吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Brazilian Soul” (2004) Azymuth

“Brazilian Soul” (2004) Azymuth
Jose Roberto Bertrami (Keyboards, Vocals) Alex Malheiros (Bass, Guitar, Vocals) Ivan Conti (Drums, Guitar, Vocals, Percussion) Dom Chacal (Percussion)

ブラジリアン・ソウル
アジムス
日本コロムビア
2004-08-25


 ブラジリアンフュージョンのAzymuthの21世紀に入ってのアルバム。
 “Light As A Feather” (1979)の頃とピアノトリオは同じメンバーそのまま。
 あの時代のディスコなビート感はなくなりましたが、それ以外の音はそのままでしょう。
 いかにもブラジルなウイスパー気味のボーカルを何曲かでフィーチャーして、AORと呼ぶのがいいのか、レアグルーヴと呼ぶのいいのか、全編そんなソフトでメローな音。
 中心となるのはもちろんあのエレピ。
 シンセサイザーの派手な使われ方もなくて、シンプルなエレクトリックピアノトリオ+αな編成。
 強いビートやキメも抑えられ、あくまで柔らかでしなやかなグルーヴ。
 21世紀のこの時代、こっちの方が馴染むし、和みます。
 楽曲はメンバーのオリジナル。
 ちょっとセンチメンタルでキャッチーなメロディが並びます。
 懐かしいような感じもあるし、現代風な感じもあるし。
 サウダージと呼ぶには、ちょっと洗練に振れていて、ほんの少しだけオシャレに過ぎる感じのバランス。
 が、派手でもゴージャスでもタイトでもなく、むしろ緩め。
 そんな感じの全編で漂う緩めなサンバな感じがとてもいい感じ。
 このくらいの加減が、一番ナチュラルでオシャレに聞こえる絶妙なバランスなように思います。
 ジャケットは1970年代のサイケデリック風味ですが、音はソフトなグルーヴのみを抜き出した感じ。
 それらが21世紀っぽいかどうかはさておき、とても心地よいので、よろしいのではないかと。
 柔らかなグルーヴとエレピの組み合わせ、最高。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Light As a Feather” (1979) Azymuth

“Light As a Feather” (1979) Azymuth
José Roberto Bertrami (Keyboards, Percussion, Vocals) Alex Malheiros (Bass, Vocals) Ivan Conte (Drums, Synthesizer) Aleuda (Percussion)

ライト・アズ・ア・フェザー
アジムス
ビクターエンタテインメント
2008-08-20


 ソフトアンドメローなフュージョンシリーズ(ってこともないですが)、さらに七夕にピッタリな、ブラジリアンフュージョンのAzymuthの懐かしの人気作。
 一定の年齢以上の人にとっての聖典・・・かどうかはさておき、当時の多くの人が聞いたことがあるであろう”Fly over the Horizon”を収めた一作。
 ジャズマニアな私からしても、アルバムタイトル曲が大名作“Light as a Feather” (Oct.1972) Chick Corea and Return to Foreverのカバーであることすら忘れてしまっているほどの、その曲の圧倒的な存在感。
 少々時代を感じるシンセサイザーとシンセドラムの音。
 これが聞こえてくると妙に懐かしい気持ちになるのと、目が冴えてくるのはパブロフの犬状態。
 中盤の揺れるエレピのソロの間のシンセドラムには思わず笑ってしまうというか、何と申しましようか・・・
 とにもかくにも、5分強の至福の時間・・・
 冷静に考えると、”Fly over the Horizon”以外はあまり聞いていたかったりするのだけども、あの時代の懐かしいフュージョンの香りがてんこ盛り。
 跳ねまくるチョッパーベースに、やたらキメの多いあの時代のフュージョンビート、あるいはディスコビートな曲もちらほら。
 ノリノリのビートを背景に疾走するエレピ。
 この手の音も、ソフト&メロー、あるいはレアグルーヴな音に入るのかな?
 もろWeather Report風だったり、Return to Forever風だったりする場面がしばしばあるのもご愛敬。 
 ちょっとマニアックな“Mr. Gone”(1978) Weather Report風な場面もあるのは、時代の空気感なのでしょうか?
 “Light as a Feather”はちょっとポップに模様替えした感じのオシャレな演奏。
 さりげなくToninho Hortaのバラードも収録されていて、ブラジリアンフュージョンとしてカッコいい演奏がたくさん。
 全編で揺れ続けるエレピが最高。
 携帯電話もインターネットもSNSもYouTubeも無く、テレビとラジオとカセットテープの時代のノスタルジー。
 Jet Streamってのもありましたが、どんなんだったけ?
 Webを検索してみると、まだやっている・・・というか、JALご難の時期含めて続いていたようですね。
 当のCrossover11も限定復活していたようで・・・




 posted by H.A.


