンバ、あるいは都会的なボッサとは全く別の質感。  
 ゆったりとしたテンポ、のどかなムード。
 ギター、ピアノを中心とした穏やかな演奏に加えて、小編成のストリングスやら、クラリネットやらが彩りをつける背景。
 要所で出てくるマリンバが素朴な感じを醸し出していい感じ。
 ボーカルはこれまたブラジルの定番、透明なようでわずかにスモーキーな優しげな声。
 怒鳴ったり、声を張り上げたりはしない穏やかな歌。
 柔らかなポルトガル語の響き。
 楽曲はオリジナル中心、いかにもミナス的、あるいはフォルクローレ的なふわりとした優しげなメロディ。
 南米音楽特有の穏やかな郷愁感。
 部屋で小さな音で流していると、別の場所へトリップしたような不思議な感覚。
 とても優雅、これまた和みます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Tanto Tempo” (2000) Bebel Gilberto

“Tanto Tempo” (2000) Bebel Gilberto
Bebel Gilberto (Vocals)
Luis do Monte, Chris Franck (Guitar) João Parahyba (Percussion) and others

Tanto Tempo
Bebel Gilberto
Imports
ベベウ ジルベルト


 大ヒットしたアルバムなのでしょう。
 ものすごくよくできたクラブ〜ラウンジ?フレンチボッサ?テイストのブラジリアンポップス。
 人工的なような、ナチュラルなような、不思議な浮遊感。
 現代的なような、ノスタルジックなような、不思議な空気感。
 前半は終始ゆったりとしたリズム、とても静か。
 基本、ギターとパーカッション+電子しかないはずなのですが、もの凄く豊かな音空間。
 それを背景に、クールで優し気なブラジリアンボイス。Gilbertoブランドがなくとも有無を言わせない素晴らしさ。
 後半は少し昔の普通のボッサっぽかったり、8ビートだったり、ついにはいかにもクラブっぽい音も出てきますが、それでも不思議な浮遊感は消えません。
 何のことはない演奏、歌のようで、アレンジと電子音がとてもクールで現代的。
 現代ブラジリアポップスの金字塔というと大げさか?
 決して流行りものではなく、10年以上経過した今聞いても、私は古くないと思います。
 George Clooney主演の何かの映画の中でやたら使われていましたが、映画のタイトルすら思い出せないけども、山中?海辺?のバーのかがり火の映像だけがイメージに残っています。
 そんな映像的な音でもあります。

 なお、彼女がユーミンの曲を歌った”海を見ていた午後”(1991)は遠い昔のドライブのお供。
 タイトル曲をバラードにしないアレンジにガッカリしたり・・・
 もろバブル時代ですね。
 懐かしいような恥ずかしいような・・・まだ売ってる・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“Arrebol” (2006) Aline De Lima

“Arrebol” (2006) Aline De Lima
Aline de Lima (Voice)
Gustavo Saini (Acoustic Guitar) Paul Scolow (Bass) Paulo Braga (drums) Viniciun Cauntuaria (Guitar) and others

Arrebol
Aline De Lima
Naive
2007-04-02
アライン リマ

 ブラジルのボーカリスト、前掲“Acai” (2008)の前作。
 しっとりとしたブラジリアンポップスであることは同様ですが、こちらは少々のデジタル仕掛けもある、クラブ〜ラウンジテイスト。
 フランスでの制作?なのかもしれませんが、イタリアンクラブジャズの雰囲気も少々。
 大ヒットした“Tanto Tempo” (2000) Bebel Gilbertoの流れのラウンジ・ボッサなのでしょうが、ビート感は強め。 
 アコースティックなギタートリオをベースに、要所にエレキギター、トランペット、電子的な効果音、ループなどが加わる現代的な構成、音作り。
 素朴さは感じませんが、ナチュラルテイストは強。
 本作もオリジナル曲が中心ですが、これまた全て佳曲。
 哀愁が漂うホントにいい曲ばかり。
 現代的なノリながら、ナチュラルさもあるブラジリアンサウンド。
 その上に、ふわりとした優しげなボイス。
 とてもクール、優雅で素晴らしいアルバムです。




posted by H.A.

【Disc Review】“Acai” (2008) Aline de Lima

“Acai” (2008) Aline de Lima
Aline de Lima (Voice)
Dominique Fillon (Clavinet, Fender Rhodes, Organ, Piano) Jun Miyake (Fender Rhodes, Piano) Marie Friea (Guitar) Illya Amar (Vibraphone) Julio Gonçalves (Percussion) Natallino Neto (Contrabass) and others

