吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

2014年06月

【Disc Review】“Komeda” (2011) Leszek Mozdzer

“Komeda”(2011)Leszek Mozdzer
Leszek Mozdzer(Piano)

Komeda
ACT Music
2011-06-24
レシェック モジジェル





 今最も最も凄いと思われるピアニストの一人、ポーランドのLeszek Mozdzer(レシェック_モジジェル、たぶん)のピアノソロ。
 ベースのLars Danielssonとの共演は多く、ドイツのACTレーベルなどからたくさんのアルバムが発表されています。
 が、日本では取り上げられる機会も少なく、知名度はいま一つ?
 だけども、この人のピアノ、恐ろしいぐらいにうまく、たぶんの過去から現在までのトップレベル、しかも個性的。
 まずはピアノのタッチと音色。これほどまでに鋭いタッチ、キレイな音色は稀有でしょう。
 粒立ちがよく、個々の音が明確で硬質、きらめくようなクールな音。
 まさに氷のナイフのような音。それでいて抑揚感もしっかり。
 次にリズム。
 クラシックっぽさも強いのだけども、アップテンポでは凄まじい疾走感、スローテンポではタメが効果的で、ベタつかない哀感が漂う。
 さらにフレージング。
 これもクラシックの色合いが強く、硬質な音で美しいフレーズをグルーブ感、スピード感、抑揚のあるリズムで紡いでいきます。
 時折出てくる高音での超高速フレーズ、消え入るような音使いも特徴的。
 この盤でも、全体の質感はいかにも東欧的で、ほの暗く、ちょっぴり怪しげ、あくまでクール。
 アップテンポでもスローテンポでも常にスリリングだけども、決して汗は出てこない。
 クラシックの色が強そうだけど質感はJazz、でも、昔ながらのJazzの香りは無く、Keith JarrettやChick Coreaなどのベテランスタイリスト達とも全く異なる、新しい感覚の音楽が出来上がっているように思います。
 このアルバム、全編ピアノソロでもあり、彼の凄まじいピアノを堪能できますが、客演している多くのアルバムもグッド。
 どんな曲でもこの人が入るとピリッとした緊張感とスピード感があふれ、かつクールな名演になってしまう、かな?



posted by H.A.

【Disc Review】 “Mare Nostrum” (2007) Paolo Fresu、Richard Galliano、Jan Lundgren

“Mare Nostrum” (2007) Paolo Fresu、Richard Galliano、Jan Lundgren
Paolo Fresu(tp.flh.)Richard Galliano(accordion,bandneon)Jan Lundgren(p.)

リシャール ガリアーノ
ヤン ラングレン
パオロ フレス


 トランペット、アコーディオン、ピアノの編成でのトリオ。
 さしづめヨーロピアンオールスターといったメンバー。
 メンバーの出自と違わず、イタリアのようなフランスのような北欧のような、オシャレで優しい音。
 Paolo Fresuのトラペット、フリューゲルホーンはいつになくマイルド。
 Richard Gallianoのアコーディオンはタンゴ系を演る時の激しさとは異なり、フランス映画のサントラのよう。
 とてもお洒落。
 それらを美しいピアノがつつましやかに上品にサポートします。
 ゆったりとしたテンポ。
 JobimやらシャンソンI wish you loveやらを交えつつの美しく哀愁漂うメロディ揃い。
 ジャズらしく各人のインプロビゼーションもふんだんに盛り込まれていますが、美しい曲の中に溶け込みうるさくありません。
 ジャケットはクールですが、音楽のムードは暖か。
 穏やかで優しい流れ。
 都会の喧騒やデジタルな21世紀であることを忘れそうなノスタルジー。
 そんな音。



posted by H.A.

【Disc Review】“Chiaroscuro” (2010) Ralph Towner、Paolo Fresu

“Chiaroscuro” (2010)  Ralph Towner、Paolo Fresu
Ralph Towner(guitar) Paolo Fresu(trumpet)

Chiaroscuro
Universal Music LLC
2010-01-27
ラルフ タウナー
パオロ フレス




 ECMレーベルの看板ギタリストRalph TownerとイタリアのマイルスっぽいトランペッターPaolo Fresuのデュオアルバム。
 基本的には上品系なお二人ですが、一歩間違えば激しい系フリージャズまでいってしまうこともあり、若干不安を抱きながら聞いてみると、全編美しい静音ジャズで一安心。
 このレーベルにありがちな難解な展開や陰鬱な曲はなく、美しく牧歌的な世界が展開されます。
 演奏は当然高レベル。
 相当難しいことをやっているのでしょうし、また、緊張感溢れる演奏なのですが、さらりと聞けてしまうのが凄いところ。
 曲はオリジナル中心、Ralph Towner色が強く、さわやかな曲が続きます。
 オシャレなカフェで流れていても違和感なく、家でも朝の目覚め、ナイトキャップ両方に使えそう。
 周囲の空気が柔らかく、ほの暖かくなるような気がします。



posted by H.A.
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