吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2016年02月

【Disc Review】“Tokyo Solo” (2013) Andre Mehmari

“Tokyo Solo” (2013) Andre Mehmari
André Mehmari (piano)

Tokyo Solo
Andre Mehmari
SPACE SHOWER MUSIC
2014-10-08
アンドレ メマ

 André Mehmari、ピアノソロでのライブ録音+α。
 音の加減がジャズのそれではなく、クラシック的。
 遠いところで響いている感じのピアノの音を含め、とてもエレガントなピアノソロ。
 オリジナルの名曲、ブラジルの名曲が半々。
 いずれもメロディアスで優しげ、とても優雅なライン。 
 スローテンポでの絶妙なタメ、伸び縮みするリズム、浮遊感。
 突然現れるキラキラとした高音での速いオブリガード。
 クラシックのムードが強いフレージング・・・・・・。
 インプロビゼーションといった言葉は今ひとつしっくりきません。
 もちろんインプロの場面は多いし、そこは自由に弾いているのでしょうが、ジャズ系のピアノソロとはイメージは違います。別のカテゴリの音楽。
 あくまで楽曲重視。
 テーマのメロディにその変奏を交えながらコンパクトにまとまとめて表現していく。
 譜面があるかどうかはさておき、クラシックとかタンゴとかに近い感覚なのでしょうね。
 自身の名曲”Um Anjo Nasce”(天使の誕生?)を先頭と最後に配置し、超高速なGismontiナンバーで締める構成。 
 どんなストーリーを考えたのはわかりませんが、全体を通じた上品で優しげなムード、しなやかなグルーヴ、ジャズ系とは別の凄み。
 最後に加えられたスタジオ録音の4曲含めて、明るく前向き、全体を包み込む郷愁感。
 とても素敵なピアノミュージック。
 




posted by H.A.

【Disc Review】“Afetuoso” (2011) Andre Mehmari

“Afetuoso” (2011) Andre Mehmari
Andre Mehmari (paino)
Sergio Reza (drums) Ze Alexandre Cavalho (bass) Ivan Lins (vocal)

Afetuoso
セレスト
2011-10-05
アンドレ メマ

 Andre Mehmari、ピアノトリオでの近作。
 ピアノトリオ以外の音がほとんどなくピアノが前面に出ている分、またリズムが少し強めな分、目下最もジャズに近い作品なのでしょう。
 クラシックの香り、Keith JarrettとEgberto Gismontiを足して、百倍柔らかくしたようなイメージのピアノ。
 いつもより少し強めのリズム、ピアノのタッチ。
 それでも特別な柔らかさ、独特の浮遊感は消えません。
 Milton Nascimento、Toninho Hortaナンバーのメドレーから始まる明るくて前向きな楽曲群。
 それでも後半のIvan Lins、とても悲し気なオリジナル曲〜Drival Cymmiナンバーなど、センチメンタリズムは消えません。
 全体を通じたほんのり温かい郷愁感。
 柔らかく揺れる静かなグルーヴ。
 20世紀にはなかった、とても素敵な新しいタイプのジャズ。




posted by H.A. 

【Disc Review】“Veredas” (2006-2008) Andre Mehmari

“Veredas” (2005-2008) Andre Mehmari
Andere Mehmari (paino, voice, etc.)
Monica Salmaso, Na Ozzetti (Voice) Teco Carvalho (Baritone sax) Ze Alexandre Cavalho, Neymar Dias (bass) Hamilton de Holanda (bandolin) Sergio Reza (drums) Rita Alterio (Lyrics)

Veredas
Andre Mehmari
Egea
2012-12-11
アンドレ メマ

 ブラジルのピアニストAndre Mehmari。
 “de arvores e Valsas” (2008),  “Continna Amizade” (2007), “Piano e Voz” (2005)からのオムニバスアルバム。
 とても優しい現代のブラジル音楽。
 フォルクローレ、ショーロ、ボッサ、ジャズその他諸々が溶け合った、南米的な郷愁感あふれる音。
 オムニバスながら一貫性のある世界観。
 さりげなく挿入された”New Cinema Paradiso”、全篇そんな音。
 こぼれ落ちるような繊細なピアノの音と柔らかで優しいメロディ。
 彩りをつけるバンドリン、サックス、そして遠くから聞こえるvoice。
 全体から滲み出すほのかに温かな郷愁感。
 熱狂や興奮からは距離を置いた音・・・遠い目をした音・・・ 。
 ジャズファンの間ではピアノトリオ作品“Afetuoso”(2011)が人気なのでしょう。
 こちらは、コンボ、ボーカル曲、バンドリンとのDuo・・・どの編成でも流れている空気は同じ。
 もっともっと柔らく優しい、素敵な音楽。
 





posted by H.A.