Acai
Aline De Lima
Naive
2008-06-11
アライン リマ

 ブラジルのボーカリスト、しっとりとしたブラジリアンポップス。
 ブラジル定番のちょっとスモーキーな声ではなくて、透明感が強い系、かわいらしい系。
 サラリとした歌い方と優しげなムードは定番通り。 
 背景はピアノ、エレピ、ギターを中心とした、これまた定番の柔らかしなやかテイスト。
 ゆったりとしたリズムがとても優雅。
 リオ、ボサノバ系でもミナス系でもなさそうな、現代的、スタイリッシュ・テイストなブラジリアンポップス。
 あくまでナチュラルな質感の方。
 前作?“Arrebol” (2006)はクラブ的クール系の色合いが強かったのに対して、本作はいわゆるオーガニック・ポップな雰囲気も強めで、ほのぼのした雰囲気。
 プロデューサーに日本人っぽい名前がありますので、その色合いもあるのでしょう。
 曲はオリジナル中心、どれもそこはかとない哀愁が漂う佳曲、これまた定番。
 定番、定番で、修飾句を並べるとどれも同じようなものになってしまうのだけども、ナチュラルテイストのブラジリアンポップスとして、とても素晴らしい作品です。
 全部合わせて緩やかな浮遊感がとても心地よい音楽。
 どこかにトリップさせてくれそうな質感もこの種の音楽の「定番」。
 この作品の行先は、ジャケット通り、とても静かで涼しげな海岸、そんな音。





posted by H.A.

【Disc Review】“Ceu e Mar” (2012) Leila Pinheiro; Nelson Faria

“Ceu e Mar” (2012) Leila Pinheiro, Nelson Faria
Leila Pinheiro (vocal) Nelson Faria (guitar)

Ceu E Mar
Leila Pinheiro
Biscoito Fino Br
レイラ ピニェイロ 
ネルソン ファリア 

 こちらも“Janelas Abertas” (1999) Carol Saboyaと同じく、ギタリストはNelson Faria、ボーカルとのDuo作品。
 ボーカルはベテランのLeila Pinheiro。
 Ivan Lins、Edu Lobo、Djavanなど、古今の名曲集。
 本アルバム、ギターがエレキギターなのが希少。
 声とギターのみ、柔らかなクリーントーンがよく響き、心地よさ抜群。
 ガットギターばかりだと飽きちゃうもんね。
 ボーカルは落ち着いた声の人。
 ちょっと低めのトーンで、さりげなくサラリと歌う大人な歌。
 ギターもこれまた奇をてらわない、シンプルな大人な音。
 哀愁が漂う、決して派手ではない、素敵で大人な楽曲。
 静かだけど行きすぎない、落ち着いた時間。
 和みます。




posted by H.A.

【Disc Review】“Janelas Abertas: Interpretam Cancoes de Antonio Carlos Jobim” (1999) Carol Saboya, Nelson Faria

“Janelas Abertas: Interpretam Cancoes de Antonio Carlos Jobim” (1999) Carol Saboya, Nelson Faria
Carol Saboya (vocal) Nelson Faria (guitar)

キャロル サボヤ
ネルソン ファリア 

 ブラジルの女性ボーカリストCarol Saboya、前掲“Beleza” (2012)の10年以上前、ギターとのデュオによるJobim曲集。
 ギターはジャズの人かな?
 ボッサボッサしてなくて、コードでリズムを刻むのではなく、アルペジオが印象に残る演奏。
 ソロ部分を含めて手堅い演奏。
 おそらく名手なのでしょう。
 Jobim集ですが著名な曲は少なく隠れた佳曲の選択、バラード中心の淡々とした演奏、アーティストは強烈に自己主張するタイプではない、おまけに質感が普通のボサノバとはちょっと違う・・・・・・
 地味なようで、実はこれがいい感じのバランス。
 Jazzに食傷して、さらにBrazil系にも飽きてきたときにちょうどいい具合。
 とても優しい素敵な音楽。




posted by H.A.

【Disc Review】“Beleza” (2012) Carol Saboya

“Beleza” (2012) Carol Saboya
Carol Saboya (vocal)
Antonio Adolfo (piano) Claudio Spiewak (guitars) Jorge Helder (bass) Rafael Barata (drum, percussion) Dave Liebman (soprano, tenor saxophone) Hendrik Meurkens (harmonica)

Belezas
Carol Saboya
CD Baby
2012-07-09
キャロル サボヤ

 ブラジルの女性ボーカリストCarol Saboya、Ivan Lins、Milton Nascimentoの作品集。
 いい曲をたくさん書くこの二人、ジャズを含めて素晴らしいカバーが多い名曲揃い。
 このアルバムもそんな名曲、名演奏集。
 いかにも現代的なブラジルっぽい洗練された演奏、しっかりした歌。
 柔らかなリズムの上でのクリーントーンのエレキギター。
 典型的な爽やかな現代ブラジル音楽の作り方。
 ボーカルは、美しい声、素直な発声、素直な歌唱。
 ブラジル定番のウイスパー系、あるいはスモーキーなタイプでなくて、素直でキレイな声、歌い方。
 そしてこちらは定番の優しげなムード。
 スタイリッシュというよりも和めるタイプでしょう。
 もちろん大御所作者本人たちが自身で歌ったバージョンもいいんだけども、少々脂っこいそれらよりも、サラリとしていて爽やかなこのバーションもよろしいのでは。
 名曲“Abre Alas”など、とても凄いSarah Vaughan”Copacabana” (1979)のバージョンと比べると、好みはさておき、ヘビー級とフライ級の落差。 
 あちらは湿った風、こちらはサラリと涼しげな風が吹いてくるような音。
 今の季節にはピッタリ。




posted by H.A.
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