吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2015年12月

【Disc Review】” Sonhos de Nascimento” (2013) Bianca Gismonti

” Sonhos de Nascimento” (2013) Bianca Gismonti
Bianca Gismonti (Piano, Voice)
Julio Falavigna (Drums) Yuri Popoff, Antonio Porto, Bruno Aguilar (Bass) Jorge Amorim, Jose Izquierdo (Percussion) Alexandre Gismonti (Acoustic Guitar) Vittor Santos (Trombone) Marcelo Martins (Flute) Jesse Sadoc (Flugelhorn) Nana Vasconcellos ( Percussion, Voice)

ビアンカ ジスモンチ

 Bianca Gismonti、Egberto Gismontiの娘さんのひとつ前のアルバム。
 新作“Primeiro Céu” (2015)で、あれっ変わった?と思いましたが、こちらを聞き直してみて、そうでもなかったのかなあ・・・といった思い。
 このアルバム、父Gismontiの色が強力、と思っていましたが、それはまんま父Gismontiの冒頭曲のイメージが強るぎるからかも。
 アルバム全体では、彼女自身の音のイメージがこの時点でできていたように思います。
 編成は同じくピアノトリオに曲によってvoice, ホーンなどが加わる形。
 音の作りは父Gismonti的なものもありますが、Pops寄り、Folklore寄り。
 父Gismonti、ECMの諸作に比べると、陰の部分、激烈な部分が薄く、健全に素直に元気になった感じですかね。
 いかにも今の若い人のイメージ。
 と言っても普通のピアニストと比べると結構激しいし、緊張度も高め。
 ハスキーで柔らかいいかにもブラジルっぽい本人のvoiceが加わると雰囲気は和らぐのですが、全編を通じて攻めの音。
 なんだかんだで、若くて現代的で女性のEgberto Gismonti、ってな何も考えていないような形容が結構当たっていたりして・・・
 もちろん褒め言葉です。




posted by H.A.

【Disc Review】“Primeiro Céu” (2015) Bianca Gismonti

“Primeiro Céu” (2015) Bianca Gismonti
Bianca Gismonti (piano, voice)
Julio Falavigna (drum) Antonio Porto (bass) and others

ビアンカ ジスモンチ

 Egberto Gismontiの娘さん、Bianca Gismontiのピアノトリオを中心とした最新作。
 とても前向きなジャズ&MPB(ブラジリアンポップス)、MPB&ジャズ。
 前作で強かった父Gismonti色が薄くなりましたかね?
 多様なサウンドは前作と同様。ジャズ、ポップス、ロック、Folklore、・・・ごった煮状態。
 日本の女性ジャズピアニストっぽいしっとりとした冒頭曲にあれ?と思っていると、エレキベースがうなるグルービーな展開。
 さらには変わったビート感のフュージョン曲、ポップ曲、ちょっとヘビー目のFolkloreっぽい曲。
 はたまたいかにもジャズなホーンが乗ってきたり、緩やかなハーモニカが出てきたり、などなど。
 ピアノも激しい系だと思っていたら、かなり抑制系に。
 強めのタッチ、明確なビート感、のイメージは残っているけども、前に前に、といった感じが抑えられ、父Gismonti色が抜けてきた感じでしょうか?
 ドラマチックな曲、展開の、アコースティックなMPB的ジャズ、ジャズ的MPBってな感じ。
 Voiceが入る曲がとてもカッコいい。
 多様だけどもバラバラな感じはではなく、一本筋が通った統一感のある内容。
 いずれにしても、ジャンルごった煮、強いビート感ながら、Brazilっぽい哀愁感が常に流れる素敵な音楽です。 




posted by H.A.

