吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2015年02月

【Disc Review】“1969Miles”、”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969” (1969) Miles Davis

“1969Miles”、”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969” (1969) Miles Davis
 Miles Davis (trumpet)
Jack Dejohnette (drum) Wayne Shorter (sax) Chick Corea(piano) Dave Holland (bass)
 
1969マイルス
マイルス デイヴィス
ソニー・ミュージックレコーズ
1993-10-09
マイルス・デイビス
Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969
Miles Davis
Sony Legacy
2013-01-29




 泣く子も黙る“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969)前夜のMilesバンドのライブ盤。
 これは文句なしにスゴイ。
 爆発的な演奏。
 私にとってのBest of Milesはこれ、“1969Miles”。
 以前は“Miles Davis At Fillmore(公式版)”(Jun.1970)が一番と答えていたのですが、これが発表されてからは迷いなくこれ。
 (後に出た“Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time”(Mar.7,1970) にはさらにぶっ飛びましたが・・・) 
 アコースティックからエレクトリックへの移行期で、アコースティック時代の演奏をアグレッシブにした感じ。
 Bitch’s Brewと比べるとかなりJazz的なのだけども、もっとアグレッシブな印象。
 諸々の試行、メンバーチェンジを経ながら、”Bitches Brew”のイメージが出来上がりつつある過渡期なのでしょうか。
 洗練された”Bitches Brew”よりも荒々しく、また、アコースティック時代の強い名残、過渡期ならではの危ういバランス感が絶妙。
 各メンバーとも絶好調で、冒頭曲Directionからエネルギー全開。
 Jack Dejohnetteがこれでもかと叩きまくる上で、Miles、Wayneがフルボリュームでブチ切れたソロを展開。
 両者とも決して長くないソロですが、激しい系ではベストパフォーマンスでは。
 続くChickのエレピソロも完全にどこかにいっちゃってる状況。
 その後、Milestoneなど、相対的にのどかな感も受ける(十分に激しいですが)懐かしの4ビートチューンなどをはさみながら、”Bitches Brew”の原型も。
 このアルバム、荒っぽさはあるものの、様式に則ったアコースティックJazzが行き着いた高みの一つかも。
 でも、これでもマンネリっぽいから”Bitches Brew”を作っちゃったのかな?
 こんなバンド、二度と出てこないのでしょうね。


 


(追記2016/8/28)

 周辺音源、映像含めた整理。まだ他にもあるのでしょうけど。

 (Jul. 5,1969)  “Bitches Brew Live” /一部 (at the Newport Jazz Festival)
〇(Jul.25,1969)  “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”、(”1969Miles”)
〇(Jul.26,1969)  “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France
 (Aug.19-21,1969) “Bitches Brew”
 (Oct.27,Nov.4,1969) “Live in Copenhagen & Rome 1969” <DVD>
          “Live at the Tivoli Konsertsal, Copenhagen, Denmark” <DVD>
〇(Nov.5,1969)  “at Folkets Hus, Stockholm"
〇(Nov.7,1969)  “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie" <DVD>
 (Mar.7,1970)  “Live At The Fillmore East (March 7, 1970) - It's About That Time
 (Feb.18,Apl.7,1970) “Jack Johnson" 
 (Apl.10.1970)  “Black Beauty / Miles Davis At Fillmore West”
 (Apl.11.1970)  “Miles At Fillmore(完全版)”/一部
 (Feb.Jun.1970) “Live Evil” /一部 
 (Jun.17-20,1970) “Miles Davis At Fillmore”、”Miles At Fillmore(完全版)” 
 (Aug.18,1970)  “Live at the Berkshire Music Center, Tanglewood, MA
 (Aug.29.1970)  “Bitches Brew Live ”/一部 (at the Isle of Wight Festival) 
 (Dec.16-19.1970) “The Cellar Door Sessions1970” ”Live Evil” /一部


 〇が”Miles Davis Quintet: Live in Europe 1969”に収録されたステージ、(Jul.25,1969)が”1969Miles”。
 但し、”1969Miles”の方が音圧高めのミキシングで、他はスッキリ系。
 元の音源がブートレッグ音質なこともあり、”1969Miles”の方が激烈さが伝わってきてカッコいいのかな?