【Disc Review】“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari

“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari
Andre Mehmari (paino)
Sergio Reza, Rogerio Boccato (drums) Celio Barros, Ze Alexandre Cavalho, Neymar Dias (bass) Monica Salmaso (Voice) Domios Goudaroulis (cello) Luca Raele (Clarinet)

アンドレ メマ

 ブラジルのピアニストAndre Mehmari、ピアノトリオを中心とした初期の作品。
 ジャズ的ではあるものの、フォルクローレ、ミナス、その他が入り混じった、南米的な郷愁が滲み出す音楽。
 とても優しいピアノ。
 決して強くは弾かない。
 繊細なタッチ、フレーズの先頭がほんのわずかに遅れながら立ち上がってくるように聞こえる、あるいは丸く聞こえる柔らかな音。
 柔らかな揺れ、柔らかなグルーヴ。
 ここでは後年の一時期に感じたKeith JarrettEgberto Gismontiの影はありません。
 むしろこちらの方が彼の自然なスタイルなのでしょう。
 端的にジャズ的ではなくクラシック的でもない、おそらく両者をうまく消化し、ブラジル、ミナス?の空気の中で醸成した人の音。
 彼ならではの色合いのピアノ。
 半数はブラジルの巨匠からの選曲。自然でオーソドックスな感じのアレンジなのに、オリジナリティを感じる素晴らしいカバー。
 この人、唯一無二のとても優しい演奏。
 そして、巨匠の名曲に並ぶような、優雅でセンチメンタルなオリジナル曲。
 さらにとても印象的に、とても慎ましやかに入るvoice、clarinet、cello、・・・全てから滲み出す郷愁感。
 ほんのり温かい音。遠い目をしたような音。
 タイトルの“Lachrimae:ラクリメ”は、ラテン語で「涙」の意味のようですね(?)。
 これは大傑作。




posted by H.A.

【Disc Review】"Lotus" (2015) Mike Moreno

"Lotus" (2015) Mike Moreno
Mike Moreno (electric and acoustic guitars)
Aaron Parks (piano, Rhodes) Doug Weiss (bass) Eric Harland (drums)

Lotus
World Culture Music
2015-12-01
マイク モレーノ

 ニュヨーク・コンテンポラリージャズのギタリストMike Moreno、“Another Way”(2012)に続く最新作。
 メンバーを眺めるとあの名作“Invisible Cinema”(2008)Aaron Parksとはベーシストが違うだけ。
 この人、ギター自体は近年の若手の中ではオーソドックス寄り。
 浮遊感はGilad Hekselmanと同様、Kurt Rosenwinkelみたいにゴリゴリとはやらないし、一番普通に聞きやすいポジションのはず。
 が、アコースティックギターで静かに始まる本作も変拍子の連続。
 ドラムを強調気味の録音、うるさくはないけども、どこに入るのかわかるようなわからないような、乾いたスネアの音が相当効いています。ピアノよりも目立っていたりして。
 そんな音を背景にして、ギターはいつもながらの艶やかなクリーントーンでスムースなフレージング。
 複雑怪奇なビート上で優雅に音を繋いでいくイメージも今までの作品そのまま。
 ビート感強め、ドラムとギター、あるいはバンドが終始バトルっているイメージもあって、それが新鮮かもしれません。
 曲は全てオリジナル。甘いムードの曲はありませんが、少々の哀感、クールな質感がいかにも今のニューヨーカー風。
 ってな感じで、全体的には軽快でキレイ、洗練されたムード。
 が、やってることはかなり複雑。
 これまた、最近のニューヨーク系のクリエイティブな人たちの音の典型、なのでしょう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Another Way” (2012) Mike Moreno