【Disc Review】“L'Incomparable Tita” (1968) Tita

“L'Incomparable Tita” (1968) Tita
Tita (vocal, guitar)
Edson Lobo(bass)Fernando Martins(piano)Nelson Serra(drum)strings and more



 全身の力が抜けていくような穏やかで優しい音楽。
 Titaさんについて詳しいわけではないのですが、このアルバムはしっとりと落ち着いた素晴らしい音。
 基本的にはスロー~ミディアムテンポの静かで抑えたボサノバが中心。
 声はちょっとハスキーな普通の声。
 ウイスパー系ではないのですが、どことなく押しが弱くてそれっぽい微妙な感じ。
 その普通っぽさ、さらに微妙な不安定さが伴い、なんともいえない儚い感じがとてもいい感じ。
 Astrad Gilbertに近いのかもしれないけども、彼女よりももう少しサラリとした自然なイメージかな。
 バックのサウンドも同様に押し付けがましくなくサラリとした味わい。
 穏やかなピアノトリオに目立たないギター、それに要所でのストリングスとフルート。
 とても穏やかで優しい演奏。
 この時期のボサノバ、一歩間違うとポップスっぽさ、ロックっぽさが強すぎてちょっと引いてしまうものも無きにしも非ず。
 このアルバムもご多分に漏れずポップス風味が弱くはないのですが、いいところで踏みとどまったというか、あくまで自然なブラジル風味が勝った上品なボサノバ。
 曲はオリジナル中心。
 Jobimさんなどの定番曲はありませんし、取り立てて有名な曲もないのですが、すべてがハズレなしの佳曲。
 これがまたかえって自然な感じで、楽に聞けるメロディばかり。
 夜はもちろん、昼にもバッチリ。
 流すと急に時間の流れが緩やかになり、世の中の憂さを忘れさせてくれる音。
 これだけ聞き手を解放してくれる音はなかなかないなあ。




posted by H.A.

【Disc Review】“Chamalongo” (1998) Jane Bunnett & The Spirits Of Havana

“Chamalongo” (1998) Jane Bunnett & The Spirits Of Havana
Jane Bunnett (flute, soprano saxophone)
Hilario Duran (piano) Carlitos del Puetro (bass) Merceditas Valdes (vocal) Tata Guines conga, vocal) Yosvanny Terry (tenor sax) Larry Cramer (trumpet) Frank Emilio (piano) Raulito Hernandez (timbales) and others

Chamalongo
Jane Bunnett
Imports
1997-11-18
ジェーン バネット



 Jane Bunnett、こちらが本来の音なのでしょうから紹介しておくべきなのでしょう。
 コテコテのキューバン・ジャズ。
 ジャズというよりキューバン・ミュージック。
 これが最高にカッコいい。
 素朴すぎず、洗練され過ぎず、ちょうどいい頃合い。
 キューバ&ジャズっぽいと音だと、Irakeleのフュージョン色が強い音も嫌いではないし、Kip Hanrahanのちょっとダーク、ニヒルで緊張感がある感じも好きです。
 でもこの人の音楽はもっと素直なキューバの素朴な感じ。
 ということで、コテコテなんだけども、不思議なことになんだかスッキリした音。
 リーダーが現地の人ではなくカナダの人だから?、もともとクラシックかジャズの人?だから?
 いずれにしても、素直なキューバ音楽、ラテン音楽のカッコよさがキッチリ出ている音。
 強烈なパーカッションと常時響くクラーベ。
 いかにもなボーカル、コーラス。
 プリミティブな感じの祝祭的な音。強烈なようで柔らかなリズム、お祭り騒ぎのようでなんとなくもの悲しさが流れているのはラテン・ミュージック共通の奥の深さ。
 リーダーのフルート、ソプラノは相変わらずの鳴りのよさ、カッコいいリズムへの乗り方。
ボーカル、コーラス+パーカッションが主体の音楽なので、あまり目立たないんだけども、要所で出てきては気持ちいい吹きっぷり。
 もちろんピアノもぶっ飛ぶような凄さだし、トラペットその他の楽器の皆さんもまた然り。出てくる人すべてがカッコいい。
 たくさんありそうでなかなかないカッコいい音。
 ノリはいいし、激しく盛り上がるし、リーダー含めて全員がベラボーにうまくてインプロビゼーションは例外なくエキサイティング、しかも、そうでありながらも全体にはそこはかとない哀愁感が流れているし、あくまでアコースティックで自然な質感だし、・・・いいとこずくめの音楽。
でも、あまり話題にならないのは何故?
 他にも聞いていないアルバムがたくさんあるのでこれがベストなのかどうかはわからないけども、このアルバム、結構な名盤だと思います。



