吉祥寺JazzSyndicate

 吉祥寺ジャズシンジケートは、東京、吉祥寺の某Barに集まるJazzファンのゆるーいコミュニティです。  コンテンポラリーJazzを中心に、音楽、アート、アニメ、カフェ、バー、面白グッズ、などなど、わがままに、気まぐれに、無責任に発信します。

【Disc Review】“Thelonious Himself” (1957) Thelonious Monk

“Thelonious Himself” (1957) Thelonious Monk
Thelonious Monk (piano)
John Coltrane (tenor sax) Wilbur Ware (bass)

Thelonious Himself
Thelonious Monk
Ojc
1991-07-01


 寂しげな空間に響くピアノ。
 流れてくるのはさりげないLove Song。
 確かに“4月のパリ”の風景なのでしょう。
 さり気ないロマンチシズムが漂う上品で洒落たメロディ。
 でも、そこ街の賑わいはなく、人気もない、パリの空気感。
 徐々に歪んでいく時空。
 強い寂寥感、離散する時間の感覚の中、かろうじて維持される秩序。
 真夜中なのかもしれないし、遠い過去の事なのかもしれません。
 それとも、荒廃した未来のパリの景色なのでしょうか・・・




posted by H.A.


【index】 2017年・私的ベストアルバム

 2017年の私的ベストアルバム10。(順不同)。
 基本的には新譜、新発表に限ろうと思っていますが、発表すぐには聞いていないものも多いこともあり、1-2年ぐらい前までは対象ということでアバウトに。  
 見事に南米とECMへの偏りが・・・
 アメリカ、日本にもいいのがたくさんあるのでしょうけど・・・
 他にも南米系でいいのが諸々あったのだけども、整理しつつ、また来年に。
 来年は全部南米になったりして・・・


Vento Sul” (2017) Luis Leite
 ブラジルのギタリストのフォルクローレ的なジャズフュージョン。
 とても優しくて穏やかでキャッチ―。
 全曲捨て曲なし。

 Vento Sul [CD]Luis Leite


Serpentina” (2017) André Mehmari, Juan Quintero, Carlos Aguirre
 これ見よがしなこのメンツかあ、なんだかなあ・・・
 ってなのは穿った考え。
 南米フォルクローレとジャズとクラシックとポップスと・・・諸々混ざった現代最高のフュージョンミュージック。




Três no Samba” (2016) Eliane Faria, André Mehmari, Gordinho do Surdo
 André Mehmariの穏やかなサンバ。
 何のことはないサンバアルバムのようで普通ではないのは、とんでもないピアノゆえ。
 っても変なことはしていません。
 とても上品で穏やかでクラシカルだけど、アグレッシブなサンバ。

Tres No Samba
Andre Mehmari
Imports
2017-03-03






Caipira” (2017) Mônica Salmaso
 いつもながらに優雅の極めつけ、強烈な浮遊感。
 穏やかでアコースティックなトリップミュージック。
 ジャケットも最高。

Caipira
Biscoito Fino
2017-08-21







Macieiras” (2017) Alexandre Andrés
 目下の一番のストライクゾーン、南米フォルクローレなジャズ。
 優しくて穏やかで悲し気でカッコいい。
 いい作品がたくさんありそうなので、探し出すとキリがなくなりそうですが・・・

Macieiras
Alexandre Andres
Fazenda Das Macieira
2017-09-14




Fronteira” (2017) Rafa Castro
 ブラジル、ミナス~フォルクローレなコンテンポラリージャズ。
 どうもこの種が最近の一番の好みで、完成度云々よりも空気感を優先しているかなあ。
 “Still Life (Talking)” (1987) Pat Metheny Groupのころから好みが変わっていない、が正解かもしれませんが・・・ん?30年前・・・!?




Calma” (2017) Carlos Aguirre Trío
 現代のカリスマ。
 ここまでの主だった作品の現代的なフォルクローレ的ポップスなイメージとは変わって、静謐なコンテンポラリージャズ。
 これはジワジワきます。

Calma
Carlos Aguirre Trio
Shagrada Medra
2017-12-17



Blue Maqams” (2017) Anouar Brahem
 チュニジアのウード奏者とDjango BatesエレクトリックMilesのリズム隊の共演。
 これが意外にもいい感じのコンビネーション。
 それにしてもDjango Batesは静かに弾いてもスゲーや。

Blue Maqams
Anouar Brahem
Ecm Records
2017-10-13



Time Is A Blind Guide” (2015) Thomas Strønen
 あのフリーの人だなあ・・・と思いながら聞いたアルバム。
 そんな演奏も少なくないのですが、ビートが入るとヒタヒタと迫ってくる系のグルーヴ。
 時空が歪むような妖しい弦との絡み合いがカッコいい。
 中ほどに置かれた”I Don't Wait For Anyone”は今年一番たくさん聞いたであろう、私的大大大名演。

