吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2015年04月

【Disc Review】“Bosonossa and other ballads”(1993)Tomasz Stanko

“Bosonossa and other ballads”(1993)Tomasz Stanko
Tomasz Stanko(trumpet)
Bobo Stenson (piano)、Anders Jormin (bass)、Tony Oxley (drums)

Bosonossa And Other Ballads
Tomasz Stanko
Gowi Records
1993
トーマス スタンコ

 1993年作。
 前掲の“Balladyna”(1975)から20年も経ってるし、タイトル、メンバーからして落ち着いた音楽かな、と思ったこのアルバム。
 ところがどっこい、やはり血と硝煙の香りが漂う戦闘ジャズもありました。
 冒頭曲、バラードっぽく始まりゆったりとすること数分、だんだんと過激になっていきます。
そして行き着くところは・・・
 “Balladyna”(1975)と比べれば、まだマイルドかもしれませんが、それはBobo Stenson、Anders Jorminの色なのかな?
Stankoさん自体は血管ブチ切れのアグレッシブさ。
 激しいトランペットと、キレイなピアノ、深みのあるベースのバランスが絶妙。
 みんなどこかに行ってしまっているような超激しい演奏に加えて、近年の落ち着きに通じる演奏も。
 過渡期ですかね。
 あるいはこの後、ECMに移ってからは毒気を抜かれたか?
 なんだかんだで、ちょっと過激だけど、全編に溢れる緊張感がカッコいい、男臭い音楽です。



posted by H.A.

【Disc Review】“Balladyna” (1975) Tomasz Stanko

“Balladyna”(1975)Tomasz Stanko
Tomasz Stanko(trumpet)
Tomasz Szukalski (saxophones) Dave Holland (bass) Edward Vesala (drums)

Balladyna: Touchstones Series (Dig)
Tomasz Stanko
Ecm Records
2008-09-30
トーマス スタンコ




 知る人ぞ知るポーランドのベテラン名トランぺッターTomasz Stanko 1975年の作品。
 凄まじい音圧のアグレッシブなJazz。
 あの時代のヨーロッパの反骨系?な音。
 エレクトリックマイルスをもっと過激にして、アコースティックでやってみました、ってな感じ。
 フリージャズ的と言えばそうなのかもしれませんが、曲がありリズムも一応定型。
 その中でどこまで暴れることが出来るのか限界まで挑戦したような体育会系音楽。
 体育会系ではなまやさしく戦闘系。
 一曲目、ベースが急激に暴れ出すと同時に、凄まじい音圧のトランペットのブチ切れたソロ。
 決して長くないトランペットソロが終わるころには、何弾いているかわからない狂気の状態に突入。
 それでも強烈なグルーブ感は維持したまま。
 さらに、ブチ切れたリズムの上にこれも凄まじいSaxソロ。
 これもコンパクトですが恐ろしいぐらいにハード。
 Dave Holland、ベースが強めの録音も手伝っているのでしょうが、ここまで凄まじい演奏は無いのでは。
 血と硝煙の香りのする音楽というと大げさか。
 これは本当に凄いわ。
 二曲目以降、ちょっと落ち着いて、バラードっぽい曲があったり、フリージャズ感が増してきたりしますが、緊張感の塊。
 Dave Holland、Tomasz Stanko、またポーランドJazz、恐るべし。
 カッコいいんだけど、あまりにも凄いので、体調の悪いときは聞かないようにしよう。




posted by H.A.

【Disc Review】“Music for K” (1970) Tomasz Stanko

“Music for K” (1970) Tomasz Stanko
Tomasz Stanko (Trumpet)
Bronisław Suchanek (Bass) Janusz Stefański (Drums) Zbigniew Seifert (Alto Saxophone) Janusz Muniak (Tenor Saxophone)

MUSIC FOR K
TOMASZ STANKO QUINTET (トーマス・スタンコ)
POLSKIE NAGRANIA
トーマス スタンコ


 Tomasz Stanko、激烈な“Balladyna” (1975)の五年前、こちらも過激なエネルギー放出型ジャズ。
 あちらと比べるとまだまだおとなしい演奏ですが、深刻系のメロディにブチ切れインプロビゼーション。
 超辛口ジャズ。
 激烈な演奏のコルトレーンが逝去し数年、マイルスが”Bitches Brew”(1969)発表前後の激烈系を展開していた時期。
 東欧の若者たちもエネルギーをどこかにぶつけたかったのでしょうかね。
 それでも一定の秩序を保ったうえでの激烈スタイル。
 その意味では激烈初期のコルトレーン、アメリカ系フリージャズ、あるいはエレクトリック・マイルスのやり方に近いし、激しい混沌にはならない。
 Tony Williams“Life Time”(1969)然り、”Bitches Brew”然り。
 普通のモダンジャズの時代が完全に終了、ロック混ざりも含めた「激しい系」、逆にポップス混ざりの「一般受け系」、あるいはちょっと難解な「アート系」、あたりに分化した時代なのでしょうかね。
 ”Bitches Brew”が「激しい系」の一つの象徴だとすれば、その変形、フリージャズ寄りの激烈な音楽。

(※この投稿は2016/05/05から移動しました。)



posted by H.A.
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