吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2015年08月

【Disc Review】“Wave Upon Wave” (2014) Jonathan Kreisberg

“Wave Upon Wave” (2014) Jonathan Kreisberg
Jonathan Kreisberg (guitar)
Will Vinson (sax) Kevin Hays (piano) Rick Rosato (bass) Colin Stranahan (drums)
 
Wave Upon Wave
Jonathan Kreisberg
New for Now Music
2014-11-11
ジョナサン クライスバーグ




 ニューヨーク系のコンテンポラリーギタリストの最新作。
 この人、いろんなテイストのアルバムが出ていますが、このアルバムではいかにもなニューヨーク系コンテンポラリージャズ。
 気合入ってます系。
 サックス入り、ギター中心のコンテンポラリージャズと言えば、Kurt Rosenwinkel辺りが親分なのでしょうか。
 他にもGilad Hekselman、Adam Rogers、Lage Lund、さらにはPat Metheny御大まで最近はサックス入りフォーマット。
 流行なんでしょね。
 さて、この人、上記の強者達の中ではオーソドックス。
 この人とLage Lundが一番ジャズギタリストっぽいというか、落ち着いているというか。
 もちろんフレーズは今風だし、エフェクターも少々。
 かつてのジャズギタリストとは雰囲気は全く違うのだけども、何となく安心して聞ける。
 音の選び方が素直なのでしょうかねえ。
 曲もこの界隈で流行の?ごっつくて複雑怪奇な感じは少しだけ。
 まあ、最近の若手らしく不思議系ではありますが、基本的にはわかりやすい。
 さて、それらを退屈ととらえるか、ほどほどで聞き易くて心地よいととらえるか?私的には後者。
 普通に聞くにはこのくらいがちょうどいいくらい。
 もちろんリズム隊はビシバシ、ガンガンのエキサイティングな最近のニューヨーク系の演奏。
 特にドラマーがカッコいい。
 攻撃しまくり。
 サックスも音数多めで、これまた攻めまくり。
 リーダーのギターもいつになく熱い。
 近年、クール系の若手が多い中、どちらかというと熱い系。
 但し、熱すぎて聞いていて疲れないぐらいに。
 このくらいの演奏のバランスで、甘めの美曲をやってくれると一番お気に入りの音になるんだろうなあ。
 でもニューヨーク系のコンテンポラリージャズって、甘い曲はあまりやらないのよねえ・・・
 その手の曲は若者の間では流行っていないんでしょうね。



posted by H.A.

【Disc Review】“Big 3” (1975) Milt Jackson, Joe Pass, Ray Brown

“Big 3” (1975) Milt Jackson, Joe Pass, Ray Brown
Milt Jackson (vibraphone) Joe Pass (guitar) Ray Brown (bass)
  
The Big 3
Universal Music LLC
2009-02-25
ミルト ジャクソン
ジョー パス




 和らいではきましたが、やはり暑いので涼しげな音、Joe Passシリーズ。
 こちらは大御所御三方による余裕の演奏。
 ビブラフォンとクリーントーンのギターの組み合わせであれば涼しくならないわけがない。
 ドラムもピアノもいないだけに音が薄くて、それが心地いい。
 ちょっとした空間にビブラフォンのリバーブのかかった音だけが残っていたり、何とも涼しげ。
 主役はMilt Jacksonなのでしょう。いつも通りの元気いっぱいのインプロ。
 これがピアノだったら熱く(暑く)なるのかもしれませんが、ビブラフォンの冷たげな鉄の響きがいい感じ。
 得意のブルースも結構入ってますが、この編成だとこれまた涼しげ。
 もちろんJoe Passはいつも通りのクールネス。涼しげな音で涼しげなフレージング。
 この人のブルースも涼しげでいいですねえ。
 大御大Ray Brownも控えめながら好サポート。
 ちょっとアップになるとカッコいいノリ、どんなコード進行でもカッコいいソロの人だけに、もっとフィーチャーされてもいいのにね。
 といったところで、全体を通じて、大人で落ちついた穏やかな音。
 いっそのことバラードアルバムにしてしまえばもっと涼しいんだろうけども、まあ贅沢は言えませんね。



posted by H.A.

【Disc Review】”Covered” (2015) Robert Glasper

”Covered” (2015) Robert Glasper
Robert Glasper (piano)
Vicente Archer (bass) Damion Reid (bass)

