吉祥寺JazzSyndicate

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2014年07月

【Live Report】"NIGHT OF CLASSIC PROGRESSIVE !" @Silver Elephant 2014/7/26

2014/7/26 NIGHT OF CLASSIC PROGRESSIVE ! @Silver Elephant

 この日は久々のプログレライブ。
 永井さん選曲(?)によるプログレの名曲カバーのみでオリジナルは一切ナシです。
 個人的にかなり嬉しい選曲でしたね。BrufordのHell's Bellsに、1stソロアルバムからEither End of Augustも演奏。
 King CrimsonからはなんとIslandsからFormentera Lady~Sailor's Tailを。
 Crimsonのカバーで普通はこれを選曲しないですからね…なかなかライブでは聴けないので貴重でした。
 他には Allan Hollsworth, ELP, Brand-X, CAMEL, U.K., Colosseum II 等を演奏。
 ちなみにCrimsonの曲やU.K.『In The Dead Of Night』でのヴォーカルはなんとドラムの大菊さんが担当でした。

 出演:永井敏己(b)
    佐々木秀尚(g)
    大菊 勉(ds)
    長崎祥子(key)
    大沼あい(key)

posted by R.Y.



【Cinema Paradiso】『パラジャーノフ生誕90周年記念映画祭』

 2014年7月、『パラジャーノフ生誕90周年記念映画祭』
 これを逃すと次回またいつ観れるか分からないと思い、渋谷ユーロスペースで久し振りの映画三昧。
 監督のセルゲイ・パラジャーノフはソ連邦当時にグルジアで生まれたアルメニア人(1924~1990年)。
 映画自体が古いのためお世辞にも良い画質とは言えなかったけど、どの作品も美術と音楽が民俗色&宗教色全開でなんとも妖しい美しさ…
 初期の傑作『火の馬』は特に美しくて痺れるカットが多く、劇場の大画面で観ることが出来て良かった。
 また観たいけど、DVDは廃盤でプレミア価格状態…是非とも再販、もしくはBlu-ray化して欲しいです。
 代表作とされる『ざくろの色』は全編ほぼセリフなしで撮影方法も特殊(固定カメラで対象を静止画の様に撮影したり、登場人物が殆ど正面か横顔だったり)で、まるで夢を見ているかのような魔術的な映像。
 『ざくろの色』のオリジナル『サヤト・ノヴァ』は当時の検閲によりマスターが散逸してしまい、後に再編集されたものだそうです。
 遺作となった『アシク・ケリブ』は監督がようやく自由に創る事が出来た集大成の様な作品で、当時亡くなって間もないアンドレイ・タルコフスキー監督に捧げられています。
 劇場で観る機会はなかなか無いかもしれませんが、機会があれば是非ともハリウッド映画ともヨーロッパ映画とも違う世界にふれてみて下さい。
 おススメは上記3作(火の馬、ざくろの色、アシク・ケリブ)です。

 今映画祭での上映作品リストはこちら。
  『アンドリエーシ』1954-55年/62分
  『石の上の花』1962年/75分(未鑑賞)
  『火の馬』1964年/96分
  『ざくろの色』1971年/71分(『サヤト・ノヴァ』1968年の短縮版)
  『スラム砦の伝説』1984年/87分
  『ピロスマニのアラベスク』1985年/20分
  『アシク・ケリブ』1988年/77分

posted by R.Y.