(Jul.26,1969) “at Festival Mondial du Jazz d’Antibes, La Pinede, Juan-les-Pins, France”
 
 ”1969Miles”の次の日のステージ(Jul.26,1969)も素晴らしい演奏。
 ブチ切れた混沌型”Spanish Key”とか、Wayneが”Super Nova” (Aug.Sep.1969)のテーマを吹き続けた後、狂気のエレピソロが続く”Miles Runs the Voodoo Down”とか、混沌度、激烈度が高いかも?
 いずにしても、どちらも凄まじいステージ。
 なお、Wayneの”Super Nova”のテーマ、前日では"Milestones"の中でテナーで、"It's About That Time"ではソプラノで吹いています。


(Nov.5,1969) “at Folkets Hus, Stockholm"

 ずいぶんスッキリとした印象の音源。
 ちょっと沈んだムードがかえってジャズっぽくて私はお気に入り。
 録音~ミキシングの影響が大きいのだと思うのだけども、その前日の映像(Nov.4,1969) “Live at the Tivoli Konsertsal, Copenhagen, Denmark”<DVD> も同じ印象なのも面白いところ。
 なおエレピがと途中で壊れて(?)、ピアノは冒頭“Bitches Brew” の途中から全てアコースティックなのもレア。
 冒頭はもたもたした感じですが、ピアノが動き出すと一気にハイテンション。
 エレピでないとBitches Brewバンドではない、と言われればその通りで、このシリーズでは異質なのですが、かえって新鮮だったりします。
 Wayneはすっかり”Super Nova”なフリージャズモードだし、静かな混沌の時間になんとも言えない凄み。
 エネルギー放出系の激烈ジャズというよりも、静かなフリージャズといった面持ちで、カッコいいライブだと思います。


(Nov.4,1969) “Berliner Jazztage in the Berlin Philharmonie"

 DVDやYoutubeを追いかけていなかった立場としては、最初に見た際は正直、新鮮な驚きでした。
 この時期のバンドが動いているんだもんね。当たり前か。
 後のKenny Garrettとかがいた時代ライブのDVDなどを見てこんなもんかなあ・・・と思って、DVDには手を出していませんしたが、これは凄い。
 こちらもミキシングの関係か、”1969Miles”のような激烈さは薄いのだけども、逆にクールな凄み。
 Wayneはフリージャズモードに突入したブチ切れたソロですが、Milesは大汗かきながらも常にうつむき加減で冷徹な印象。
 さらに顔色一つ変えずに狂気のエレピを奏でるChickがマッドなサイエンティストっぽくて怖い・・・
 などなど、見ているこちらが緊張してしまう凄いステージ。

 ブートレッグ系はいまだに気まぐれにしか聞けていないのだけども、聞きだすとはまりますねえ。
 ま、公式アルバムすら全部聞けていない立場としては、時間をかけてゆっくりと。


posted by H.A.

【Disc Review】“Animation - Imagination” (1999) Tim Hagans

“Animation - Imagination” (1999) Tim Hagans
Tim Hagans (trumpet)
Ira Coleman (bass) Billy Kilson (drum) Scott Kinsey (synthesizer) DJ Smash (synthesizer) DJ Kingsize (drum and bass programming) Matthew Backer (sounds) Kurt Rosenwinkel (guitar) David Dyson (electric bass) Bob Belden (piano, soprano sax) Kevin Hayes (piano)

Animation/Imagination
Blue Note Records
 ティム・ヘイゲンズ



 これはフューチャージャズ?ドラムンベース?と呼ぶのでしょうか?
 私にとってはエレクトリック・マイルスの進化系。
 それも、ものすごくカッコいいヤツ。
 楽器は電気系も目立ちますが、全体としては電子音的ではなく、あくまで生身の音が前面に出る質感。
 リズムがしなやか。
 特にベース。
 凄いグルーヴ。
 ぶっ飛ぶようなスピード感。
 リーダーのトランペット、ピアノ、ギター等々、びっくりするような切れ味。
 15年前の録音ですが、今でも古さは感じません。
 数あるエレクトリック・マイルス的音楽のうち、私にとってはベストの一枚。




posted by H.A.