Covered
Robert Glasper
Blue Note Records
2015-06-16
ロバート グラスパー

 いまや大御所、若手筆頭株Robert Glasper、ピアノトリオでの最新盤。
 出てきたときから何となく新しいなあと思っていましたが、一つの形が確立したのかな?
 PopよりのBlack Radioはさておき、先のジャズピアノトリオ版” In My Element”(2007)と比べるとイメージが全く違う。
 In My Elementも何となく新しいジャズピアノトリオでしたが、なんだかんだで昔のジャズ色も強かったように思います。それがすっかり抜けてしまい、ロック~ソウル~ポップを経てきた、いかにも2015年、現代のピアノトリオに。
 選曲とドラムの違いが大きいのでしょうが、もともと強かった浮遊感、疾走感がさらに強調され、軽快なリズムの使い方がモダン(この言い方自体が古めかしいのですが・・・)でカッコいい。
 特にドラム。
 強調されるスネアの乾いた音がなんとも心地よい。
 毎小節、同じところにスネアが入るドラムはロックっぽくて好みでは無かったのだけども、この演奏はカッコいい。
 シンバルやハイハットの使い方も何かフツーの人とは違うのかな?
 普通のジャズに慣れてしまった耳も惹きつけるとても魅力的なドラム。
 もちろん極めつけはリーダーのピアノ。
 いい意味でものすごく軽い。
 軽いけどしなやかというか、強靭というか。しかもあくまでクールで、決して感情に任せたような激しい音は出さない。
 この感じは他にはあまりない。
 同じフレーズやリフを繰り返すループ的?な手法、質感が今のDJ世代ではトレンドなのだろうし、確かに心地いい。
 個々のフレーズはHerbie Hancockあたりの影響が強そうな感じだけども、柔らかな音使いと、音の構成、リズムの使い方はこの人ならでは。
 決して奇をてらっているわけでも、ひねくった小難しい事をしようとしているわけではないのに新しさ、そして心地よさ満点。
 さて、アコースティック4ビートを愛するモダンジャズファンがついてこれるかどうか?
 私はものすごくカッコいいと思うし大好きです。
 あ、Black Radioも好きですよ。私は。

 

posted by H.A.

【Disc Review】“Bossarenova” (2010) Paula Morelenbaum / SWR Big Band

“Bossarenova” (2010) Paula Morelenbaum
Paula Morelenbaum (vocal) / SWR Big Band

Bossarenova
Paula Morelenbaum
Skip
2012-02-13
パウラ モレレンバウム




 ブラジルのボーカリストPaula Morelenbaumとビッグバンドの共演アルバム。
 SWR Big Band、前掲のWDR Big Bandと同様にドイツの放送局付のビッグバンド?なのだと思います。
 ビッグバンドには明るくなく、何がどうとかの説明は難しいのですが、上品でソツのない現代的な音。
 このアルバムでもうるさすぎず、静かすぎず、新しすぎず、古すぎず、いい感じのバランス。
 さておき、主役はPaula Morelenbaum。
 いかにもブラジルっぽい、いいボーカリスト。
 ボサノバ・シンガー王道のウイスパー系ですが、ちょっとハスキー気味な声がいい感じ。
 上品で落ち着いたうえに、少々はかなげなイメージ。
 たくさんいそうで、そうでもないというか、思い出した頃に新しい人が見つかるタイプ?の素敵なボーカリスト。
 曲はJobim、Sergio Mendes、Ivan Linsなどなど、ブラジルの名曲揃い。
 と書いてしまうと、ありがちなボサノバ・アルバムになりそうですが、そこがアレンジの妙。
 もちろんボッサのリズムが中心ですが、一曲ごとに工夫されていて、変化に富んだ音。
 かといってバラバラでもなく、適度な統一感。
 また、全体的にモダンだし、新しいっぽいアレンジもそこかしこにあるのだけども、ポップス度はほどほど、過度にゴージャスではなく、フュージョンっぽくもない。
 あくまで素朴でアコースティックなブラジルっぽい質感。
 何気ないんだけどもいい感じ。
 これまた、たくさんありそうで、あまりない。
 上品で洗練された近代的なブラジル音楽。
 1960年代っぽくないボッサを聞きたくなった時に取り出す一枚。



posted by H.A.

【Disc Review】“Caribbean Night” (2010) WDR Big Band Koln / Vince Mendoza / Andy Narell

“Caribbean Night” (2010) WDR Big Band Koln / Vince Mendoza / Andy Narell
Andy Narell, Ray Holman, Tom Miller, Alan Lightner (Steel Pan) Dario Eskenazi, Frank Chastenier (Keyboards) Michael Alibo (Bass) Peter Erskine (Drums) Luis Conte, Marcio Doctor (Percussion) Andy Haderer, Rob Bruynen, Klaus Osterloh, Rick Kiefer, John Marshall (Trumpet) Dave Horler, Ludwig Nuss, Bernt Laukamp (Trombones) Lucas Schmid (Bass trombone) Heiner Wiberny, Harald Rosenstein (Alto sax) Olivier Peters, Rolf Römer (Tenor sax) Jens Neufang (Baritone sax) David Rudder (Vocal)

Caribbean Night
Wdr Big Band Koln
bhm
2010-04-16
アンディ ナレル

 夏らしい音ということで・・・
 スチールパンをフィーチャーしたビッグバンドによるラテンジャズ~フュージョン。
 スチールパンはFusion系のAndy Narell。
 カリブの暑苦しさというよりも、リゾートの爽やかな風。
 あるいはエアコンがキリッと効いたリゾートホテルのような洗練された演奏。
 陽気だけど暑すぎない、またうるさすぎないラテンジャズ。
 曲はメンバーのオリジナル中心、哀愁曲から陽気曲までさまざまな曲が並びますが、いずれも上品な名曲揃い。
 特に1曲目のJenny’s Roomはシンプルながら哀感漂う隠れた大名曲、大名演。
 ビッグバンドならではのドラマチックなアレンジと多彩なソロ陣が相まって、一曲の中で何度もピークが訪れる素晴らしい演奏。
 主役のスチールパンのオブリガード、ソロが気持ちいいのは言わずもがな。
 ちょっと南国っぽいのが聞きたいな、あるいはスチールドラムが聴きたいなと思ったら必ず取り出す一枚。
 華やかで涼しげな音。
 抜群に心地よし。
 この季節にピッタリ。




posted by H.A.
Profile
記事検索
タグ絞り込み検索
最新記事
  • ライブドアブログ