Time Is a Blind Guide
Thomas Stronen
Imports
2015-10-30



Birdwatching” (2015) Anat Fort
 ちょっと薄味な人・・・、のイメージでしたが、本作はいかにもECMな妖しさたっぷり。
 ゲストのクラリネット奏者Gianluigi Trovesiが大名演。

Birdwatching
Anat Fort Trio & Gia
Ecm
2016-02-19









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番外編

A Multitude of Angels” (Oct.1996) Keith Jarrett
  “La Scala” (Feb.13.1995)の大ファンとしては聞かざるを得ない作品。 
 “The Köln Concert”(Jan.1975)に対する“Sun Bear Concerts”(Nov.1976)のような作品と期待しましたが・・・
 さておき、本作を入手したことをきっかけにソロピアノ作品を聞き直し。
 いい機会をいただきました。

A MULTITUDE OF ANGELS
KEITH JARRETT
ECM
2016-11-04






posted by H.A.

【Disc Review】“Calma” (2017) Carlos Aguirre Trío

“Calma” (2017) Carlos Aguirre Trío
Carios Aguirre (Piano)
Fernando Siiva (contra bass, cello) Luciano Cuvielio (drums, cascabeles)
Claudio Bolzani, Marceio Petteta (voice) Mono Fontana (keyboards)

Calma
Carlos Aguirre Trio
Shagrada Medra
2017-12-17


 現代フォルクローレの親分であろうCarios Aguirreのピアノトリオを中心としたアルバム。
 自身のレーベルShagrada Medraからはたくさんのアーティストの作品がリリースされ、“Serpentina” (2017)などの共演作はありますが、自身のリーダー作としては“Orillania” (2012)以来、久々の作品。
 名作“Luz de agua” (2005) のFernando Siivaがベーシスト、Claudio Bolzaniがゲスト参加し、音響派のMono Fontanaが名前を連ねます。
 ボーカルはゲストが入った一曲のみ。
 全体のムードは躍動感強めの前作から大きく変わって、ヨーロッパ系、ECMな空気感も漂う、ピアノトリオによるとても静かなコンテンポラリージャズ。
 今時珍しく各曲が長尺な全七曲。
 静かで内省的なムード、甘すぎない淡いメロディも含めて、空気感は“Carlos Aguirre Grupo (Violeta)” (2008)に近い感じもありますが、もっともっと抑えたジャズな感じ。
 “Caminos” (2006)をジャズに寄せた感じでしょうか。
 ほのかにセンチメンタリズムが香るメロディに、漂うわけでも疾走するわけでもない、端正でゆったりとした落ち着いたピアノトリオ。
 弾きすぎないピアノ、スウィング、グルーヴしすぎないリズムは、ジャズな音とは少しニュアンスが違うのでしょう。
 もっと繊細で複雑な音。
 丁寧に置かれていくピアノの音。
 インプロビゼーション、インタープレーの場面も全て計算されているような、美しく哀しい音の流れが続きます。
 甘いメロディやカラフルなアンサンブル、歌がない分、ここまでの作品に比べると地味なのでしょう。
 が、耽美的で内省的、じわじわとくる系。
 数多い美しく哀しい名曲のメロディの断片を散りばめていくように淡々と続くピアノの音・・・
 そして最後に収められた、抑制されつつも強烈な高揚感の中での感動的な終演。
 その他、躍動感のある場面もしばしばありますが、基本的には静かで穏やか、フォルクローレな浮遊感のある音。
 時間の流れが遅くなっているような、ゆっくりと周囲の形式が変わっていくような音の流れ。
 ジャケットのイメージと同様に、孤独で寂寥感が漂う心象風景・・・、そんな形容が似合うのでしょう。
 アルゼンチンからは地球の裏側の日本の今の季節にピッタリの音かもしれません。




posted by H.A.