“Another Way”(2012)Mike Moreno
Mike Moreno (guitars)
Aaron Parks (piano) Warren Wolf, Chris Dingman (vibraphone) Matt Brewer (bass) Ted Poor, Jochen Rueckert (drums)

Another Way
World Culture Music
2012-03-06
マイク モレーノ

 今をときめく人気ギタリストMike Moreno。
 近年、多くのコンテンポラリー系Jazzギタリストが活躍していますが、私的な好みはこの人が一番。
 音は艶やかでスペーシー、ロックテイストは少々のみ。フレージングはちょっと複雑だけと難解ではない範疇、これ見よがしな派手さもなし。
 あくまでクールな質感。
 アルバムはいかにも現代のアメリカ的Jazz。
 何拍子かよくわからない複雑なビートにメカニカルな楽曲、あくまでアコースティックな音。
 数曲でフィーチャーされるvibraphoneがクールさを増し、名手Aaron Parksを中心とするピアノトリオがこれまたクールなサポート。
 その背景の中での柔らかなインプロビゼーション。
 グルーブ感は強いのだけども、汗の飛び散るようなといったエネルギー感は薄め。
 それがクールさを醸し出して、今風なのかもね。
 薄暗くて埃っぽい感じのライブハウスよりも、エアコンがキリッと効いたモダンなインテリアの空間に似合いそうな音。

(※この投稿は2014/07/03より移動しました。)





posted by H.A.

【Disc Review】"First In Mind" (2011) Mike Moreno

"First In Mind" (2011) Mike Moreno
Mike Moreno (guitar)
Aaron Parks (piano, Fender Rhodes) Matt Brewer (bass) Kendrick Scott (drums)

First in Mind
Criss Cross Jazz
2011-06-06
マイク モレーノ

 Mike Moreno、サードアルバム、前作"Third Wish" (2008)に続いてCrissCrossから。
 こちらも半数がカバー曲ですが、Joshua Redman2曲などちょっと新しめの曲が中心。
 それらもよいのですが、冒頭のオリジナル曲にカッコいいところが凝縮されています。
 複雑なビートながら浮遊感のあるメロディ、ミディアムのゆったりしたテンポ、シャープな演奏。
 それらを背景にゆったりとした、艶やかなクリーントーンのギター。バックが煽っても、速いフレーズになっても何故かゆったりとした堂々とした雰囲気、優雅なムード。
 このあたりがこの人の真骨頂、さりげないようで凄みを感じます。
 緩やかだけど複雑な変拍子の上で、ビートを無視して淡々と弾き切るようにも聞こえるので、そんな風に感じるのかな?それがクールだったりもするのでしょう。
 スタンダードや強烈な変拍子もいいですが、そんな感じの演奏が一番よいですねえ。
 本作も前作と同様に4ビートな演奏と、変拍子な演奏が入り混じる構成。
 そんなCrissCrossからの作品はここまで。
 スタンダードではなく、また複雑なビートのオリジナル曲中心、ファーストアルバム"Between The Lines" (2007)のMike Morenoに戻り、クールな”Another Way”(2012)、さらにビートが強めの最新作"Lotus" (2015)へと繋がっていきます。

※収録曲の映像はあのAireginしかないか・・・


posted by H.A.

【Disc Review】"Third Wish" (2008) Mike Moreno

"Third Wish" (2008) Mike Moreno
Mike Moreno (guitar)
Kevin Hays (piano, Fender Rhodes) Doug Weiss (bass) Kendrick Scott (drums)