【Disc Review】“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith

“Funk Reaction” (1977) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ, Synthesizer?)
Eddie Daniels (sax) Richie Hohenburger (guitar) Yaron Gershovsky (piano) and others

ファンク・リアクション
ロニー・スミス
Pヴァイン・レコード
2013-04-17


 Lonnie Smithの1970年代ソウルジャズ。
 Blue Noteでブルージーな演奏のイメージも強い人ですが、この期ではソウルジャズ~フュージョンな音。
 跳ねるベースにタイトなドラム、ファンキーなギターのカッティングとシンセサイザー。
 Herbie Hancockが “Head Hunters” (Sep.1973)、あるいは“Man-Child” (1974-75)あたりで確立した音なのでしょうか? 
 さらにソフト、ポップになって、ボーカルも乗せて・・・
 それでもいかにもなボーカル曲は最後と最後のみで、インプロビゼーションのスペースがたっぷり確保されているのが1970年代なバランス。
 冒頭から心地いいフェイザーが掛かったギターのカッティング。
 タイトな8ビートにフワフワとした音を出すフロント陣のバランスがとてもいい感じ。
 ディスコな感じのビートの演奏も少々ありますが、中心は柔らかで穏やかなグルーヴ。
 さらにちょっと切ないメロディ。
 その結晶が白眉の“It's Changed”。
 レアグルーヴなんて語感がピッタリな音。
 何のことはないミディアムテンポのソウルバラードなのかもしれませんが、これは染みます。
 ジャズなギターが奏でる切ないメロディに、静かに弾みながら後押しするような絶妙のベースライン、ちょっとあざとい感じのコーラスもいい感じの演出。
 さらに中盤からのシンセサイザーのソロのカッコいいこと、切ないこと。
 これだけ音数が少ないのにカッコいいインプロビゼーションはないのでは?
 少し変えると別の曲になってしまうような完成度の素晴らしさ。
 さすが、生粋のジャズメンLonnie Smith・・・かどうかはさておき、1960年代のコテコテな感じからは想像できないような洗練。
 胸がキュンとする、なんて言葉は気持ち悪くて使わないのですが、そんな音。
 その他含めて、心地よいソウルジャズ~フュージョンがたっぷりと。
 “Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)を根っこにして、上記のHerbie Hancock諸作で整理され、確立し、本作もその流れの中の一作。
 あるいは、“Big Band Bossa Nova” (1962) Quincy Jonesあたりからあった、ポップなジャズが、時代の流行りの音と融合してできた音。
 さらに発展して、いきついたピークが“Winelight” (1980) Grover Washington Jr.あたり、ってな感じが私的な捉え方。
 ま、そんな野暮な話はさておいて、あの時代のノスタルジーと呼ぶにはあまりにも素敵な音ですねえ。




 posted by H.A.


【Disc Review】“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith

“Live At Club Mozambique” (May.1970) Lonnie Smith
Lonnie Smith (Organ)
George Benson (Guitar) Joe Dukes (Drums)
Gary Jones (Congas) Clifford Mack (Tambourine)
Ronnie Cuber (Baritone Saxophone) Dave Hubbard (Tenor Saxophone)

Live at Club Mozambique
Lonnie Smith
Blue Note Records
1995-04-05


 ソウルジャズ、オルガンのLonnie Smithのライブ録音。
 Blue Noteからですが、お蔵に入っていた音源で、リリースは1995年。
 同じ時期ではGrant Greenの”Alive” (1969)、あるいは同じ場所での”Live at the Club Mozambique” (1971)の方が人気なのかもしれませんが、同じ空気感の、熱い、暑苦しいあの時代のソウルジャズ。
 4ビート、8ビート、16ビートなんでもこいのファンクモード。
 少々跳ね気味のファンキーなリズムとアフロでヒップなパーカッション、コッテリしたオルガンとホーン陣。
 Sly & Family Stoneっぽいファンクから始まり、Coltraneっぽいモードジャズから、後はこってりしたファンクのオンパレード。
 サックスはブリブリと脂汗がにじみ出るような暑苦しいインプロビゼーション、George Bensonもしっかりフィーチャーされ、飛ばしています。
 ちょっととぼけたようなリーダー?のボーカルはご愛敬。
 スムースなグルーヴとトロトロな感じのバラードがカッコいい“Heavy soul” (1961) Ike Quebecのような、少々ノスタルジックなオルガンジャズではなく、ましてや“Bitches Brew” (Aug.19-21,1969)や“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetimeのような過激なジャズファンクでもなく、オーソドックスな黒々としたソウルジャズ。
 Miles Davis一派と同じようにSly & Family StoneやJames Brownを意識しているにしても、あまりにも直球剛球一直線。
 4ビートのモードな演奏が一番スッキリと聞こえてしまうのは気のせいでしょうか?
 ここからこの人脈も、ポップな要素を強調しつつ洗練され、フュージョン、AORへ展開する一歩手前。
 Miles Davis一派のようなぶっ飛んだ人たちの音ではなく、普通の1960年代までの大衆的ジャズが終わった象徴的な音、でしょうかね。
 この先は”Breezin'” (1976) George Bensonは言わずもがな、ちょっとレアなグルーヴで “Funk Reaction” (1977)が有名なのかな?




 posted by H.A.