【Disc Review】“Live In Berlin” (2007) David Murray

“Live In Berlin” (2007) David Murray
David Murray (tenor saxophone, bass clarinet)
Hamid Drake (drums) Jaribu Shahid (bass) Lafayette Gilchrist (piano)

Live In Berlin
David Murray Quartet
Jazzwerkstatt
2010-11-16
デヴィッド・マレイ

 一番好きなサックス奏者David Murray、ピアノトリオを従えたカルテットでの2010年ライブ盤。
 黒光りするような真っ黒けな音で過激なフレーズを連発するサックス奏者、フリージャズに分類されることも少なくないけども、多くのアルバムは難解ではありません。
 アップテンポではエネルギー爆発、また、バラードは絶品。
 グルーブ感、エネルギー感、昂揚感・興奮感、センチメンタリズム、ハードボイルドネス、加えてアバンギャルドさなど、ジャズのカッコよさを集約したようなミュージシャン。
 そしてこのアルバム、上記のような彼のカッコよさが集約されたような近年作。
 ライブなのですべての曲が長尺ですが、凄まじいまでの演奏が堪能できます。
 ハードボイルドで緊迫感あふれる冒頭曲からぶっ飛ばし、激しく感動的な演奏が続くのですが、特に3曲目が素晴らしい。
 基本的にはバラード、美しくもの悲しい美曲なのですが、前半のバラード演奏から次第にテンポが崩れ始め混沌の世界へ、そしてしばらくの彷徨の後にバラードに戻る、といった展開を繰り返します。
 その間のサックスソロの凄まじいこと。
 さらにフリーテンポでのピアノソロから激しいピアノトリオ、ブチ切れたテナーサックスソロが展開された後、テーマ、バラードに戻ります。
 とにかくドラマチック。
 一曲の中に様々なシーン、ストーリーが展開されていきます。
 曲が終わると一篇のヘビーな映画を見た気分。





posted by H.A.

【Disc Review】 “The Sign” (2002) Carsten Dahl

“The Sign”(2002)Carsten Dahl
Carsten Dahl (Piano)
Arild Andersen (Bass) Patrice Heral (Drums)

The Sign
Carsten Dahl
Stunt
2002-10-15
カーステン ダール 
アリルド アンデルセン 


 デンマークのピアニストCarsten Dahlを中心としたピアノトリオ
 スタンダードを演奏したアルバムは人気だったと思いますが、これは全てオリジナル曲を収録したアルバム。
 Carsten Dahl は、Keith Jarrettの影響を端々に感じさせつつも、ヨーロピアンならではの奥深さ、上品さ、さらに怪しさ兼ね備えた名人。
 ベースはド派手な音を展開するヨーロピアンArild Andersen。
 この二人が揃うとどんな音楽でもカッコよくなりそうですが、このアルバムでは、美しく、もの悲しく、怪しいオリジナル曲を、時にアグレッシブに、時に深く美しく奏でていきます。
 フリージャズ的と言えばそうですが、決して難解ではなく、とにかく美しい、そしてエキサイティング。
 冒頭曲にそのエッセンスが詰め込まれています。
 ゆったりとしたテンポ、深い音のベースと、エコーがたっぷりと効いた録音の美しいピアノが絡み合う深遠なイントロから始まり、次第にテンポを上げるベースに牽引されながらペースアップ、気がつけばドラムにも煽られながら、アグレッシブなフレーズを連発するエキサイティングな演奏に変化していきます。
 テンポが上がった後は、強烈なグルーブ感に乗って、凄まじいまでのピアノとベースのインプロビゼーション。
 かといってうるさい訳では無く、あくまで上品な演奏。
 以降も全体の質感はぶれないのですが、バラードあり、激甘の美曲あり、ワールドミュージック系あり、フリーあり、シンセサイザーが加わったスペーシーで近未来的なサウンドなど、変化に富んだ演奏が続き、最後まで飽きさせません。
 Keith Jarrettの音楽をさらに美しく、さらにアグレッシブにし、怪しさを加えたうえで現代的にした感じ、と言えば大袈裟でしょうか。
 スタンダード曲を題材にした場合、ここまで凄い演奏にはならないだろうと思います。
 安心して聞ける反面、制約が多すぎて、ここまで美しくもエキサイティングにも深遠にもならないでしょう。
 実際、同じようなメンバーで演奏したスタンダード集とは全く質感の異なる音楽になっています。
 激しく美しいピアノトリオ、その近年の代表盤、だと思います。




 
posted by H.A.
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