posted by H.A.

【Disc Review】“Live in Concert" (2014) Manu Katché

”Live in Concert” (2014) Manu Katché
Manu Katché (drums)
Luca Aquino (trumpet) Tore Brunborg (tenor saxphones, synth bass) Jim Watson (piano, Hammond organ)

Live in Concert
Manu Katche
Act Music + Vision
2015-01-13
マヌ カッチェ

 ECMレコードでの諸作がとても素晴らしかったフランス人ドラマーManu Katché、同じくドイツのACT Musicへの移籍第一弾、ライブ録音。
 メンバーは“Manu Katché” (2012)からトランぺッターが変わったのみ、曲はECMに録音したもの中心。
 さて、予想通り良くも悪くもECMマジックが解けた、明るく元気な爆発力のあるManu Katche。
 明るい本人のキャラクターとECMのレーベルカラーの融合が特別な音を作っていたように思いますが、本作で本人側に振り切ったイメージ。
 “Playground” (2007)あたりまではしっとりとした感が全篇を支配、“Third Round” (2010)で明るさが前面にでて、“Manu Katché” (2012)で再びしっとり・・・移籍・・・ま、詮索は止めときましょう。そういうことなんでしょう。
 さて本作、いかにもライブ録音、とてもエキサイティングなコンテンポラリージャズ。
 8ビート的なリズムを基調にスネアの音が強烈なビシバシドラム。静かに舞い散るようなシンバル音は聞こえなりましたが、それでもメリハリの強い素晴らしいドラム。
 インプロビゼーションのスペースもたっぷり。 トランペット、テナー、ピアノともに強烈な演奏。
 サックスはスタジオ録音からは想像できない暴れっぷり、トランぺッターもECMっぽい静々としたサブトーンの強い音から激情まで、さらにはオルガンのブチ切れた演奏・・・。
 曲は寂寥感が強い彼独特のメロディですが、爆発力のある演奏の勢いのの勝ち。
 ドカーンと盛り上がるステージがそのまま詰め込まれたアルバム。
 上質だけど派手ではないベルベットのジャケットから、革ジャンに着替えたManu Katché。
 どちらがいいかはお好み次第。
 残念なのは、ECMのManu Katchéのような素敵な音楽をやる人が他にはいないこと・・・




posted by H.A.

【Disc Review】“And the Cuban Piano Masters” (1996) Jane Bunnett

“And the Cuban Piano Masters” (1996) Jane Bunnett
Jane Bunnett (flute, soprano saxophone)
Jose Maria Vitier , Frank Emilio Flynn (piano) Carlitos del Puerto (bass)