【Disc Review】“Fronteira” (2017) Rafa Castro

“Fronteira” (2017) Rafa Castro
Rafa Castro (piano, voice)
Igor Pimenta (bass) Gabriel Alterio (drums)
Vana Bock (cello) Ricardo Taka, Marcos Scheffel (violin) Daniel Pires (Viola)
Vinicius Gomes (Guitar) Lea Freire (Flute) Teco Cardoso (Sax)
Monica Salmaso (Voice)



 ブラジル、サンパウロのシンガーソングライター、ピアニストRafa CastroのMPB、あるいはミナス~フォルクローレ的なブラジリアンコンテンポラリージャズ。
 “Lachrimae” (2003) Andre Mehmari, “Naissance” (2012) François Morin,“Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaertなど、新しいところでは“Macieiras” (2017) Alexandre Andrésなどに近いムード、フォルクローレの香りがする南米ジャズフュージョンの系。
 ピアノトリオ+自身のボイスをベースとして、楽曲ごとにストリングスカルテット、ギター、管楽器が入れ替わり加わっていく形。
 冒頭から幻想的なECM的ルバートのイントロ、ピアノトリオとソプラノサックスの絡み合い。
 さらにストリングスカルテットにスキャットボイスが入るとAndré Mehmari風に・・・、ビートが強くなるとあの時期のPat Metheny風に・・・
 二曲目のピアノトリオ+ボイスでのバラードになってもその空気感は変わりません。
 強烈な浮遊感、哀し気で、寂し気で、幻想的で・・・
 そんな線でまとめてくるのかな?と思いきや、そうはならないのが隠せない元気なのか、先に進むにつれて音量が上がりエネルギーも強くなっていきます。
 ギターが映えるちょっとハードなジャズテイストやら、ドラマチックで派手な演出やら、スモーキーなミステリアスボイスMonica Salmasoが参加した幻想的な音やら、その他諸々いろんな色合い。
 いずれも少々寂し気で悲しげだけど前向きな雰囲気、いわゆるサウダージなオリジナル曲のメロディがとてもいい感じ。
 リーダーの少々素っ頓狂系のハイトーンボイスが、若き日のEgberto Gismonti風に聞こえるのもご愛敬。
 少々ハードな演奏などは音楽自体もEgberto Gismontiっぽいというか、神のごとき彼の強い影響は多くの若手にあるのでしょうね。
 などなど含めて、いろんな要素がてんこ盛りのブラジリアンミュージック。
 André Mehmari的あるいはCarlos Aguirre的な色合いに、ちょっとハードなジャズ、あるいはEgberto Gismonti色合い、現代のポップス、ジャズが複雑に交差する、なんて感じでしょうか、
 いずれにしても今後どう化けるか楽しみな人。




posted by H.A.

【Disc Review】“Macieiras” (2017) Alexandre Andrés

“Macieiras” (2017) Alexandre Andrés
Alexandre Andrés (flute, guitar, voice)
Rafael Martini (piano, accordion, voice) Pedro Trigo Santana (Acoustic Bass, Voice) Adriano Goyatá (Drums, Marimba de vidro, Voice) Rafael Dutra (Voice) Gabriel Bruce (Drums), Natália Mitre (Vibraphone)
André Mehmari (piano) Antonio Loureiro (Vibraphone) Joana Queiros (Clarinet, Clarone) Ricardo Herz (violin)

Macieiras
Alexandre Andres
Fazenda Das Macieira
2017-09-14


 ブラジル、ミナスのシンガーソングライター~フルーティスト~マルチインスツルメンタリストのフォルクローレなジャズフュージョン。
 ミナス系のボーカリストLeonora Weissmannの“Adentro Floresta Afora” (2015) や、André Mehmari人脈、Antonio Loureiroの"" (2012) その他で名前をよく見かける人。
 本作はボイスはスキャットのみ、フルートを中心としたブラジリアンジャズフュージョン。
 この種の音楽のもはや大御所André Mehmari本人もゲストで一曲に参加しています。
 ブラジリアンならではのしなやかなグルーヴのピアノトリオを背景にして、アコーディオンにビブラフォンにバイオリン・・・、そしてリーダーを含めた管楽器の丸い音。
 この種の音楽の定番のヒタヒタと迫ってくるようなビートに、上品なアンサンブルはもちろん、少々激しめ、エキサイティング系の演奏も含めて、ジャズ的なインプロビゼーションのスペースがたっぷり。
 ほぼ全曲のオリジナル曲は、少し陰のある哀愁を含みつつも前向きな、あのブラジリアンなメロディ。
 さらには遠くから聞こえてくるようなコーラス・・・
 全編に漂う、懐かしげなような哀しげなような、いわゆるサウダージ、郷愁感。
 徐々に周囲の景色が変わっていくような音の流れに、ドラマチックなアレンジ。
 あの期のPat Metheny Group、“Lachrimae” (2003) Andre Mehmari, “Naissance” (2012) François Morin,“Dos ríos” (2008) Andrés Beeuwsaertなどの南米系ジャズフュージョンの名作群を想い起こします。
 全編通じて、とてもしなやかなブラジル・ミナス的なフォルクローレ色の混ざり合うジャズ。
 素晴らしい楽曲、演奏揃い。
 名作です。




posted by H.A.


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