Third Wish
Criss Cross Jazz
2009-01-01
マイク モレーノ

 Mike Moreno、セカンドアルバム、オランダのCrissCrossから。
 モダンジャズなイメージが強いレーベルですが、近年はコンテンポラリー系の佳作が多く、これもそんな一作。
 が、スタンダードやジャズメンの楽曲が半数、それらの素直なビート感はレーベルの意向なのかな?変拍子なオリジナル曲は終盤に集められています。
 結果的にはとても聞きやすくて、カッコいいギターを素直に聞けるアルバム。
 ビートが普通であってもこの人のギターだけで十分に強い浮遊感。
 艶やかなクリーントーン、ゆったりとした優雅なフレーズに加えて、一音一音が明確な速弾きにクールな凄みを感じます。
 思えば初めて聞いて凄いギターと思った”Invisible Cinema” (2008) Aaron Parksでのギターもそんな感じでしたかね?軽めでも変拍子だったかな。
 さておき、この素直なビート感とオーソドックスに聞こえるギターが良いか、別のレーベルでの変拍子中心の音楽が良いかはお好み次第。
 私は普通のビートでやっても十分に個性的でカッコいいと思うクチです。
 これだけのメンバーであれば何をどうやってもカッコよくなりそうだし。
 でもそれを許さないのがアーティストの矜持なんでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】"Between The Lines" (2007) Mike Moreno

"Between The Lines" (2007) Mike Moreno
Mike Moreno (guitars)
John Ellis (tenor, soprano sax) Marcus Strickland (tenor sax) Aaron Parks (piano) Doug Weiss (bass) Kendrick Scott, Tyshawn Sorey (drums)

Between The Lines
World Culture Music
2007-01-01
マイク モレーノ

 Mike Moreno、デビューアルバム。
 複雑なビート感、クールで浮遊感のある音使い。いかにも近年のコンテンテンポラリージャズ。
 艶のあるクリーントーン、ゆったりとした印象、浮遊感の強いのフレージング。でも加速し出すと不思議なくらいの推進力、疾走感。
 Pat Methenyのイメージが近そうだけども、もっと落ち着いたイメージ。
 決して気をてらったようなフレージングではないのだけども、全体を漂う不思議感。
 ビートとオリジナル曲のメロディが不思議系、複雑系だからでしょうかね。
 さらに徐々に盛り上がるドラマチックな展開も今風のコンテンポラリージャズ。サックス含めて起承転結が見え、終盤でキッチリ盛り上がるカッコいいインプロビゼーション。
 たまに出てくる4ビートが逆に新鮮に感じられてしまうのもこれまた不思議。
 複雑そうだけども決して重苦しくはない、クールな最新型ジャズ。
 随分時間が経っていますが、2016年の今聞き直しても最新型のカッコいいジャズだなあ。
 最新作と比べるとかなり柔らかな質感。
 やはりビートをもっと強くしてみようってことが、最新作"Lotus" (2015)の挑戦だったのでしょうね。




posted by H.A.

【Disc Review】“Home” (1979) Steve Swallow

“Home” (1979) Steve Swallow
Steve Swallow (bass)
Sheila Jordan (voice) Steve Kuhn (piano) David Liebman (saxophones) Lyle Mays (synthesizer) Bob Moses (drums)

Home
Universal Music LLC
2009-02-25
スティーブ スワロー

 Steve Swallow、最近作“Into the Wood” (2011) より30年以上前、1970年代のコンテンポラリージャズ。
 こちらは、モダンジャズではなく、フュージョンでも無く、あくまでコンテンポラリージャズ。
 カッコいい演奏揃い。
 リーダー含めてオールスターのメンバー。
 シンプルなようで不思議系、ちょっとすっとぼけたようでエキサイティング、推進力の強い音のイメージを決めているのはもちろんリーダーでしょう。
 が、このアルバムの主役はSteve KuhnDave Liebmanかな?
 微妙にタメを入れながらドラマチックな音の流れを作るSteve Kuhn
 対して、あくまで自然に流麗に音を組み立てていくDave Liebman
 どちらにも感じられる微かな狂気。
 こりゃ相性バッチリですね。
 聞き慣れたDave LiebmanRichie Beirachとのコンビネーションに勝るとも劣らず。
 ほぼ全曲でフィーチャーされるSheila Jordanのボーカルも妖しげでいい感じ。
 決定的な名曲がないのが残念ですが、どの曲も悪くない。
 明るくて元気いっぱい。
 でもどことなく妖しげ。
 なぜか前に進む不思議なグルーヴ。
 聞き易くて、当たり前のようで、妖しくて、カッコいい音楽。




posted by H.A.
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