And the Cuban Piano Masters
Jane Bunnett
EMI Import
2012-06-01
ジェーン バネット

 カナダの女性サックス&フルート奏者。
 キューバ音楽がメインの人で、普段はバンドでいかにもキューバっぽい演奏をやっている人。このアルバムではパーカッション抜き、ピアノ、ベースの変則カルテット、トリオ、デュオ、などでのアルバム。
 みんなものすごーくうまい。
 私がラテン好きということを割り引いても、ものすごくカッコいい音楽。
 いつもは少し厚めの音なので個々の楽器は注意しないと目立たないのだけども、この編成だと個々の演奏者の良さがバッチリ。
 曲はキューバ系が中心で終始それらしいリズムが流れているのだけども、少々抑え目。
 また音数が少ない分ジャズ的な感じも強いかな?
 さて、このリーダー、女性ながら強烈な音を出す人。
 リズムへの乗り方と抑揚のつけ方がものすごくいいんだろうなあ。
 聞いててほんとに心地いい。
まったく迷いの感じられない吹きっぷり。
 音は強いし、フレーズは次から次へ湧き出してくるようなスムースさ。
 雰囲気は激しい系、激情系なんだけども、激烈とまでいかず、アバンギャルドにはまだまだ距離がある絶妙なバランス。
 いい感じのエキサイティングさ。
 ピアノも凄い。
 キューバの大御所なのかな?私が知る限りキューバの人のピアノはとにかくうまいのだけども、このお二人も例に漏れず。
 なんとなく弾いているようでもリズムが凄い。
 弾きだすととんでもない勢い、加速感。
 強力なタッチで超高速フレーズ。
 強いだけではなく、そこかしこで微妙なタメ、微妙な減速感と加速感が交錯する目まぐるしい演奏。
 運動神経や反射神経が違う超人みたいな演奏。
 それでもあくまで上品な感じなのが何ともいい感じ。
 ちょっと抑えた曲だとクラシックの人かと思うくらい。
 もちろんベースの人も強烈なノリ。
 フロントの人に隠れてしまいがちだけども、手数はほどほど、勢いをつけたいところでいい感じで後押しをするような絶妙な音使い。
 いいオーディオで聞くとベースが主役になるかもしれない。
 もろのキューバン・ミュージックをやっているモノももちろんカッコいいんだけども、こんな小編成でも凄い音を出す、凄い人たち。



posted by H.A.

【Disc Review】“Desertico” (2013) Paolo Fresu Devil Quartet

“Desertico” (2013) Paolo Fresu Devil Quartet
Paolo Fresu (trumpet)
Bebo Ferra (guitar) Paolino Dalla Porta (bass) Stefano Bagnoli (drums)

パオロ フレス

 イタリアのトランぺッターPaolo Fresu、キタートリオとのカルテットでの近作。
 Devil Quartetと怖い名前ですが、基本的に明るい音楽。
 このバンドの音は、爽やかなファンク。あるいはポップで爽やかなエレクトリック・マイルス。
 リズムがかっこいい。
 ポップなようでひねくれているというか、ちょっと変わった感じ。
 冒頭のRolling Stonesからの選曲には少し引いてしまいますが、そこはカッコいいリズム隊とリーダーのクールなトランペットで存外に素敵なナンバーに・・・うーん、でもやっぱり合わないか・・・
 さておき、他にはいかにもイタリアンな小粋で少し影がある系の曲やらスタンダードやら。
 このリーダーの音、トランペット自体は以前からクール系で今回もそうなのですが、バンド全体の音としてはかつての冷ややかな感じが薄れてきて、明るくなったというか、穏やかになってきたというかそんな感じ。
 以前は「都会の夜」的なイメージが強かったと思うのですが、近年は「昼」のイメージ。
 このバンドでは激しい系のドラマーと、ちょっと癖のある変態的なギターが特徴なのでしょうが、それでも全体的には明るい感じ。
 リズムや抑揚が落ち着いてしまうとポップ・インスツルメンタル・ミュージックになってしまいそうですが、その一歩手前で踏みとどまる絶妙なバランス。
 トラペットやギターのソロになるとさすがに名手感が漂う素晴らしいインプロビゼーション、リズム隊も大人しくしているかと思いきや、気が付くとかなり暴れています。
 でも決して攻撃的にはならない。
 結果、聞き易くて小粋だけども、ちょっとだけひねくれた感じのいい感じのジャズ。
 やんちゃなようで、優しく穏やかな質感。
 明るい昼下がりのBGMにもピッタリ・・・かな?



posted by H.A.
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