【Disc Review】“Post Scriptum” (2010) Wolfert Brederode

“Post Scriptum” (2010) Wolfert Brederode
Wolfert Brederode (piano)
Claudio Puntin (clarinets) Mats Eilertsen (bass) Samuel Rohrer (drums)

Post Scriptum
Wolfert Quartet Brederode
Imports
2011-07-26
ヴォルフェルト ブレデローデ




 オランダの若手のピアニストWolfert BrederodeのECM第二弾、最近作。
 前作“Currents” (2006)では抑え気味だったインプロビゼーションのスペースが増え、ジャズ度が増してきました。
 楽曲も同様、普通のジャズアルバムとして聞いてもおかしくない質感。
 とはいえ、相変わらず不思議感はてんこ盛り。
 前作と同様に、ピアノが同じリフを繰り返しつつ、リズムとクラリネットが変化をつけていく構成、あるいはピアノとクラリネットを入れ替えた構成も何曲か。
 リズムの取り方もベテラン陣にはない新しい感覚。
 美しく妖しい不思議な音使いのピアノと、静かなグルーブ感のドラムがカッコいいのは相変わらず。
 インプロスペースがはっきりした分、クラリネットの凄さも明確に。
 クールな質感ながら、フレージング、スピード感、抑揚ともに一級品。
 全体を貫くクールな緊張感、静かなグルーブ感、浮遊感、あくまで上品な昂揚感。
 美しく妖しい楽曲と、これも美しく妖しいインプロビゼーション。
 新しい感覚の音の流れ。
 見えてくるのは東欧あたりの深い森。
 やはり”Something Strange, but Comfortable”。 


 

posted by H.A.

【Disc Review】“Currents” (2006) Wolfert Brederode

“Currents” (2006) Wolfert Brederode
Wolfert Brederode (piano)
Claudio Puntin (clarinets) Mats Eilertsen (bass) Samuel Rohrer (drums)

Currents (Ocrd)
Wolfert Brederode
Ecm Records
2008-08-19
ヴォルフェルト ブレデローデ



 ボーカリストSusanne Abbuehlのサイドで只者では無い感が漂う演奏をしていたオランダ?の若手、ジャズとしては新感覚?のピアニスト。
 何が新しいか、象徴的なのは一曲目。
 ピアノは、妖しげ悲しげなリフをひたすら繰り返すのみ。
 ドラム、ベースが微妙な変化を加えつつ静かにグルーブを作り、クラリネットが主旋律とインプロビゼーションっぽい音を乗せるのですが、ピアノはあくまでリフのみ。
 それでもものすごい緊張感。
 静謐な昂揚感、さらに浮遊感。
 ミニマル・ミュージック(よく知りませんが・・・)とは少し違うのでしょう。
 かつてのMilesのNefertittiが似た手法ではあるのでしょうが、質感は違う。
 グルーブと昂揚感は同様ですが、本アルバムはあくまでクールな質感。
 徹底しているのは一曲目だけですが、基本的にはそんな感じで最後まで。
 シンプルな曲にインプロビゼーションはあくまで控えめ、一歩間違えば単調な演奏になりそうですが、なぜか一曲ごとの起承転結が明確に感じられ心地よい。
 この感じは何なのだろう?
 まさに”Something Strange, but Comfortable”。


※ピアノとドラムのDUOですが質感は同じ。

posted by H.A.

【Disc Review】“The Gift” (2012) Susanne Abbuehl

“The Gift” (2012) Susanne Abbuehl
Susanne Abbuehl (voice)
Matthieu Michel (flugelhorn) Wolfert Brederode (piano,etc) Olavi Louhivuori (drums)

The Gift
Universal Music LLC
2013-05-10
スザンヌ アビュール

 スイス~オランダのボーカリストSusanne Abbuehl 、最近作。
 前作、前々作に続いて静謐な音。
 クラリネットがフリューゲルホーンに変わったことでよりジャズっぽくなった感もあります。
 でも全曲彼女のオリジナル曲になった分、また、ドラムの登場場面が少ない分、フォーキーな感じがより強くなったようにも・・・
 が、音の質感を決めていたと思われるピアニストWolfert Brederodeはそのまま。
 結果、相変わらずの彼女流、静かに語る夜の静寂(しじま)ジャズ。
 ピアノは相変わらず美しく怪しい。
 フリューゲルは寂寥感の塊。
 雰囲気はジャケットの絵の通り、秋から冬の夜、もちろん静寂(しじま)。


※編成は違いますが、彼女の音にはエコーが効いたフリューゲルが合いますねえ。


posted by H.A.
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