【Disc Review】“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetime

“Emergency!” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetime
Tony Williams (drums, voice?) John McLaughlin (guitar) Larry Young (organ)

エマージェンシー!
トニー・ウィリアムス・ライフタイム
ユニバーサル ミュージック クラシック
2003-05-21


 Tony Williams Lifetimeのデビュー作、超ハイテンションハードロックジャズ。
 “Saudades" (2004) Trio Byondを聞いて久々に引っ張り出してきたアルバム。
 “In a Silent Way”(Feb.1969)の三か月後、Tony Williams は参加していませんが、他の二名が参加したあの“Bitches Brew”(Aug.19-21,1969)の三カ月前の録音。
 ジャズとロックが融合していく結節的な時期、Milesの諸作と同様、結節点的な作品。
 冒頭のタイトル曲からガンガンのロックなハードな音。
 が、怒涛のような激しい音でテーマを決めると、いきなり4ビート。
 これがオルガントリオならではの、スムースでカッコいいグルーヴ。
 もちろん歪んだギターがうなる超ハイテンションでハードな演奏ですが、4ビートから脱却しようとしていた上記のMiles Davis作品とはちょっとイメージが異なります。
 激しくロックな演奏の合間にそんな場面がしばしば登場し、そこは“1969Miles”(Jul.25,1969)などに近い感じのエネルギー放出型ジャズ。
 また、“Saudades" (2004)のJack DeJohnetteのゴツゴツしたドラムに対して、あるいはグニョグニョしたJohn Scofieldに対して、本作のお二人はスムース。
 8ビートにしろ、4ビートにしろ、激しく叩きまくっているようでヘビーでは無くて、軽快・・・ってなのも変ですが、不思議にサラリと聞けてしまいます。
 音量が落ちた4ビートの場面などは、シンシンとしたシンバルが静かに響く、紛うことなきあのジャズのTony Williams。
 John McLaughlinも同様。
 ディストーション掛けてチョーキングしまくりのようで、実際にそうなのですが、綺麗に音符が並んでいるように思います。
 っても、激しいことには変わりはなく、要所で入る妖し気なボイスを含めて、端正なジャズでも、アーティスティックなフリージャズでもなく、4ビートも混ざるロック、あるいはハードなプログレッシブロックジャズ。
 それも超弩級に激しい系。
 とてもトリオの演奏には聞こえません。
 途中の混沌な場面はフリージャズな“Super Nova” (Aug.Sep.1969) Wayne Shorter、ファンクな場面では“Jack Johnson" (Feb.18,Apl.7,1970) Miles Davisを想い起こすのですが、それも同時代。
 以下の様に近作を並べてみると、ロックロックしているのは本作と“Jack Johnson" ぐらいで、ジャズへのロックの伝道者の張本人は、Miles Davisというよりも、Tony Williams, John McLaughlinだったのでしょうかね?

 “In a Silent Way” (Feb.1969) Miles Davis
 “Is”, “Sundance” (May.11-13.1969) Chick Corea
 “Emergency” (May.26,28.1969) The Tony Williams Lifetime
 “1969Miles” (Jul.25,1969) Miles Davis
 “Bitches Brew” (Aug.19-21,1969) Miles Davis
 “Super Nova” (Aug.Sep.1969) Wayne Shorter
 “Infinite Search” (Nov.1969) Miroslav Vitous
 “Jack Johnson" (Feb.18,Apl.7,1970) Miles Davis
 “The Song of Singing” (Apl.17,18.1970) Chick Corea
 “Zawinul” (Aug.6-12.1970) Joe Zawinul 
 ‎”Afric Pepperbird” (Sep.1970) Jan Garbarek Quartet
 “Mwandishi” (Dec.1970) Herbie Hancock
 “Weather Report” (Feb-Mar.1971) 

 ジャズ、フリージャズ、ロックがグチャグチャに入り混じりながら、次のモノが生まれる途上の激しい音。
 ここまで激しければ、スカッと爽快・・・に聞くためには体調を整え、心して・・・


 

 posted by H.A.


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