Maria João (voice)
Ralph Towner (guitar) Dino Saluzzi (bandoneón) Manu Katché (drum) Kai Eckhardt de Camargo (bass) Mario Laginha (piano) Ricardo Rocha (portuguese guitar)
マリア ジョアン
デビューから10余年?ジャズっぽかった前掲の“Cem Caminhos”(1985)からは大きく変化。
ボーカルの表現力はさらに大幅に増幅。いったいどこから声が出ているのやらよくわかりません。
裏返しているのか、鼻に抜いているのかよくわからない強烈な高音ボイスは、ここまで来ると普通のジャズやボサノバボーカルの範囲は逸脱。
少し変わった音階の使い方も含めて、少々エキセントリックな彼女だけの世界。
空間を漂うような浮遊感と、怒涛のように突っ走る疾走感が交錯するボイス。
緊張感の塊のような凄みのあるボイス。
オールスターのバンドは少し落ち着いた演奏ながら、不動のメンバー、夫君のグルーヴの強いカッコいいピアノを中心にした名演奏。
Manu Katchéの少々ロックっぽいドラムがこのアルバムの色合いを決めているかな?
いずれにしても多彩な楽曲を多彩な演奏でカラフルな音。
普通のジャズではないし、ワールドミュージックと呼ぶには国籍が見えてこないし、ポップスっぽくもあるけども少々アバンギャルドに過ぎるか。
メンバーからすればECMあたりのヨーロピアンジャズの音になりそうだけども、温度感は高目だし、それも違う。
ま、Maria Joaoの音と呼ぶしかないのでしょうねえ。